後遺障害4級の認定を受けるために知っておきたい5つのこと

後遺障害4級の認定を受けるために知っておきたい5つのこと

後遺障害4級に認定されるかもしれないと医師に言われたが、いったいどういう症状でどれくらいの損害賠償額がもらえるのだろう……。

交通事故に遭い後遺障害が残ってしまった場合、特に重い等級認定が予想される場合にはどのような点に注意すればよいのでしょうか?

重い後遺障害が残ってしまうと、その後も長期間の治療が必要になる可能性もありますし、仕事などに大きな影響が生ずることも予想されます。したがって、将来に備えるためにも適切な賠償を受けておく必要がありますが、受ける賠償の内容は、どの程度の後遺障害等級認定を受けるかに大きく左右されます。

ここでは、後遺障害等級4級の認定を取り上げて説明していくことにします。

お読み頂ければ後遺障害等級4級の認定可能性がある場合にどのような対応をしたらいいか分かるはずです。ベリーベスト法律事務所の交通事故専門チーム所属の弁護士がまとめている内容なのできっと参考になるはずです。

今回の内容が後遺障害等級4級に該当する障害を負いお悩みの方のご参考になれば幸いです。

交通事故の後遺障害については以下の関連記事もご覧ください。

1、後遺障害4級を含めて「後遺障害が残る」とはどのような状態か?

(1)後遺障害とは?

後遺障害とは、交通事故を原因とする症状のうち、治療を行っても最終的に残ってしまった症状のことをいいます。

事故で怪我をしてしまった場合、治療によって完治する怪我もありますが、治療を行っても完治せず永久的もしくは半永久的に症状が残ってしまうケースもあります。

この残ってしまった症状を後遺障害というわけですが、後遺障害には、事故によって手や足を切断してしまったとか、怪我をした部位の痛みがいつまでも取れない、視力が落ちたなど様々なものが考えられます。

現在の交通事故損害賠償の実務では、一定期間必要な治療を行ったが、それ以上治療を続けても症状の改善が望めないという状態に達した場合には、その時点でいったん「症状固定」の診断をし、この症状固定後の症状は後遺障害として扱うこととしています。

もちろん、症状固定後も、通院治療をすることによって残った痛みなどを鎮めることはできるでしょうし、被害者がそのような治療を続けるのは当然のことですが、その治療は永久的(もしくは半永久的)に続くことになり、賠償問題の解決ができず、また加害者側にも過度の負担を負わせかねないことにもなりますので、症状固定以後に残った後遺障害については慰謝料や逸失利益によって別途解決を図ることとしているのです。

(2)後遺障害等級認定とは?

先ほども触れましたが、後遺障害といっても、手足を失うなどの大変重篤なものから季節や天候などによって軽い痛みがあらわれるなどの比較的軽度のものまで様々なものがあります。

当然、後遺障害の程度が重ければ重いほど、損害賠償の場面での慰謝料や逸失利益の金額は高くなりますが、後遺障害の程度には何らかの基準があるのでしょうか?

交通事故によって後遺障害が残った場合には後遺障害等級認定を受けることができます。

この等級認定は、法律に基づいて設立されている損害保険料率算出機構という組織によって行われ、実務上はここで認定された後遺障害等級に基づいて各ケースの慰謝料・逸失利益が算出されています。

2、後遺障害等級4級の認定を受けることができるのはどのような場合?

(1)後遺障害別等級表・別表第2

後遺障害等級は、重篤な順に1級から14級までに分類されています。

この分類は、自動車損害賠償保障法施行令別表第2として定められており、その体裁は症状ごとの一覧表となっています。

各等級には複数の症状が含まれ、逸失利益算定の基準となる各等級の労働能力喪失率も定められています。

このうち、後遺障害等級4級には、1号から7号までの7種類の後遺障害が挙げられており、労働能力喪失率は92/100つまり92%とされています(労働能力喪失率については3で詳しく説明しますが、簡単にいうと、事故前よりも労働能力が92%低下したということです)。

(2)各号の症状の説明

ここで後遺障害等級4級の7種の症状のそれぞれについて説明しておきます。

なお、後遺障害等級の認定基準では耳慣れない専門医学用語が使用されているため、分かりやすい言葉に置き換えて説明をしましたが、必ずしも医学的に正確な表現ではありませんのでご注意下さい。

①1号「両眼の視力が0.06以下になったもの」

事故によって両眼の視力とも0.06以下になってしまった場合をいいますが、ここでいう「視力」とは矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを使用した視力)をいいます。

②2号「咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの」

咀嚼の機能に著しい障害を残すとは、お粥などの流動的な飲食物以外摂取できない場合をいいます。

言語の機能に著しい障害を残すとは、4種の語音(口唇音、歯舌音、口蓋音、咽頭音)のうちの2種の発音ができない場合で、言語のみでは意思の疎通ができない場合をいいます。

③3号「両耳の聴力を全く失ったもの」

両耳の平均純音聴力レベルが90db以上のもの、または両耳の平均純音聴力レベルが80db以上でありかつ最高明瞭度が30%以下のものをいいます。

④4号「1上肢をひじ関節以上で失ったもの」

上肢とは肩から先の腕をいいますが、片腕について次のいずれかに当たる場合がこれに当たります。

  1. 肩関節において肩甲骨と上腕骨を離断したもの
  2. 肩関節とひじ関節との間において上肢を切断したもの
  3. ひじ関節において上腕骨と橈骨及び尺骨とを離断したもの

⑤5号「1下肢をひざ関節以上で失ったもの」

下肢とは股関節から下の足をいいますが、片足について次のいずれかに当たる場合がこれに当たります。

  1. 股関節において寛骨と大腿骨を離断したもの
  2. 股関節とひざ関節との間において切断したもの
  3. ひざ関節において大腿骨と脛骨および腓骨を離断したもの

⑥6号「両手の手指の全部の用を廃したもの」

両手の指について次のいずれかに当たる場合です。

  1. 手指の末節骨(一番先端の骨)の長さの1/2以上を失ったもの
  2. 中手指節関節(指の付け根の関節)または近位指節間関節(指の付け根から2番目の関節)の可動域が健側(障害がない側)の可動域角度の1/2以下に制限されるもの
  3. 母指(親指)の橈側(外側)外転または掌側(内側)外転のいずれかが健側の1/2以下に制限されているもの
  4. 手指の末節の指腹部および側部の深部感覚および表在感覚が完全に脱失したもの

⑦7号「両足をリスフラン関節以上で失ったもの」

両足(ここでいう足とは足首から下の部分)について次のいずれかに当たる場合です。

  1. 足根骨(土踏まず後方からかかとにかけての複数の骨)において切断したもの
  2. リスフラン関節(土踏まずを形成する部分)において中足骨(それぞれの指の根元の骨)と足根骨とを離断したもの

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