川崎病患者数が大幅減少、前年比マイナス35.6%

川崎病患者数が大幅減少、前年比マイナス35.6%

2019~2020年の2年間における川崎病患者の実態を調査した「第26回川崎病全国調査成績」が公開され、前年比マイナス35.6%と大幅に減少したことがわかりました。このニュースについて、武井医師が解説します。

武井 智昭 医師

監修医師:
武井 智昭(医師)

平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

川崎病とは?

まず、今回の調査対象となった川崎病について教えてください。

武井先生

川崎病は、4歳以下の乳幼児に多くみられる原因不明の病気です。全身の血管に炎症が起き、様々な症状が出ます。高熱や両側の眼球結膜の充血、真っ赤な唇と苺のようなブツブツの舌、体の発疹、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れの6つの症状のうち、5つ以上の症状があれば川崎病と診断します。

小さなお子さんの場合、BCGを注射した場所が紅く腫れ上がることも特徴的な症状の1つですね。川崎病の恐ろしい点は、心臓を栄養する血管である冠動脈に動脈瘤を形成することです。川崎病にかかったお子さんの約3%に何らかのこぶができてしまいます。

その結果、狭心症や心筋梗塞を起こす危険性が高まります。特に大きな冠動脈瘤を残してしまった場合は、心筋梗塞を予防するために、長期間にわたりアスピリンなどの血液が固まりにくい薬を飲み続ける必要があります。

調査の結果とは?

今回発表された調査の内容について教えてください。

武井先生

今回の調査は2019年1月1日~2020年12月31日に受診した川崎病初診患者について情報を収集したものです。

その結果、川崎病新規患者数は2019年が1万7347人と過去最高を記録した2018年とほぼ同等だったのですが、2020年には1万1173人となり、2019年に比べると35.6%も減少していました。特に2020年には3月以降に患者数が大幅に減少し、6~10月に横ばいになった後、10~12月に増加傾向が見られました。

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