【SDGs】「食品ロス」と「フードロス」は同じ意味?なにが違うの?フードウェイストなど、言葉の意味を専門家が解説

【SDGs】「食品ロス」と「フードロス」は同じ意味?なにが違うの?フードウェイストなど、言葉の意味を専門家が解説

最近よく耳にする食品ロス・フードロスという言葉。日本では、年間612万トンもの食品が食べ残し、売れ残りや期限が近いなどの理由で食べられる状態なのに廃棄されている。そもそも食品ロスとフードロスは意味が同じと思っている人も多いのでは。そこで言葉の違いを解説。あわせてフードウェイストなど関連キーワードもおさらい。

フードロスってなに?食品ロスとの違いは?

日本では、本来食べられるのに捨てられてしまう食品、つまり「食品ロス」のことを「フードロス」と表現しているケースも多いですが、厳密に言うと、海外で「フードロス」というと、意味合いが異なります。
国際連合食糧農業機関(FAO)では“Food loss”を「小売業者、食品サービス事業者、消費者を除く連鎖の中で、食品供給者の判断や行動によって生じる食品の量や質の低下」と定義。海外では、消費者に届く前の事業者側に対する言葉として使われるのが一般的です。loss=損失(失われた)という意味合いが強く、消費者の手に届く前の段階、生産~加工~流通までの間で廃棄せざるを得なくなったものを指します。

発音としては同じながら意味合いが少し違うため、最近日本では、いわゆる「食べられるのに捨ててしまう食品」という意味としては「食品ロス」を使おうという動きが出てきています。

フードウェイストってなに?食品ロスとの違いは?

一方、フードウェイストはいわゆる「食品廃棄物」のこと。同じくFAOによると、「小売業者、食品サービス事業者、消費者の判断や行動によって生じる食品の量や質の低下を指す」とあり、外食産業や小売だけではなく、消費者の食べ残し、調理で発生するゴミなども含め廃棄されてしまう食品全般を指します。waste=無駄にするという意味合いが強く、海外では消費者の行動によって生じる食品のロスは、“Food Waste(フード ウェイスト)”と表現されるのが一般的です。

このように英語では、生産者時点で廃棄(loss)となったもの、小売や外食、家庭で廃棄(waste)となったもので表現が変わります。最近、FAO(国際連合食料農業機関)では無駄になる食品全般を“Food Loss and Waste”と表現するようになりました。これは農林水産省などが「食品ロス」と表現しているのと同じものを指しています。日本語では「食品ロス」、英語では“Food Loss and Waste”と表現されるのがこれからは一般的になりそうです。

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