自己破産で残せるものは意外に多い!できる限り多く残す方法も解説

自己破産で残せるものは意外に多い!できる限り多く残す方法も解説

3、自己破産で残せるもの・残せないものの具体例

それでは、さらに具体的に、自己破産で残せるもの・残せないものをみていきましょう。

ここまでのご説明と重複するものもありますが、できる限り細かいものまでご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

(1)金銭や金融商品

現金は、99万円まで残せます。タンス預金も「現金」に含みます。

以下のものは、20万円までは残すことができ、それを超える部分は処分されます。

  • 預貯金
  • 積立金
  • 生命保険(解約返戻金)
  • 学資保険(解約返戻金)
  • 賃貸住宅の敷金や保証金
  • 退職金(支給見込額の8分の1が対象)

生命保険や学資保険については、解約返戻金見込額が20万円以内の場合は、そのままかけ続けることもできます。20万円を超える場合は解約し、解約返戻金が配当の引き当てとなります。

退職金については、破産手続開始時点での支給見込額の8分の1に相当する金額が20万円を超える場合は、支給見込額の8分の1に相当する金額を破産管財に預けることによって、配当の引き当てとされます。退職をする必要はありません。

電話加入権は、以前は処分の対象でしたが、現在ではほとんど市場価値がないため、残すことができます。

(2)不動産

マイホームなどの不動産は、一般的に残すことはできません。別荘についても同様です。

住宅ローンが残っている場合は、破産管財人によって処分される前に、債権者が抵当権を実行することによって競売にかけられるか、任意売却されてしまいます。

なお、マイホームであっても立地条件が極めて悪く、価値も低くて買い手がつかないような物件の場合は、破産財団からの放棄によって残せることもあり得ます。

山林や原野などの土地は、一般的に買い手がつかないため、残せる場合が多くなっています。

(3)車その他の乗り物

自動車とバイクは、査定価格が20万円を超えるものは残せません。

ただし、法定耐用年数が過ぎているものは財産的価値がないものとみなされるので、残せるのが一般的です。

法定耐用年数は、普通車が初度登録から6年軽自動車は4年バイクは3年となっています。

自転車については、特に高価なものでない限り、残すことができます。

電動機付き自転車、車椅子、電動車椅子なども残せます。

(4)家具

以下の家具は、差押え禁止財産に含まれないものであっても価値が低いため、残すことができます。

  • タンス
  • 衣装ケース
  • ベッド
  • 布団など寝具
  • ソファー
  • テーブル
  • 椅子
  • 食器棚
  • 本棚
  • テレビ台
  • カーペット
  • カーテン
  • ブラインド
  • 靴箱
  • 傘立て

鏡台も残せますが、複数台持っている場合は、高価なものについては残せない可能性もあります。

(5)家電

以下の家電は残すことができますが、複数台持っている場合は、高価なものについては残せない可能性もあります。

  • テレビ
  • ビデオデッキ
  • ステレオやコンポ
  • CDラジカセ
  • DVDプレイヤー
  • パソコン
  • プリンター
  • コピー機
  • シュレッダー
  • 電話機
  • 携帯電話
  • スマホ
  • タブレット
  • ドライヤー
  • マッサージ機

(6)冷暖房機器

以下の冷暖房機器も残すことができますが、エアコンについては、複数台持っている場合、高価なものについては残せない可能性もあります。

  • エアコン
  • 扇風機
  • 冷風機
  • ファンヒーター
  • 電気ストーブ
  • 石油ストーブ
  • 電気カーペット

(7)衣類や身の回り品

以下の衣類は残すことができます。

  • 日常生活に必要な衣類全般
  • スーツ
  • 礼服
  • ネクタイ
  • シャツ
  • スーツケース

着物については、高価なものは処分の対象となりますが、現実には買い手がつかずに残せる場合が多くなっています。

(8)アクセサリー

以下のアクセサリーは価値が高いため、時価20万円を超えるものは残すことができません。

  • ブランド時計
  • 指輪(金やプラチナ製のものや、宝石が付いているもの)
  • ネックレス
  • ブレスレット

(9)趣味の用具

以下に掲げる趣味の用具は、基本的に残すことができます。

ただし、新しいもので価値が高いものは残せない可能性もあります。特にゴルフクラブのセットやピアノ、電子ピアノ、オルガン、カメラなどは注意が必要です。

また、絵画や骨董品、アンティーク品などでそれ自体の価値が高いものについても、残せない可能性があります。

  • ゴルフクラブ
  • ゴルフバッグ
  • 釣り具
  • スキー用品
  • スノーボード
  • サーフボード
  • バーベキューセット
  • テント
  • ルームランナー
  • エアロバイク
  • その他トレーニング用品全般
  • 健康器具全般
  • ピアノ
  • 電子ピアノ
  • オルガン
  • ギター
  • バイオリン
  • 尺八
  • ペット
  • 水槽
  • 虫かご

(10)子ども用の玩具等

子ども用の玩具は、全般的に残せます。以下のものも残すことができます。

  • ベビーカー
  • チャイルドシート

(11)祭祀・礼拝用の財産

以下の祭祀。礼拝用の財産は残すことができます。

  • 仏壇
  • 位牌
  • 仏像
  • 神像
  • 掛け軸

ただし、仏像・神像・掛け軸について、観賞用のものと認められる場合には、時価20万円を超えると残すことができません。

4、自己破産で残せるものを増やす2つの方法

ここまで、自己破産で残せるものと残せないものについてご説明してきましたが、できる限り多くのものを残したいと誰しも思うことでしょう。

以下の2つの方法をとることで、自己破産で残せるものを増やせる可能性があります。

(1)自由財産の拡張を申し立てる

1つめの方法は、前記「1」(5)でご説明した自由財産の拡張を申し立てることです。

財産総額99万円以内であれば比較的柔軟に自由財産の拡張が認められやすいですが、99万円を超える場合でも、事情によっては自由財産の拡張が認められることがあります。

たとえば、

  • 居住地の交通の便が悪く、通勤や生活のために車が不可欠である
  • 足が不自由なため、車がなければ生活が成り立たない

このような場合には、自由財産の拡張を申し立てることで車を残せる可能性があります。

他にも、

  • 重病を患っており、生命保険を解約してしまうと二度と保険に加入できない
  • 現に通院中で保険金を受け取っており、その保険を解約すると生活できなくなる

このような場合にも、自由財産の拡張が許可されれば保険を残すことができます。

他にもさまざまなことが考えられますので、自由財産の拡張を希望する方は弁護士に相談して確認してみることをおすすめします。

(2)破産管財人から親族が買い受ける

2つめの方法は、破産管財人が破産者の財産の換価処分を行うときに、親族がその財産を買い受けることです。

親族であっても第三者ですので、破産管財人から買い受けることに問題はありません。ただし、あくまでも相場に見合った適切な価格で購入してもらう必要があります。

親族が買い受けることで、その財産を引き続き破産者の手元に残すことも可能になります。

その後、破産者から買い受け人である親族へ賃料を支払うかどうかは、当事者同士で話し合って自由に決めることができます。

住宅や車、その他の財産の処分を免れない場合に、この方法を検討するとよいでしょう。

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