サービス残業は違法!残業代を請求するための3ステップ

サービス残業は違法!残業代を請求するための3ステップ

サービス残業って、違法じゃないの?

残業代が出ないのに残業しなければならない…。

理不尽だと思いながらも、どこに相談できるのか、何ができるのか分からないため、サービス残業を続けざるを得ないという状況におかれている方もいるのではないでしょうか。

今回は、サービス残業について書いていきたいと思います。

未払いの残業代や請求したい残業代がある方は以下の関連記事もご覧ください。

1、サービス残業とは?このような残業は違法!

(1)サービス残業とは?

そもそもサービス残業とは何を指すのでしょうか。

サービス残業という言葉は、法律用語ではないため、きっちりとした定義があるわけではありませんが、大まかにいえば、労働者が残業をしているのに、会社が労働基準法に違反して残業代を支払っていない状態を指します。

(2)サービス残業は違法!

労働時間について、労働基準法上の原則は、「1日8時間以内」かつ「週40時間以内」です。つまり、労働時間が1日8時間を超えていたり、週40時間を超えている場合には、会社は原則として残業代を支払わなければならないのです。

労働基準法等に規定されている例外に当たらないにもかかわらず、会社が残業代を支払っていないのであれば、それは違法ということになるでしょう。ちなみに、会社が労働基準法に違反して残業代を支払っていないのであれば、労働基準監督署の調査が入り、会社は、指導や是正勧告を受ける可能性があります。なお、労働基準法上、同法違反には罰則も規定されています。

2、サービス残業は違法|よくある実例

会社は、何かしら理由をつけて残業代を支払わないことを正当化しようとすることがあります。よくある会社側の言い分としては、以下のようなものがあります。

(1)「残業代が出ないことは契約書に書いてある。」、「入社時に残業代が出ないことを説明してある。」

これは、法律にあまり詳しくない会社等で使われがちな言い分です。

しかし、労働基準法は、強行法規とされており、労働基準法に違反する労働契約は、違反する部分が無効となります。したがって、契約書等に「残業代は支給しない。」と記載されているからといって、会社が残業代の支払義務を免れるわけではありません。

(2)「基本給に残業代が含まれている。」

このような言い分は、法定外みなし残業代制といわれるものの一つといえます。

会社が、何の根拠もなくこのように言ってきている場合や、契約書・就業規則等に単に「基本給には残業代を含む。」とだけ記載されている場合などであれば、会社側の言い分は認められないでしょう。

ただ、残業代として支払っている額が明示されていたり、残業代に充当される額が明確に算定可能であり、超過分については支給するという定めになっている場合には、会社側の言い分が認められる可能性もあります。

(3)「手当の中に残業代が含まれている。」

これも、法定外みなし残業代制といわれるものの一つといえます。営業手当や役職手当等がこれに当たると主張してくることが多いといえます。もっともらしい理由と感じられるかもしれませんが、⑵と同様、会社側の言い分が直ちに認められるとは限りません。会社側の言い分が認められない場合には、当然、会社は残業代を支払わなければならないことになります。

(4)「あなたは管理監督者に当たる。」

一定以上の役職についている労働者について、会社の言い分として使われることがあります。いわゆる名ばかり管理職なども同じといえるでしょう。

確かに、労働基準法上、管理監督者には、深夜割増賃金を除き残業代を支払わなくてもよいということになっています。

しかし、管理監督者に当たるか否かについては、役職名によって形式的に判断されるものではなく、諸般の事情を総合的に考慮して実質的に判断されます。そして、訴訟では、会社側が管理監督者に当たることを主張・立証しなければなりませんし、会社側の主張が認められるためのハードルは低くありません。管理監督者とはいえないということになれば、当然、会社は残業代を支払わなければならないことになります。

(5)「残業しろと言ってない。」

原則論から言えば、会社からの指示ではなく、労働者が勝手に残業したとしても、それは労働時間とはいえず、したがって会社は残業代を支払う必要はないということになります。労働時間といえるためには、会社の指揮命令下にあることが必要となります。

しかし、会社の指示は、明示的でなく、黙示的であってもよいとされています。したがって、黙示的にでも会社の指示があったといえるのであれば、会社は残業代を支払わなければなりません。

(6)定時にタイムカードを押させて、その後も残業をさせる

これは、悪質な例といえるでしょう。会社は、本来残業代を支払わなければならないことを知りつつ、誤魔化そうとしているといえます。

タイムカードは重要な証拠の一つといえますが、本来、残業代を請求することができるのは、会社の指示のもと残業したのであれば、実際の残業時間分の残業代を請求することができます。ただ、実際の労働時間を立証しなければならないのは労働者側なので、タイムカードにより立証することができない以上、他の手段により何時まで働いたのかを証拠化しておく必要があるでしょう。

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