近年、秋を感じる前に急激に気温が下がることが増えました。衣替えを済ませる間もなく、エアコンの暖房を付ける方も多いでしょう。
しかし暖房に必要な消費電力は、冷房より大きいことをご存じでしたか?そのため、付けっぱなしにしておくと夏より電気代が高くなることもあり得ます。逆を言えば、暖房の使い方を工夫すれば、大幅な電気代の節約につながるでしょう。
そこで本記事では、暖房にかかる電気代や節約術、ストーブやこたつとの電気代比較について解説していきます。ぜひ、暖房を賢く利用して暖かく、エコな冬をお過ごしください。
冬の光熱費のうち、かなりの割合を占めるのが暖房費。しかし、エアコンがマストな夏に比べると、冬は暖房器具のバリエーションが豊富で、組み合わせによっては光熱費を抑えて快適に過ごす工夫がしやすい季節でもあるのです。かしこい暖房の使い方からおすす[…]
暖房のエアコンの電気代はどれくらい?
まずはエアコンの暖房にかかる電気代をご紹介します。電気代を計算する式は、以下のとおりです。
1時間あたりの電気代 = 消費電力(kW) × 1kWhあたりの電気料金(円)
エアコンの消費電力はW(ワット)で記載されていることが多いため、1000分の1にしてkWに直すのを忘れずに。
今回は三菱電機の「霧ヶ峰」Xシリーズを例に挙げます。対応畳数ごとに消費電力が異なるため、それぞれ見ていきましょう。
型番 | 対応畳数 | 暖房の消費電力(kWh) | 1時間の電気代(円) | 24時間の電気代(円) |
MSZ-X2221 | 6畳 | 0.47kWh | 12.69円 | 304.56円 |
MSZ-X2521 | 8畳 | 0.525kWh | 14.175円 | 340.2円 |
MSZ-X2821 | 10畳 | 0.715kWh | 19.305円 | 463.32円 |
MSZ-X6321S | 20畳 | 1.84kWh | 49.68円 | 1192.32円 |
※電気代は従量単価27円/kwhで計算
1時間付けっぱなしにした場合の電気代は、12.69~49.68円と畳数によってかなり差がありますが、当然、畳数が大きいほど暖房は多くの電力を要します。
なお、今回は一例で三菱電機の「霧ヶ峰」の2021年に発売されているモデルを例に挙げました。霧ヶ峰のXシリーズは省エネ基準達成率が114%を越え、省エネ性能が高いモデルです。
買ってから時間の経つエアコンはこれよりも省エネ性能が低い可能性があるため、電気代はより高くなると考えられます。詳しく電気代を計算したい方は、取扱説明書や公式サイトを見て、お使いのエアコンが暖房の稼働に必要な消費電力をご確認ください。
夏や冬はエアコンを使うため、電気代の高さに困っている家庭は多いでしょう。しかし、無理にエアコンを使わないようにすると、生活の快適性を損ねてしまいます。さらにお子さんやペットがいるなどの理由で、エアコンを切れない家庭も多いはす。
そこ[…]
暖房のエアコン代を節約するコツ
エアコン代を節約するには「できるだけ付けない」もしくは「設定温度を低くする」という選択肢を取る方が多いでしょう。
しかし、寒さを我慢して生活するのは辛いものです。そこで、暖房を付けながら電気代を節約できる方法をご紹介します。具体的には、以下のとおりです。
- 雨戸やカーテンを閉め切る
- 窓に断熱材を貼る
- 室内でお湯を沸かす
- サーキュレータ―や扇風機を利用する
雨戸やカーテンを閉め切る
暖房を付けるときはできるだけ雨戸やカーテンを閉め切りましょう。家の壁や天井には断熱材が入っていますが、窓はガラス1枚で冷気を通しやすい構造になっています。
雨戸や分厚いカーテンでしっかりと外気をシャットアウトすれば、部屋が暖まりやすく、熱が逃げにくくなります。ただし、日当たりの良い家なら日中は雨戸とカーテンを開けて存分に日の光を取り込むという手もあります。
夕方頃、気温が下がり始める前に雨戸とカーテンを閉め、太陽光の熱を部屋に閉じ込めることで暖房いらずの暖かい室内になるでしょう。
窓に断熱材を貼る
どうしても窓から冷気が入ってきてしまう場合は、窓に断熱材を貼るのも有効。開け閉めが不自由になる場合は、窓の下側の桟(サン)に沿って断熱材を貼るだけでも冷気の侵入を防げます。
また、窓以外でも冷気を感じる箇所には断熱材を貼っておくと良いでしょう。断熱材は、100円ショップやホームセンターなどで手に入ります。ハサミやカッターで簡単にカットできる断熱材が多いため、貼る場所に合わせて加工しましょう。
室内でお湯を沸かす
暖房による乾燥が気になる方は、特に部屋でお湯を沸かすと良いでしょう。お湯は電気ケトルでなく、やかんや鍋で沸かすのがポイント。湯気が行き渡り、部屋が暖まるだけでなく湿度も高くなります。
ガスコンロで沸かしても良いですし、ストーブの上で沸かしても良いでしょう。
サーキュレータ―や扇風機を利用する
暖房と同時にサーキュレーターや扇風機を利用するのもおすすめです。エアコンを使うと、どうしても部屋の中で温度にムラができてしまいます。特に暖かい空気は上に行く性質があるため、足元が寒いと感じることもしばしば。
そこで扇風機やサーキュレーターを上に向かって付けることで、上に溜まった暖かい空気が室内に行き渡ります。
配信: hitotema