自己破産したら住宅の賃貸はどうなる?今住んでいる賃貸とこれから借りる賃貸

自己破産したら住宅の賃貸はどうなる?今住んでいる賃貸とこれから借りる賃貸

3、自己破産をしても賃貸マンション(アパート)を新たに契約できる?



次に、自己破産後に賃貸マンション・アパートを新たに契約することができるかについて確認しましょう。

(1)基本的に自己破産後も賃貸マンション・アパートの契約は可能

まず、自己破産をしても賃貸マンション・アパートの契約自体は可能です。

自己破産によって様々なことが制限されますが、賃貸マンション・アパートの契約自体を制限する規定などはありません。

そのため、自己破産をした後もマンション・アパートの賃貸借契約を結ぶことは可能です。

(2)保証会社の保証が求められる物件は注意

一点気を付けなければならないのが、保証会社の保証を求められる物件には注意をしましょう。

不動産屋で賃貸借契約をする際には、連帯保証人をつけることが求められます。

よく保証人不要という賃貸物件を見ることが多いのですが、その多くが契約者のほうで保証人を用意する必要はない、というだけで、実際には保証会社が連帯保証人となっています。

賃貸の審査にあたっては保証会社が連帯保証人として保証をするかどうかを審査します。

この点、まずCICなどの自己破産によって影響が出る信用情報機関に登録している保証会社の場合は,自己破産をする際には信用情報にその旨が掲載されることになるので、保証会社は保証を引き受けなくなります。

そのため、賃貸ができないことになります。

他方、全国賃貸保証業協会(LICC)加盟業者の家賃保証の場合、自己破産したという情報は掲載されないので、それまでに別の物件で家賃滞納したといった情報が掲載されていなければ保証を引き受けてもらえる可能性が高いことになります。

また、保証人を用意すれば賃貸できる場合もありますし、保証会社・連帯保証人も不要である場合には賃貸できます。

(3)オススメはUR賃貸・公営住宅

保証人不要の物件としておススメなのが、UR賃貸や公営住宅です。

UR賃貸とは国土交通省が所管している独立行政法人都市再生機構による賃貸のことをいい、主にいわゆる団地を再生して貸し出しています。

保証人が不要ですし、契約する際に必要な礼金・更新料などの負担が必要ありません。

団地なので築年数が古いものも多いですが、リノベがすすんでいるものが多いので、暮らしやすくなっています。

公営住宅は、地方自治体が得地所得者向けに社会福祉という観点から賃貸を行うもので、多くの場合は保証人を不要としています。

(4)家族名義で借りると安心

家族の名義で借りることができないかも検討しましょう。

夫婦で住宅を借りる場合には、自己破産をした方が借りられなくても、自己破産していない方が保証会社を使って賃貸することは可能です。

同居しない家族の名義を使ってよいかについては、契約条件にもよりますので、不動産屋と話し合ってみましょう。

子の名義で賃貸をすることも法律上は可能ですが、未成年者である場合には親権者が同意をする必要があります(民法5条1項)。

(5)持ち家があった人が自己破産しても住み続けられる裏技がある?!

自己破産後に賃貸という観点で知っておいてほしいのが、リースバック(ハウスリースバック)です。

自己破産をする際にローンの残債がない持ち家をもっている方の場合、自己破産をすることにより資産となる不動産は手放さなければなりません。

ただ、任意売却とリースバックの組み合わせにより、住み続けることができる可能性はあります。

任意売却・リースバックについては、不動産を売却する過程で債権者である金融機関との折衝も不可欠であるため、不動産会社の中でも任意売却専門の会社あるいは専門の部署を持つ会社に依頼して行うことになります。

自分で探しても良いですし、債務整理を弁護士に相談をすれば紹介してもらえますので、自己破産・債務整理の相談と一緒に検討したい旨を相談してみましょう。

なお、個人再生を利用すれば、一定額以上の債務を分割弁済する必要はありますが、住宅を売却する必要なく債務整理をすることが可能です。

どのような方法が適しているかは、債務額・返済可能額・住宅ローンの滞納状況等によって異なるので、まずは弁護士に相談してみるようにしましょう。

4、自己破産後の住まい3選



自己破産で今の家を退去しなければならない場合に、その後どこに住む方が多いのでしょうか。

よく利用される住まい3選を見てみましょう。

(1)実家・友人宅

独身の方で多いのが、実家や友人宅に一時的に泊めてもらう方が多いです。

新しい生活を始めるには、引っ越し代をはじめとした費用がかかる一方で、自宅を退去するために与えられている時間は非常に少ないです。

離職や・引っ越しを伴う場合には、生活を立て直すために時間がかかるケースもあります。

このような場合に、初期費用を大きく抑えることができるのが実家・友人宅に泊めてもらうことです。

(2)公営住宅等保証人なし賃貸物件

家族で引っ越しがある場合によく選ばれるのが、上述した公営住宅やUR賃貸などの賃貸物件に引っ越しをすることです。

礼金などの初期費用が一般の住宅に比べてかからないのと、間取りがファミリー向けである物件も非常に多いのが特徴なので、子がいるような家庭が引っ越すのに適しているといえます。

(3)社宅

最後に、仕事を失っているような場合に人によっては社宅があったり、住み込みで仕事ができるところに就職して住居を確保するということが考えられます。

住み込みで仕事ができる仕事を探す際に注意が必要なのが、警備の仕事をする際には、自己破産をすると職業制限となることです。

ただし、職業制限も永遠ではなく、自己破産手続きが終了して復権すると、再度警備員の職業に就く事も可能です。

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