【動画で解説】子どもが嘔吐(おうと)したら…。知っておきたい「嘔吐」の応急手当方法

嘔吐をしたときの応急対応

横になっていて嘔吐した場合は、吐いたものが喉につまらないよう、顔を横に向けましょう。落ち着いたら、吐物で汚れた体や衣類を清潔にします。

水分補給について

吐き気が強いときに無理に水分を飲ませようとすると、また吐いてしまう可能性があります。無理に与えないようにしましょう。1~2時間水分を摂らなくても脱水になることはありません。

吐き気が治まってきたら少しづつ水分を与えます。まずはスプーン1杯の水分を与え、5分待ちます。吐かないようであれば、さらにスプーン2杯の水分を与え、5分待ち様子を見ます。そうやって徐々に水分量を増やしていきましょう。吐いてしまうようであれば、時間をおいて、再度スプーン1杯の水分からスタートさせましょう。

水分を摂らないと脱水が心配になりますが、脱水かどうかを判断するための1番の目安は体重です。普段の体重から5%未満の減少であれば、軽度の脱水、5%から10%であれば中等度の脱水、10%以上の減少であれば重度の脱水と判断します。

10キロのお子さんの場合は9キロまで減少すると重度の脱水ということになります。お子さんの普段の体重を把握しておきましょう。

食べ物について



嘔吐をしたあとの食事は、うどん、おかゆ、柔らかいパンなどの炭水化物から始めるのがよいでしょう。ゼリーなどでもOKです。

吐き気止めは使う?

胃腸炎などからくる吐き気は、長くても12時間ほどで落ち着くと言われています。無理に吐き気止めの薬は使わなくてもよいでしょう。

家庭内感染を防ぐために

ウイルス性胃腸炎を疑う際、気を付けたいのが「家庭内感染」です。おうちの方やきょうだいに感染してしまわないよう、できる限りの対処をしましょう。

嘔吐物処理セット

  • 500mlペットボトル
  • 漂白剤
  • エプロン・手袋・マスク
  • ビニール袋2枚
  • 雑巾
  • ペーパータオル

嘔吐物の処理方法

  1. 500mlのペットボトルに対しキャップ2杯分の漂白剤原液を混ぜ、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム液を作ります
  2. 使い捨てのエプロン・マスクと手袋を着用して作業しましょう
  3. 吐物をペーパータオルなどで静かに拭き取り、ビニール袋に入れ、先ほど作った消毒液をかけてから袋の口を絞ります。このとき、袋の空気を抜かないように注意しましょう
    塩素系漂白剤の使用にあたっては「使用上の注意」を確認してください
  4. 拭き取った後は、作った消毒液で汚染場所を10分ほど浸し、その後拭き取り、最後に水拭きします。使用したエプロンやマスク、手袋もビニール袋に入れて、先ほどの袋と一緒に二重にして廃棄処分します
  5. 吐物を処理した後は室内の喚起を十分に行いましょう

手洗いはしっかりと

手袋をして直接触れないようにしていても、吐物を処理したあとには必ず手を洗いましょう。また嘔吐をした人とはタオルを分けて、常に清潔なものを使用しましょう。

汚れた衣類の洗濯

吐物で汚れた衣類は、他の衣類とは分けて洗います。衣類の洗濯は、85℃以上の熱湯に1分以上浸すか、0.02%の次亜塩素酸ナトリウムに30分~60分漬け置き消毒をするのが有効です。

洗濯するのが難しい布団やカーペット、ソファなどは、吐物の処理後、スチームアイロンを使って加熱による消毒を行います。1カ所あたり2分ほどあてると効果的です。