恥ずかしいから市販薬で何とかしたい「痔の治療」、それでも受診した方がいいワケとは

恥ずかしいから市販薬で何とかしたい「痔の治療」、それでも受診した方がいいワケとは

たとえ治療であっても、他人に見せるのは恥ずかしい「痔」。そこで市販薬に頼りたくなってしまいますが、自分で直接、患部を見ることはできません。また、塗ったところで治ったような気もするし、治っていないような気もします。結局、医師に診てもらわないといけないのでしょうか。このジレンマを、「幕張ももの木クリニック」の武藤先生に投げかけてみました。

武藤頼彦

監修医師:
武藤 頼彦(幕張ももの木クリニック 副院長)

東邦大学医学部卒業。千葉大学医学部附属病院食道・胃腸外科(旧・第二外科)や各医療機関で消化器系の診療を積んだ後の2020年に現職へ。身近なかかりつけ医として、高水準の医療提供に努めている。医学博士。日本外科学会認定専門医、日本消化器外科学会認定専門医、日本消化器内視鏡学会認定専門医。日本大腸肛門病学会会員。

いずれ「行きたくない」が「行かなくちゃ」になる

いずれ「行きたくない」が「行かなくちゃ」になる

編集部

痔を市販薬で治すことについて、どう思われますか?

武藤先生

痔は自己管理が問われますから、排便管理などをきちんとできていれば否定はしません。緊急性と重篤度にもよりますが、処方薬で劇的に症状が改善し、満足される症例も多くあります。

編集部

その一方、患部の診察が恥ずかしいという人もいますよね?

武藤先生

たしかに、いらっしゃるでしょうね。しかし、医師からしたら「痔ではなく、大腸がんのような怖い病気の可能性」も視野に入れます。ですから、除外診断を付けるためにも、患部の診察や触診などは必須になってきます。肛門科であればプライバシーに配慮していますし、女性に向けた女医さんのいるクリニックもあります。医院側でも最大限の配慮はしているはずなので、早めに診てもらうのがいいでしょう。

編集部

それでも、やはり恥ずかしさが最大のネックです……。

武藤先生

お気持ちは理解できます。しかし経験則からすると、いずれ来院するケースが多いようです。であるならば、悪くしてから受診するより初期に治してしまった方が、トータルでみたときに楽ですよね。また、排便管理を学んでいただければ、その知識は一生の財産になります。便との付き合い方は学校で教えてくれないですからね。

編集部

つまり、受診は再発防止にもつながると?

武藤先生

はい。排便管理は、切れ痔やいぼ痔、痔ろう(あな痔)のいずれの痔でも重要なポイントです。いきみクセの排除、お尻の拭き方、便を適度な硬さにコントロールする方法などを医師から学んでいってください。肛門の中から飛び出ているいぼ痔なら、排便後に「触って戻す」ことも必要です。さらに「痔に至った生活要因」までつきとめて、再発防止につなげたいところですね。こうした再発防止の観点は、市販薬ではけっして得ることができません。

注目すべきは、便の状態とその原因

注目すべきは、便の状態とその原因

編集部

市販薬で一発解決して再発もないということは、あり得るのでしょうか?

武藤先生

はい、そういう人もいらっしゃいます。そのため、まず市販薬を試してみて、それでも治らなかったり繰り返し痔になったりするようだったら受診という考え方でもいいと思います。ただし、「下血やひどい痛み」には、くれぐれも注意してください。もしかすると肛門ではなく、大腸の炎症やポリープ・がんなどから出血しているのかもしれません。

編集部

再発の原因として考えられるのは何でしょうか?

武藤先生

便秘と下痢の2つが圧倒的です。そのほかに、ストレスや冷え、生理、飲酒、妊娠の影響なども考えられますが、やはり代表格は便秘と下痢ですね。つまり、「どうして便秘や下痢になるのか」を突き止める必要があるということです。

編集部

どうして、便秘や下痢を繰り返すのですか?

武藤先生

その原因は個々によって異なりますが、人間である以上「やめられない、避けられない部分」はありますよね。したがって、必要によっては薬に頼るのも1つの方法で、少なくとも生活の質は“すぐに”よくなります。ただし、便秘と下痢を繰り返す原因は知っておいていただきたいです。

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