ブライアン・クランストンが、トニー賞で2度目となる演劇主演男優賞を受賞した。2014年に『オール・ザ・ウェイ』のリンドン・B・ジョンソン役で同賞を受賞したことがあるブライアンは、視聴率低下に悩むテレビ局を描いた1976年の映画『ネットワーク』の舞台版で演じたハワード・ビール役でまたその栄光を手にした。
ブライアンは9日(日)夜にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催された式典で、受賞スピーチを「ついに、異性愛者で白人の老人が幸運をつかみました」と冗談まじりにはじめ、ドナルド・トランプ米大統領への苦言として、こう述べている。「ハワード・ビールは架空のTVのニュースキャスターですが、真実を追求するせいで攻撃を受けています」「この賞を世界中の本物のジャーナリストたちに捧げたいです。新聞もテレビも攻撃を受けています。メディアは民衆の敵ではありません。民衆扇動こそが敵なのです」
一方で演劇主演女優賞は、『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』でグラディス・グリーンを演じたエレイン・メイがブロードウェイデビュー60年目にして初受賞に輝いた。
同部門には、アーサー・ミラーが1947年に発表した名作『みんな我が子』でケイト・ケラーを演じたアネット・ベニングをはじめ、ローラ・ドネリー、ジャネット・マクティア、ローリー・メトカーフ、ハイジ・シュレックらがノミネートされていた。
そんな中、ジェームズ・コーデンが司会を務めた今年度の式典では、2010年に発表されたコンセプトアルバムをミュージカル化した『ハデスタウン』が、ミュージカル作品賞をはじめ、アンドレ・デ・シールズのミュージカル助演男優賞、オリジナル楽曲賞、ミュージカル演出賞など最多8冠を達成した。
サム・メンデスは『ザ・フェリーマン』で演劇演出賞を受賞している一方で、12ものノミネートを果たした『エイント・トゥー・プラウド-ザ・ ライフ・アンド・タイムズ・オブ・ザ・テンプテーションズ』は振付賞を受賞するのに留まった。
第73回トニー賞主要部門受賞一覧:
・演劇主演男優賞
ブライアン・クランストン(『ネットワーク』)
・演劇主演女優賞
エレイン・メイ(『ザ・ウェイヴァリー・ギャラリー』)
・ミュージカル主演男優賞
サンティーノ・フォンタナ(『トッツィー』)
・ミュージカル主演女優賞
ステファ二ー・J・ブロック(『ザ・シェール・ショー』)
・演劇作品賞
『ザ・フェリーマン』
・ミュージカル作品賞
『ハデスタウン』
・ミュージカル脚本賞
ロバート・ホーン(『トッツィー』)
・オリジナル楽曲賞
アナイス・ミッチェル(『ハデスタウン』)
・振付賞
セルジオ・トルヒーヨ(『エイント・トゥー・プラウド-ザ・ ライフ・アンド・タイムズ・オブ・ザ・テンプテーションズ』)
・演劇演出賞
サム・メンデス(『ザ・フェリーマン』)