取引先の会社から提示された「秘密保持契約」。この契約の意味はなんでしょうか。
現代の情報化社会において、企業が安全に経営していくためには、「秘密保持契約」は必須と言っても過言ではありません。
今の時代「情報が宝」。情報を必要以上に開示することは避けなければなりません。
今回は、
- 秘密保持契約とは何のための契約なのか
- 気になる秘密保持契約と不正競争防止法との関係
- 秘密保持契約作成の際にポイントとなる事項
についてベリーベスト法律事務所の弁護士が解説していきます。お役に立てれば幸いです。
1、秘密保持契約とは
秘密保持契約とは、当事者の重要な秘密情報を他に漏らさないことを約束する契約です。
英語では「Non-Disclosure Agreement」または「Confidencial Agreement」と表現するので、その頭文字を取って「NDA」または「CA」と呼ばれることもよくあります。
秘密保持契約を締結する目的は、取引上他社に自社の重要な情報を開示する必要があるとき、その情報を他に漏らされないよう、相手に(お互いに)秘密を守る義務を課すことです。
本来であれば、重要情報は他社に開示しないのが安全なのかもしれませんが、企業活動を進める際に、外注などによって情報開示せざるを得ない機会も存在します。
そのようなときには、相手に秘密を守ることを約束させ、自社の利益を守ることが必要となります。
今や1つの情報が漏れたことによって企業が数千万円、数億円の大損失を受けることもありますし、ときには倒産につながる可能性すら存在します。
秘密保持契約は、企業の利益を守るために必須の重要な契約と言えます。
2、秘密保持契約を締結すべきケース
秘密保持契約が必要となるのは、たとえば以下のような場合です。
- ソフト開発を外注する
- 社史や新商品などの広告記事やデザインをライターやデザイナーに外注する
- 商品やサービスの開発を業務委託する
- 代理店に販売を業務委託する
- 自社の従業員に会社の重要機密を扱わせる
上記は例示であり、他にも、秘密が漏えいされると困る場合には、あらゆるケースで秘密保持契約が有効です。
配信: LEGAL MALL