~実録・闘病体験記~ 俳優・間瀬翔太さんに降りかかった10万人に1人の病気「脳動静脈奇形」

~実録・闘病体験記~ 俳優・間瀬翔太さんに降りかかった10万人に1人の病気「脳動静脈奇形」

いわゆる「芸能人」として順風満帆な活動を続けてきた俳優の間瀬翔太さんは、2019年に脳出血を発症。ほぼ時を同じくして10万人に1人の割合で見られる血管の病「脳動静脈奇形」であることも告げられました。現在もてんかんなどの後遺症を抱えながら、新たに「看護師」になることを夢見ています。そう考えるに至った、これまでの闘病体験を語ってもらいました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2021年8月取材。

間瀬翔太さん

体験者プロフィール:
間瀬 翔太さん

東京都在住、1986年生まれ。家族構成は父、母、妹。診断時の職業は俳優・タレント・歌手。現在は難病インフルエンサーとして活動。2019年7月に新曲のレコーディング中に脳出血を発症し、ほぼ時を同じくして「脳動静脈奇形」を告げられる。その後、開頭手術を受け、担当医も驚く程の回復により術後13日で退院。後遺症の記憶障害と開頭手術以降に起きるようになった「てんかん」を現在も治療中。退院当初はテレビやラジオへの出演を極力控えていたが、最近は舞台挨拶など、活躍の場が増えている。Twitter:@shota_mase Instagram:@shota_mase

小林 夏樹

記事監修医師:
小林 夏樹(横須賀市立市民病院脳神経外科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

脳出血発症から「脳動静脈奇形」の診断まで

脳出血発症から「脳動静脈奇形」の診断まで

※脳出血になる4日前に友人と撮った写真

編集部

さっそくですが、間瀬さんに降り掛かった病気はどういうものだったのですか?

間瀬さん

脳動静脈奇形によって、脳出血とてんかんを患うことになりました。脳の中では、動脈と静脈とが直接つながってナイダスというとぐろを巻いたような状態になっているそうです。しかも血管が薄く破れやすいため、脳出血やくも膜下出血の危険性があるのです。

編集部

なるほど。では脳出血を発症したときはどのような状況でしたか?

間瀬さん

2019年7月、新曲のレコーディング中に脳出血を起こしました。最初は壁に強く頭をぶつけてしまったような感覚だったと思います。とにかく激しい頭痛だったのですが、仕事なので最後まで歌い切ったことは覚えていますが、そのときの記憶はあいまいです。

編集部

そこからどうやって病院へいくことに?

間瀬さん

歌い終わった後、一緒にスタジオに来ていた友人に助けを求めようとしたのですが、その名前を思い出せず、マネージャーに連絡をしてスタジオに迎えに来てもらおうと思いましたが、今度はスタジオの場所も伝えられないような状況でした。結局マネージャーがかけつけてくれ、病院へ行くことができたそうです。

編集部

病院ではどのような検査をしましたか?

間瀬さん

足の関節部の動脈からカテーテルを挿入し、腹部、胸部、首、頭、と順番に造影剤を流しながら出血点を見つける脳血管造影検査を受けました。この造影剤がとにかく熱かったですね。顔面の皮をめくられてアイロンを当てられたような強烈な熱さでした。その後、2回受けましたが、もう二度と受けたく無いですね。脳動静脈奇形による脳出血なのか、ほかの原因による脳出血なのか、本当に手術は必要なのかどうかを調べてもらいました。

編集部

病名が判明したとき、どのような心境でしたか?

間瀬さん

本当に人生で一番辛かった時間ですね。怖かったです。医師から「脳動静脈奇形」と宣告された瞬間、話の続きも聞かずにスマホで病気を調べ、最悪な想像をし、さらに怖くなって、人生初のパニック障害を起こしました。そのまま看護師さんたちによってベッドへ運ばれました。その間、家族は医師と話していました。

編集部

とても怖い思いをされたのですね。

間瀬さん

周囲に同じ病気の人もおらず、絶望していました。今では本当に申し訳ないと反省していますが、毎日が怖くてご飯を投げたり、点滴を抜いたり、急に大泣きしたり、自分が自分ではないようでしたね。

手術は「死ぬ可能性」も示唆された

手術は「死ぬ可能性」も示唆された

編集部

どのような治療になると説明されましたか?

間瀬さん

開頭手術をすると言われました。また、必要に応じて頬の骨を切るかもしれないとも言われました。幸い動脈と静脈の合体している部分(ナイダス)が手術できる場所にありましたので、開頭手術だけで済むだろうとのことでした。ただ、「手術を受ければ命は助かるけれど、20%の確率で半身不随や植物状態になり、最悪死の可能性もあります」というような恐ろしい同意書に署名もしました。

編集部

手術は予定どおり終了したのですか?

間瀬さん

手術時間は当初5時間の予定でしたが、7時間かかったそうです。当初、ナイダスは1つの予想でしたが、実際は2つ見つかり、しかも想像の位置とは少しずれていたのもあって、言われていたとおり頬骨も切ることになりました。その後遺症で、いまだに口が上手く開きません。もうこれに関しては諦めています。あごを無理矢理開く方が、痛くてストレスになりますから。

編集部

治療中の心の支えとなったものは、何でしたか?

間瀬さん

間違いなくファンの方々、毎日会いに来てくれた両親と妹、そして大切な仲間ですね。毎日ブログを書くたびにファンが増え、「明日はどんな事を伝えよう」と思ったら、無意識に「明日」を生きる気でいました。心にあった自殺願望は消え去ってましたね。「絶対に退院してやるぞ」という気持ちになりました。

編集部

後遺症はどうですか?

間瀬さん

術後に「てんかん」が現れるようになりました。突然に全身痙攣を起こし、泡を吹いて気絶することがあります。はじめは月1回の割合で発作を起こしていました。現在は内服のみで、なんとか発作は治っています。

編集部

てんかんは怖いですよね。

間瀬さん

正直、最悪な気分です。てんかんは脳の部位によって発作内容が変わりますが、僕の場合は発作の前兆はチカチカする光が見え、幻聴が聞こえて、間も無く呼吸が荒くなってパニックになり、その後しばらくの記憶が残りません。

編集部

てんかんが出た時はどう対処するのですか?

間瀬さん

家ならソファなど柔らかい場所か、外を歩いている時なら地面でも良いので、車などに轢かれない安全な場所に横になるようにします。本当に地面にべったり倒れるのが安全です。全身痙攣を起こしたら意識も無くなるし、身体も頭も大きく揺れて、必ず転倒します。てんかんそのものも怖いですが、転倒して頭をぶつけても最悪「死」につながるので注意しています。

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