災害に便乗した悪質商法に注意。高額被害や詐欺に加担してしまうことも!

災害に便乗した悪質商法に注意。高額被害や詐欺に加担してしまうことも!

最近増加している「損害保険を使って住宅を無料で直せる」という勧誘

「火災保険などの損害保険を使って、無料で住宅を修理できますよ」や「保険金が出るようにサポートをするので、住宅の修理をしませんか」などといった、「住宅の修理に保険金が使える」という誘い文句で屋根の修理や外壁塗装などを勧めてくるケースが、2008年頃から発生し、2017年には発生当初と比べて30倍以上の1,177件まで増えています。多くの相談が寄せられている独立行政法人国民生活センターでは、たびたび消費者に注意喚起をしています。特に、60歳以上の方がこうした勧誘から契約してしまい、国民生活センターに相談を寄せているケースが多く見られます。
特に、地震や台風などの災害で被害が出ている地域では、点検商法などとあわせて、「保険を使って無料で修繕できるので」と契約を迫られ、「保険金の範囲内で工事してもらえるのなら」とトラブルに巻き込まれる可能性も高くなります。

悪質業者の目的は、住宅の修理工事契約と保険金請求手続きサポート契約の両方を結ぶことですが、この手口の特徴としては、修理の契約を結ぶまでには至らなかったとしても、保険金請求のサポート手数料の名目で支払いを要求されるということです。
独立行政法人国民生活センターに寄せられている相談事例では、突然業者が訪問し「損害保険で負担なく修理ができる。保険会社に見積もりを提出し、保険適用されれば保険金が出る」と持ちかけられ、その後、保険会社に問い合わせた際に「怪しい話ではないか」と言われ、申込書を確認したところ「保険会社に認定された保険金額が、見積もり金額よりも大幅に減額され修理工事が困難な場合は、30%の手数料を払う」と記載されていたというもの。
また、他の事例では、支払われた保険金が工事見積りを下回ったため、不足分をすぐには用意できない旨を伝えると、保険料の30%を違約金としてすぐに支払うように請求されたというケースもありました。
住宅の修理工事契約と保険金請求手続きサポート契約の両方を結んだのち、保険支払いの対象外であることがわかり、修理工事の全額を自己負担させる請求が来たというものもありました。
これらのケースは、住宅の修理工事費用か、保険金請求手続きサポート費用のどちらか一方でも支払わせようとするものです。

さらに、詐欺行為に加担させるような事例もあります。
経年劣化によって壊れた部分の修理も、台風などの災害によって破損したものとして保険金を請求し修理をしようともちかけるものです。虚偽の理由で保険金を請求すると、保険金が支払われたとしても後から返還しなければいけなくなったり、最悪の場合は詐欺罪で訴えられる可能性があります。虚偽の保険金請求は、絶対にしてはいけません。

こうした業者は、説明も不十分な強引な勧誘をして冷静な判断をさせないようにしたり、特定商取引法で義務付けられている書面(契約書の写しなど)の交付をしなかったり、記載事項の不備があるなどといった問題点も見られます。

「保険金が使える」と勧誘する業者がきても、すぐに契約せずに、まずはご自身で損害保険会社や代理店に相談するようにしましょう。保険金の請求は、難しいことではなく、ご自身でも行うことができます。
また、どのような契約であっても、書面を隅々まで確認し、必ず控えをもらうようにするとともに、少しでも不信に思うことがあれば、その場でしっかりと説明を受けるようにしましょう。
ひとりで悩んだり、その場で決めてしまおうとせずに、ご家族など周りの人に相談することも大切です。強引な勧誘をされたとしても、毅然とした態度で断ることも、時には必要です。

契約後8日間は「クーリング・オフ制度」でキャンセル可能

被災直後で冷静な判断ができなくなっていたり、強引な勧誘で契約してしまったとしても、契約書面を受け取った日から8日間以内であれば、「クーリング・オフ制度」で契約解除ができます。契約書に「クーリング・オフできない」と書かれていたり、業者が契約解除できないと主張したり、クーリング・オフ期間を過ぎていたと見えても、契約解除できる場合もあります。
クーリング・オフは、法律の専門家などを通さなくてもできます。クーリング・オフ(契約解除)は、必ずハガキなどの書面で行います。ご自身の住所と氏名、さらに契約年月日、契約の内容、契約金額、販売会社、担当者名とともに、「この契約を解除します」ということを書き、表・裏ともにコピーをとって、郵便窓口で特定記録郵便または簡易書留などの、出した日付がわかる方法で郵送しましょう。郵便局の窓口で受取証などをもらうことも忘れずに。受取証は、ハガキのコピーとともに保管しておきましょう。

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