冷え症は改善できるの?冷え症の原因と具体的な対処法を薬剤師が解説

冷え症は改善できるの?冷え症の原因と具体的な対処法を薬剤師が解説

冷え症の対策

養生法

冷え症の改善には色々な方法があります。今から出来る対策をお伝えしますので、体のめぐりを整えて、冷え症を良くしていきましょう。

お風呂

ぬるめの湯船に20分程つかりましょう。熱いお湯だと冷えた血液が体を一気にめぐり、気分が悪くなってしまうことがあるので注意してください。湯船につかる時間がない方や、体力があまりない方は、桶にお湯を溜めて足湯をするのもおすすめです。

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マッサージ

ふくらはぎは体の第2の心臓と言われています。ふくらはぎをマッサージすることで全身の血流が良くなり、体を温める効果があります。また指先を押してマッサージするのもおすすめです。指先は細い毛細血管が沢山あり、血流が悪くなりやすいところです。優しく押してみましょう。

カイロで温める

体が冷たい時は外から温めましょう。温めた血液が全身に流れるように、温める部位やツボを意識することも大切です。おへその下や、尾てい骨の上辺り、肩甲骨の間がおすすめです。上半身がのぼせやすい方は、手足の末端を温めましょう。

生活習慣

冷え症の中でも、睡眠障害が起きてしまう方は多いです。早寝早起きや朝日を浴びることは対処方法として有効です。睡眠をきちんととると自律神経が整い、冷えを改善しやすくなります。最近はテレワークで運動不足な方が増えています。運動不足は冷えの原因になります。手足を伸ばしてストレッチをするだけでも改善につながりますので、是非やってみてください。

食事

甘いもの、脂っこいものを控えるようにしましょう。糖質・脂質の代わりに、タンパク質や野菜を取り入れてください。タンパク質は体を温めるエネルギー物質です。野菜は体を温めたり、血液をサラサラにして血流を良くする作用があります。体を温める作用のある野菜は、茄子や生姜といった冬の野菜と言われています。逆にトマトやきゅうりなどの夏の野菜は体を冷やす可能性があるので注意してください。パンなどの小麦製品、ビールも体を冷やしてしまうので、気を付けましょう。

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サプリメント

鉄分、プロテインの摂取おすすめします。
日本人は鉄分摂取量が少ないとされており、血液検査で貧血と診断されなくても慢性的に鉄分が足りていない可能性があります。鉄が欠乏すると血液量が減り、血流が悪くなるので、冷えやすくなります。鉄過剰症を心配される方もいるかもしれませんが、食べ物やサプリメントの摂取だけではとてもなりえないので安心してください。

プロテイン(タンパク質)は体の調子を整えるだけではなく、精神安定効果も期待できます。タンパク質が分解されてできるトリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸は、メンタル不調を改善する働きがあります。メンタルバランスが整うことでストレスが減り、自律神経を整えて冷え症が改善しやすくなります。食事だけでタンパク質を十分に摂取するのが難しい場合は、プロテインを取り入れてみてくださいね。

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ハーブティー

好みの香りのハーブティーを取り入れることで、リラックスし自律神経を整えることができます。また生姜など体を温める作用のあるハーブティーを飲むことで、血流を良くして温めることができます。

オススメの漢方薬

漢方薬には体を温める作用のあるものがあります。ここでは、それぞれの漢方の特徴について解説します。

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手足が冷える

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
手足など末梢を温め、体の内側も温めます。冷えによって下腹部が痛くなり、下痢をしやすい場合にも使われます。

全身が冷える

真武湯(しんぶとう)
疲労感があり、全身の冷えやめまい、耳鳴り、下痢をしやすい方に良い薬です。慢性的な胃腸炎・腸疾患や、かぜが長引いた後の倦怠感にも使われます。

全身が冷えて精神的に落ち込みやすい

柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
疲れ気味で、不安感や不眠症状などがある神経過敏な方に用いられる漢方薬です。気のめぐりを整えるだけでなく、体を温める作用もあります。

冷えてのぼせる

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力がある方で、手足が冷えてのぼせる、下腹部が張る、便秘、頭痛、肩こり、めまい、むくみ、にきび、しみなどの皮膚トラブルがある場合に用いられます。冷えのぼせだけでなく、生理や更年期に伴う症状にも使われています。