人はどうやったら避難するのだろう?

人はどうやったら避難するのだろう?

なぜ人は逃げないのだろう?

地震の場合は災害発生後の避難です。津波の場合は、地域によってはほとんど時間がない中での駆け足の避難となります。少しはゆっくり避難できる地域もありますが、それでも1時間程度の余裕しかありません。
大雨の場合はどうでしょうか。過去には避難勧告や避難指示が出される前に被害が発生したこともありました。2021年7月に発生した熱海の土石流では、避難レベルは3でした(※)。つまり、大雨の場合は、行政による避難指示を待っていては逃げ遅れてしまう危険もあるのです。早期避難こそが重要な行動だと言えるでしょう。そのためには気象に関心を持つこと、地域のリスクを把握しておくこと、避難が必要な場所に住んでいる人は避難の準備をしておくこと、この3点は防災教育の基本として強調しておきたいと思います。
でも、人は逃げません。なぜでしょうか。専門家は安全性のバイアスとか、経験逆機能とか、避難行動を抑制する理由を説明します。顔見知りの呼びかけが大事だと、過去の教訓を教えます。避難行動を開始するスイッチを探し求めています。それでも人は逃げません。なぜでしょうか。

※現在はこれまでの「避難勧告」と「避難指示」が「避難指示」に一本化され、5段階の避難レベルが設定されている。

避難所を改善しないと・・・

ここからは、極めて不謹慎な話をします(おそらく、防災専門家からお叱りを受けると覚悟しています)。避難所が劣悪すぎるんです。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震の時の避難所の映像がテレビで流されます。あんな環境のところには行きたくないと思うのが普通の市民感覚ではないでしょうか。大雨の時、公民館に避難している方がテレビのインタビューに答える姿も、お決まりのように報道されます。毛布をかぶって床に寝転んでいる姿を見ると、日本の避難所は非人道的だと理解できます。あそこは生活する場所ではありません。危険な災害が過ぎ去るのを待つ(家を失って避難している人にとっては仮設住宅が建設されるまでを待つ)我慢の場なのです。
だから、避難所なんて行きたくないんだと言って仕舞えば、言い過ぎでしょうか。大都会の巨大災害では、これからも阪神・淡路大震災の時のような避難所が生まれるでしょう。もちろん、それを我慢しろと言っているのではなく、そこは改善していかなければならないと考えています。でも、地方の、数人から100人程度の避難所なら、もうすこしアイデアを出し合って、誰もが行きたがる避難所にできないでしょうか。

さて、不謹慎な話の核心です。避難所で、例えばカラオケ大会をしませんか。これなら楽しく過ごせます。空振りであっても、楽しかったという経験は残ります。もちろん、カラオケが切り札なのでは無く、我慢を強いる避難所を楽しい避難所に変えてしまえば避難する人がもう少し増えるのではないか、そういう提案として受け取ってください。
そんな、避難所改善アイデアをこどもたちと話し合う防災教育も楽しいですね。

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moshimo ストック
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私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?
私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?