秋篠宮家の教育と経済事情ーー「学習院」離れと筆頭宮家の「厳しい」生活費事情

「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます! 今回も、前回に引き続き秋篠宮家について振り返っています。


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――今日は、眞子さまの結婚騒動をきっかけに関心が集まったテーマ、秋篠宮家の教育についてお話いただきます。

堀江宏樹氏(以下、堀江) さすがにこのテーマについては、雑誌に膨大な量の記事が掲載されていますね。私なりに分析するに、やはり秋篠宮家の教育方針は、記事のタイトルにもなった「子どもの興味を大切に!」(「女性自身」2004年4月27日、光文社)という言葉に尽きるようです。

 この記事によると、当時まだ小学生だった佳子さま(9歳)がフィギュアスケートの大会に出場、活躍するお姿が描かれています。成績は小学3年のクラスで「11人中6位」、「今大会」では「15人中10位」だったそうですが、“それでも素質は十分で、オリンピックを目指してほしい!”なんて記事はまとめられています。

――かなりヨイショ感が……(笑)。

堀江 一方、眞子さんはこの日、学習院女子中等科にご入学。同校のOGである紀子さまが懐かしい先生がたと談笑する姿がつづられています。

 それから約10年後の2012年、「文藝春秋SPECIAL」(文藝春秋)3月号に寄稿された江森敬治氏による記事「眞子さま、佳子さま 花開く『秋篠宮流子育て』」によると、眞子さんが学習院ではなく国際基督教大学に進学した背景には、「どのような方向に進んだらよいのかをいろいろと考え、そのためにはどこの大学に行くのが良いのかということを両親と話し、また、知人からも話を聞き、だんだんと自分の進路を決めていった」と伝えられました。

――やはり、自分の意思が尊重されているんですね。

堀江 しかし、実際はそれほど和やかにすべてが進んだわけではなさそうですよ。

 今年2021年、小室圭さんとの結婚を目前に控えた眞子さんが突如、自身を「複雑性PTSD」を患っていると告白、中学のころからすでに「誹謗中傷に精神的負担を感じていた」とも明かしましたからね

――それは眞子さんの学習院女子中等科時代に、すでに“誹謗中傷”を感じる出来事があったということですよね?

堀江 おそらく。記事のお写真を見ていても、この頃からの眞子さまの表情にはどこか翳りが宿されるようになった気がします。また、後には秋篠宮家の全ての皇女、皇子が学習院との縁を切って、外部に進学してしまいました。

 02年11月、36歳の誕生日の記者会見で、秋篠宮さまは子育てについて次のように述べておられました。

「それぞれが持っている個性、それぞれがやりたいこと、やってみたいことなどをできるだけ伸ばしていってあげることができれば」というお言葉どおりの教育を、2人の皇女に宮さまが施そうとしていたことがわかります。

 しかし、学習院とは別の教育機関に次々と眞子さん、佳子さま、そして悠仁さまがご進学した事実からは、「秋篠宮流」子育ての場として学習院は不適当とみなされたことが透けているのです。

愛子さまに気を使う学習院に、秋篠宮ご夫妻は「劣化した」

――14年10月2日号の「女性セブン」(小学館)では、「秋篠宮家と学習院 かくも深き確執 2年前の『門前払い事件』」と題した記事を載せています。

堀江 この記事では、07年9月に学習院初等科の教員男性がお気に入りの女子生徒に約8年にわたって“セクハラ行為”を繰り返した事件などが報道されています。これは、秋篠宮ご夫妻がお茶の水女子大附属幼稚園を悠仁親王の進学先に選ぶきっかけにもなった事件だと目されています。

 また10年3月には、当時初等科2年だった愛子さまへの“いじめ問題”も学習院初等科で発生。学習院側はそれ以降、愛子さまにはとても気を使うようになり、悪くいえば、腫れ物に触るように特別に接してしまっていた、と。

 それが秋篠宮ご夫妻にとって「学習院の教育は劣化してしまった」と感じさせる結果となったとの説明もされています。

――記事には雅子さまや皇太子殿下も「皇族として特別扱いすることなく、他の児童と別け隔てなく教育してほしい」と強い要望を持っておられたとも書かれていますが、それが学習院では実践されなかったと、文章がほのめかしていますね。

堀江 10年4月、眞子さまが学習院女子高等科から国際基督教大学(ICU)の教養学部アーツ・サイエンス学科に進学。佳子さまも一時は学習院大に新設された教育学科に通い始めたものの、やはり姉宮のあとを追うように学習院大を退学、ICUの同学科に進学することになった“事件”が起きています。

悠仁親王殿下が一般的な進学校に進んだ影響

――同10年4月には悠仁さまもお茶の水女子大附属幼稚園にご入園ですね。

堀江 これらの“秋篠宮家の学習院離れ”の結果、眞子さまはICUで小室さんと「出会ってしまった」わけで、「もし学習院大だったらこんなことにはならなかったはず」とする記事もいくつか読んだ記憶があります。しかし結局は、ご本人の価値観が問題の根源では……。

 以前にこの連載でもお話したように、“中国のラストエンペラー”溥儀(ふぎ)の親戚にあたる愛新覚羅家のプリンセスが、バンカラすぎた学習院の同級生と心中事件と思われる悲しい死を遂げたこともありましたから。すべてが教育機関の問題ではない、とするのが理性的な見解ではないでしょうか。

――その一方、“未来の天皇”と目される悠仁親王殿下が、“皇族の学校”のイメージがまったくない、一般的な進学校である“お茶の水系”の教育機関に進学したことを受け、「帝王教育」はどうなっているのだ、という声は大きくなりましたよね?

堀江 秋篠宮家は「帝王教育」など何も考えていないのでは!? という世間の声もあるわけですよね。逆に、すでに秋篠宮流の「帝王教育」は着々と進んでいるのでは……と私には思われるのですが。

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