遺留分侵害額請求の仕組みや手続きなど8つのポイント

遺留分侵害額請求の仕組みや手続きなど8つのポイント

遺留分侵害請求(旧遺留分減殺請求)の仕組みとは、いったいどのようなものでしょうか。

父親の遺言書に自分の名前だけなかった…。

もしかして、自分は相続できないの?

いいえ、できます。

それが「遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)」です(民法1046条)。

そこで今回は

  • 遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)とは
  • 手続の流れ
  • 請求手続きをする際の注意点

などについてご説明します。

この記事で遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)のキホンがわかります!

お役に立てれば幸いです。

※この記事は2018年12月28日に公開したものを2020年5月30日に加筆修正しています。

1、遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)とは

遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)とは、「被相続人(亡くなられた方)が遺言などにより特定の人のみに遺産を譲ろうとした」などのケースにおいて、法定相続人が最低限の自分の配分を確保出来る仕組みです。

本来、自分の財産の帰趨は自分の意思で決められるべきであることから、遺言等の力は大きく、基本的には遺言等の通りに財産が帰属することになっています。

しかし、わが国では家制度による「扶養」の概念があるため、もし大黒柱が全財産を他人に譲渡する遺言を残したような場合、扶養されていた家族は路頭に迷ってしまうのです。

このような事態を避けるため、一定の扶養関係にあると考えられる親族において、一律に「遺留分」が認められ、遺留分をもつ者は、遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)をすることで遺留分を確保することができます。

2、遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)の権利がある人

遺留分は、「一定の扶養関係にあると考えられる親族」に認められると前述しました。

遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)ができる人は、

  • 被相続人の配偶者(妻や夫)
  • 被相続人の子供
  • 被相続人の父や母などの直系尊属(祖父母を含む)

です。

これらの人が相続人である場合は、遺留分が侵害されていれば遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)ができます。

兄弟や甥や姪は、相続人である場合でも遺留分はありませんので注意してください。

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