「里親」とは?制度内容から3つの実体験まで|里親の基本を徹底解説

「里親」とは?制度内容から3つの実体験まで|里親の基本を徹底解説

5、里親になったときのよくある問題点

いざ里親になってみると当然ながらたくさんの壁に当たることでしょう。

しかし、それは血が繋がっていないからではありません。

実子であっても、子どもというのは謎な行動ばかりなもの。

苦労して育てるからこそ、本物の絆が生まれるのかもしれません。  

(1)子どもの気持ちがつかめない

よくある問題点の一つが子どもの気持ちがつかめないというものです。

乳幼児では激しい夜泣き、繰り返す下痢や嘔吐、笑わない等々、大人の頭ではわからない現象が子どもの数だけ発生します。

幼児では、奇声、自傷・自慰行為、無反応等々も起こり得ます。

児童になれば、しつこい後追い、強烈な反抗、第三者へのいじめ等々です。

これらは、血が繋がっていないからではありません。

血縁があろうとなかろうと、「子ども」というものは、満たされていなければ行動にすぐ現れます。

実際、実子であっても悩まされている方はたくさんいます。

何に満たされていないのか。

これは本当に難しいことです。

それが何なのかを判断し、そこにピンポイントで対策を組むことができれば早いかもしれません。

といっても大抵大人は子どもたちの不満の原因はわからないわけです。

でも、それでも問題ありません。

例えば、寒空に遺棄された赤ちゃんが「寒さ」に恐怖感を覚えてしまい、寒い=怖い=泣く という習性が備わってしまったとします。

大人がそれに気がつき、暖かい環境で育てれば泣きはすぐ治るでしょう。

しかし、大抵の大人は簡単にわかることができません。

そうするとその子はずっと騒がしく泣き続ける子なのか、といえば違います。

一定期間、大きくみて安全な環境で育てていれば、多少寒くても子どもはそれを怖いと感じなくなるのです。

ピンポイント対策よりは時間がかかります。

でも、大きくみて安全で安心な環境で育てていれば、いつか必ず伝わります。

自信を持って、そのまま温かく見守りながら育てて行きましょう。

里子に出される子どもにはさまざまな事情があります。

しかし、あなたが安全で安心な存在であれば、子どもたちの苦しく辛かった部分が補正されていき、いつかあなた色に染まってきます。

子どもたちは里親の元で生まれ変わっていくのです。

里親も子どもを産み直した気持ちで接していければ本物の絆が生まれるでしょう。

焦らなくても大丈夫。

子どもの気持ちを無理につかもうとはせずに子どもにあなたの愛情を掴ませてあげましょう。

そうすることで親子の愛情が深くなります。  

(2)養育家庭等では基本的には親権は実親にあり

養育里親に親権がなく、実親に親権があることも問題となることもあります。

ある意味、養育里親は実親から子どもを「預かっている」状態です。

そのため、里親が子どもに傷を負わせてしまった場合、実親から損害賠償請求がくる可能性があるのです。

子育てをしていれば、子どもに怪我をさせてしまうことは特別なことではありません。

自転車に乗っていたら転んで骨折してしまった、子どもと車に乗っていたら交通事故にあって子どもが怪我をしてしまったなど、防ぎきれない事故も多いはず。

このような場合、里親が注意義務を怠ったとして実親から損害賠償を請求される可能性がゼロではありません。

それに備えて、「里親保険」というものもあり、事前に手立てを打つこともできますが、実親が親権者であるということは忘れないでください。

なお、子どもが第三者に対して損害を与えてしまった場合の損害賠償の問題もあるでしょう。

これについては基本的には児童相談所が保険に加入しているため、里親が損害賠償を支払うケースはほとんどありません。      

6、里親の紹介場所

では実際に里親になりたいと希望する場合や子どもを里子に出したい場合にはどこで斡旋してもらえるのかをご紹介します。

各都道府県で里親の条件や斡旋内容が異なります。  

(1)児童相談所

各都道府県の児童相談所に里親のお問い合わせが可能です。

里親になりたい人も子どもを里子に出したい人も相談できますので、興味があれば相談してみるといいでしょう。  

(2)民間あっせん機関

民間の斡旋機関も便利に利用できます。

里親を探すこともできますし、里親に興味があれば子どもを紹介してもらうことも可能。

ただし、里親になるためには所定の申請や研修がありますので子どもを紹介してもらう前にしっかり受講しておきましょう。

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