7、里親になるための手続き
里親になるためには所定の手続きが必要です。流れをご紹介します。
(1)申請から登録までの流れ
最初に里親になりたいと考えるなら各市区町村の児童相談所に相談してください。
申請から登録まではおおよそ3ヶ月から6ヶ月です。
各都道府県で細かいことは違う可能性がありますが、大まかな流れは下記になります。
- 児童相談所に相談、要件確認。
- 認定前研修申し込み・受講する。
- 里親認定申請書、里親研修終了証書、健康診断書、申請者と同居人の履歴書、自宅の平面図、欠格事由にいずれも該当しないことの証明書、戸籍謄本、所得証明書などの書類を児童相談所や民間の斡旋機関に提出する。
- 家庭調査。(児童相談所が調査します)
- 児童福祉審議会里親認定部会で里親の審議
- 各都道府県の知事が里親に認定。(更新については各都道府県に確認)
(2)里親になるまでの流れ
里親の認定が下りたなら、実際に里親になります。子どもの里親になるまでの流れを見ていきましょう。
- 児童相談所または民間の斡旋機関から里子を紹介されます。
- 児童の引合せ。児童と面会交流を行います。(約3ヶ月)
- 里親と児童の様子を見て総合的な判断で児童相談所が委託の可否を決定します。
- 児童相談所が定期的に委託の状況を家庭訪問で確認します。必要に応じて委託の更新を行うことに。
- 子どもが18歳になった場合や実親に引き取られる場合には、里親への委託が解除になります。
(3)研修
里親研修は国が義務として定めた研修です。
里親になりたいならしっかり研修を受講してください。
また里親制度は各都道府県に業務が委託されています。
研修内容は、里親の基礎研修、認定前研修、更新研修の3種類に分かれています。
基礎研修は1日+実習1日程度の研修になるでしょう。
里親の基礎知識を身につけ、子どもの状態によって適切な接し方などを学んでいきます。
認定前研修は2日+実習2日程度で、主に子どもの心と体のケアについてや事故防止について、子どもの権利や擁護についてなどを学んでいきます。
里親会についても基礎を学んでいくことになるでしょう。
更新研修は1日程度で、認定または更新後5年程度(各都府県による)で実施されます。
児童の養育に必要な新しい知識を身につけていきます。
里親になるということは一人の子どもの幸せに向けてサポートしていくことです。
正しい知識を身につけて養育できるように必須の研修だと理解しておきましょう。
里親になるなら一人ではなく配偶者も一緒に受講する必要があります。
8、困った時の相談先
子どもを養育していて里親が困った場合には、適切な相談機関に相談してください。
(1)児童相談所
児童相談所では24時間体制お困りごとに対応してくれます。
里子に出された子どもにはさまざまな心の傷があります。
いつもスムーズに育児ができるとは限りません。
一人で悩まずに問題があった場合には、児童相談所に相談するようにしましょう。
(2)子ども家庭支援センター
里親も子どもを養育しているわけですから市区町村の子ども家庭支援センターに相談することができます。
(3)役所の子育て担当課
役所の子育て担当課でも相談を受け付けています。
育児に関する悩みはどんなことでも聞いてもらえるでしょう。
(4)各地域の里親支援機関
各地域の里親会や里親サロンなどの里親支援機関に頼るのも一つの手です。
同じ悩みを持つ里親との交流で解決策が見つかるかもしれません。
(5)弁護士
養子縁組などの手続きや相続問題が発生した場合、子どもが第三者に損害を与えた場合などの悩みなら弁護士に相談してください。法的観点から適切な対応をしてもらえます。
まとめ
世の中には里親が必要な子どもがたくさんいます。
もし里親に興味をもてたのであれば、一度民間の機関か児童相談所に足を運んでみてはいかがでしょうか。
また、すでに実行されている里親の先輩に、実話を聞いてみるのもよいと思います。
海外では里親は珍しいことではありません。
1人でも多くのご家庭、児童に、素晴らしい出会いがありますように!
監修者:宮本健太弁護士
- 【経歴】
立教大学法学部卒業
東京大学法科大学院修了
司法修習(東京)修了 - 【専門分野】
交通事故のほか、労働災害事件、夫婦間の問題、労働問題などの一般民事事件を主に担当しています。
ご依頼者様の利益を最大化させることを念頭に、職務に取り組んでおります。 - 宮本弁護士監修 :「ニュース」記事一覧
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