同族会社の株式を相続するために心得たい8つのポイント

同族会社の株式を相続するために心得たい8つのポイント

同族会社で突然社長が死亡してしまった場合、その会社の株式はどうなるのでしょうか。

一般的には、「同族会社の株式に価値なんてない、何もしなくても良い」と考えてしまう場合が多いかもしれません。

実はこの点が落とし穴。

上場企業の株式でなくても、相続税法上は価値があるものと評価されます。

今回は、

  • 同族会社の株式を相続する手続きとその流れ

について解説します。

相続が発生しても困らないように、この記事がお役に立てば幸いです。

1、同族会社とは|特別な3つの規定

同族会社とは、一般的には、役員が家族・親族である会社をいいます。

会社法上は特段その定義規定はないのですが、税法においては規定があります。

法人税法上、同族会社(どうぞくかいしゃ)とは、法人の中で株式数の50%超を上位3株主グループ(これと特殊な関係のある個人や法人を含む)で占められているものを言います(法人税法2条10号)。

もう少しザックリとしたイメージで言うと、ある会社の株式の半分超を3人以下で保有している場合に、同族会社と判定されます。

なぜ法人税法で同族会社の規定があるかというと、同族会社の傾向として、一般の法人に比べて会社の経理を自由に操作できることからです。

同族会社の法人税については、法人税法で厳しい制約がもうけられています。

主なものとしては次の3つのものがあります。

(1)税務署長が法人税額を決めることができる

“税務署長が法人税額を決めることができる”とは、簡単にいうと、日本では税金の計算については自分で申告するという形式ですが、同族会社の申告を否定して、税務署側が税金について再計算して請求するということです。

同族会社の特徴として、株主=社長という状況がめずらしくありません。

株式会社の制度の建て前としては、会社の所有者は株主であって、株主から会社の運営等の経営を任されているのが社長(会社法上は取締役)という考え方です。

しかし、同族会社においては所有と経営の分離があいまいなことから、架空取引の計上などによって、不当に税負担を低くすることが容易であるという特殊性があります。

こうした状況から、「行為計算否認規定」という規定を設け、税務署長が同族会社による法人税を不当に減少させる行為を否認する規定があります(法人税法132条1項)。

(2)賞与が必要経費にならないケースがある

同族会社においては、株主と社長が一致する場合が多いことから、実質的に社長が自分の報酬を自由に決定できます。

そのため、社長の賞与を変動させることで、会社の税金の計算の基礎となる利益を圧縮して税負担を小さくすることが容易であるという特殊性があります。

そのため、役員に対する突発的な賞与は原則として必要経費とは認められないものとされており、必要経費として認められるためには「定期同額給与」である必要があります(法人税法34条1項1号、同施行令69条)。

また、実質的には役員と思われる従業員を役員とみなし、これらの者に対する賞与の支払いについても必要経費とは認めないものとされています(法人税法34条6項、同施行令71条1項)。

(3)留保金課税が発生するケースがある

同族会社においては、税金の負担を軽くするため、利益が出ても配当を行わず企業の内部留保とする場合があります。

国税庁の考えとして、法人オーナーと個人事業主との課税のバランスを図るため、同族会社が特定同族会社に該当する場合には、その会社の内部留保に対して、一定の特別税率が課税されます。(もっとも、資本金の額が1億円以下の同族会社については、適用対象から除外されています(法人税法67条1項括弧書)。)

特定同族会社とは、簡単なイメージとしてその会社の社長が株主であって、かつ、その社長の保有する株式が会社における議決権で過半数を握っている同族会社を指します。

2、同族会社の相続対象は「株式」

同族会社の相続の対象は「役員である社長の地位の相続」という感覚があります。果たして、この感覚は正しいのでしょうか。

結論としては、同族会社の相続の対象の中心は「株式」の相続であって、役員の地位の相続ではありません。

それは何故でしょうか。

もちろん同族会社の事業を後継者が承継する場合には、併せて役員の地位を引き継ぐことも必要です。

しかし同族会社の「相続」とは、実質的には“役員である相続人が有していた株式”を相続するということです。

つまり、同族会社の相続とは、従来の株主であった被相続人が保有していた株式を相続人が相続することをいいます。

被相続人について簡単に説明をすると、死亡によって相続の対象となる財産や権利関係をもっていいた人物を指します。

また、相続人とはこうして死亡した被相続人の財産等の権利を引き継ぐ権利をもつ人物を言います。

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