一緒に飲まないで!グレープフルーツと同時摂取NGな薬一覧とその理由を薬剤師が解説

一緒に飲まないで!グレープフルーツと同時摂取NGな薬一覧とその理由を薬剤師が解説

グレープフルーツと薬は、場合によっては相性が悪いものがあるということを知っていますか?

今回の記事では「グレープフルーツと薬は一緒に摂っていいのか」「グレープフルーツと薬が体に及ぼす影響」等について、薬剤師が解説します。

グレープフルーツと薬を一緒に摂っていいの?

グレープフルーツと薬は、相性の悪いものがあります。グレープフルーツに含まれる成分が一部の薬の作用に影響することがあるので、同時に摂取してもいいのか確認する必要があるのです。

一緒に飲んではいけない理由

グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という種類の成分が、薬を分解する「CYP3A4」という小腸の代謝酵素を阻害します。それにより、薬の代謝や分解が遅くなり、薬の血中濃度が上がるので、薬の効果が強く長く出てしまう可能性があります。
グレープフルーツ単体では薬のような作用はありません。

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グレープフルーツと一緒に飲んではいけない薬

血圧、狭心症の薬

カルシウム拮抗薬という種類の薬が、グレープフルーツの影響を受けてしまいます。
カルシウム拮抗薬を記載しましたので、ご自身のお薬が当てはまるか確認してください。

・ニフェジピン(アダラート、アダラートL、アダラートCR、セパミット、セパミットR)
・アムロジピン(ノルバスク、アムロジン)
・エホニジピン(ランデル)
・シルニジピン(アテレック)
・ニカルジピン(ペルジピン、ペルジピンLA)
・ニソルジピン(バイミカード)
・ニトレンジピン(バイロテンシン)
・ニルバジピン(ニバジール)
・バルニジピン(ヒポカ)
・フェロジピン(ムノバール、スプレンジール)
・ベニジピン(コニール)
・マニジピン(カルスロット)
・アゼルニジピン(カルブロック)
・アラニジピン(サプレスタ、ベック)
・ジルチアゼム(ヘルベッサー、ヘルベッサーR)
・アムロジン・アトルバスタチン(カデュエット)
・ベラパミル(ワソラン)

コレステロールの薬

スタチン系という種類の一部の薬が、グレープフルーツの影響を受けてしまいます。
下記の薬を飲む際は注意してください。

・アトルバスタチンカルシウム(リピトール)
・シンバスタチン(リポバス)

また、次の薬は同じスタチン系でも、グレープフルーツと同時に摂取しても大丈夫なお薬です

・プラバスタチンナトリウム(メバロチン)
・フルバスタチンナトリウム(ローコール)
・ピタバスタチンカルシウム(リバロ)
・ロスバスタチンカルシウム(クレストール)

免疫抑制剤

下記の薬は、グレープフルーツと一緒に摂取してはいけません。

・シクロスポリン(ネオーラル、サンディミュン)
・タクロリムス水和物(プログラフ)

不眠症の薬

下記の薬は、グレープフルーツと一緒に摂取してはいけません。

・トリアゾラム(ハルシオン)

その他注意する薬

下記の薬は、グレープフルーツと一緒に摂取してはいけません。

・アタザナビル(レイアタッツ)
・アナストロゾール(アリミデックス)
・イストラデフィリン(ノウリアスト)
・イトラコナゾール(イトリゾール)
・イメンド(アプレピタント)
・エチニルエストラジオール(プロセキソール)
・クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド、マインベース、ラベキュア、ラベキュアパック、ボノサップ、ボノサップパック)
・クロトリマゾール(エンペシド)
・シメチジン(カイロック、タガメット)
・ジョサマイシン(ジョサマイ)
・シロリムス(ラパリムス)
・スチリペントール(ディアコミット)
・ダルナビルエタノール(プリジスタ)
・テネリア
・ビカルタミド(カソデックス)
・フィダキソマイシン(ダフクリア)
・フルコナゾール(ジフルカン)
・フルボキサミンマレイン酸塩(デプロメール、ルボックス)
・ブロモクリプチン(パーロデル)
・ベロトラルスタット(オラデオ)
・ポサコナゾール(ノクサフィル)
・ホスアンプレナビルカルシウム(レクシヴァ)

*参考:KEGGデータベース https://www.kegg.jp/ja/

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どんなグレープフルーツがだめ?

果物のグレープフルーツ単体だけではなく、グレープフルーツジュースやジャムも同様に作用が出てしまいます。相互作用のあるお薬を飲んでいる場合は、これらの摂取も避けてください。

グレープフルーツ以外の果物は?

グレープフルーツ以外でも、下記の果物は薬と一緒に食べないでください。

メロゴールド
サワーポメロ
レッドポメロ
絹皮
晩白柚
ぶんたん(ザボン)
スウィーティー
ポンカン
ハッサク
金柑
ダイダイ

薬を摂取した際は、これらの果物は避けましょう。

*参考
・Saita T et al. Screening of furanocoumarin derivatives in foods and crude drugs by enzyme-linked immunosorbent assay. Jpn. J. Pharm. Health Care Sci. 2006; 32: 693-699.
・公益社団法人日本薬学会HP:https://www.pharm.or.jp/mame/20140202.shtml