ベビーフードは栄養面・安全性で手作りに劣る?|管理栄養士執筆

ベビーフードは栄養面・安全性で手作りに劣る?|管理栄養士執筆

離乳食は赤ちゃんにとってミルクや母乳以外の初めての食事。
大人向けの食事とは異なる点も多く、用意する負担は決して少なくありません。

忙しいママ・パパにとってベビーフードは離乳食の負担を少なくしてくれるものですが、「離乳食は手作りが最善」という風潮があるのも事実です。

ベビーフードは手作りの離乳食と比べて栄養面や安全性で劣るものなのでしょうか?
ベビーフードと手作り離乳食のメリットとデメリットを考えてみました。

ベビーフードは便利でバリエーション豊富

ベビーフードというと調理済みのレトルト製品のイメージが強いですが、実際にはいろいろな形態のものがあり、さまざまな場面で役立ちます。

■フリーズドライタイプ

お米や野菜をフリーズドライの粉末にしたもので、お湯に溶くことでペーストをつくることができます。

裏ごしの手間がなく食べる分だけペーストを作れて便利です。

■レトルトタイプ

野菜や肉・魚などの食材をそれぞれの時期に適した大きさにカットして加熱調理したもので、手作り離乳食に使える味付け前の半調理品と、温めるだけで(温めなくても)あげられる調理済みのものがあります。

調理済みのものはうどんやおかゆなどの主食、肉・魚・豆腐などを取り入れた主菜、野菜中心の副菜などバリエーションに富みます。

■お弁当タイプ

いくつかの種類の調理済みベビーフードがセットになったもの。

外出先でも衛生的に持ち歩くことができ、あげやすいのが魅力です。

ベビーフードは栄養面や安全面に不安はないの?

ベビーフードは手作りと比べ、品質に不安を持つ人もいるようですが、一般に市販されているベビーフードはその品質や安全性については、日本ベビーフード協議会の「ベビーフード自主規格」によって担保されています。

日本ベビーフード協議会とは、ベビーフードを製造・販売している企業が集まって運営している団体で、大手6社が会員企業となっています。

ベビーフード自主規格ではベビーフードの製品そのもののほか、容器包装や表示内容に関して、品質や衛生面・安全面についての規格を定めています。

少なくとも、日本ベビーフード協議会の「ベビーフード自主規格」に沿って製造・販売されているベビーフードに関して、適切な使い方を守っていれば、安全面を不安に思う必要はないでしょう。

調理中や食べるまでの間に不適切な扱いをすれば赤ちゃんにとって良くないのは手作りでも同じですので、どちらにしても衛生面・安全面には注意してあげたいですね。

また、栄養価に関しては、おかゆや小麦製品、肉・魚・大豆製品、野菜類などをまんべんなくとれているかという点がポイントとなるところです。

手作りだから・レトルトだからというよりも、どのような組み合わせで食べさせてあげるのかというところが大事なので、手作りとベビーフードのどちらが優れている、または劣るということはありません。

栄養価や安全性という最低限のポイントについては決定的な違いがある訳ではありません。

赤ちゃんや育児をする大人にとってのメリットやデメリットによってより都合のよいものを選んでよいでしょう。

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