【子どもの弱視】3歳児健診を受けた後でも眼科で視力を確認したい。弱視を見逃す可能性「大」

【子どもの弱視】3歳児健診を受けた後でも眼科で視力を確認したい。弱視を見逃す可能性「大」

眼鏡かけてもよく見えない弱視。視力は生まれてきたとき、0.1程度しかありません。通常は成長とともに自然に視力も向上し、3歳で1.0程度になるのですが、左右の度数差(不同視弱視)や過度な遠視や乱視(屈折異常弱視)、斜視(斜視弱視)など見えづらい条件があると視力の成長がうまくできず、眼鏡やコンタクトレンズを使っても「良く見えない状態」のまま、大人になってしまうそうです。そんな子どもの弱視を、普段の生活の中で見つけることはできるのでしょうか。「前橋みなみモール眼科」の高橋先生を取材しました。

高橋大樹医師

監修医師:
高橋 大樹(前橋みなみモール眼科 院長)

山梨大学医学部卒業。大学病院や民間医療機関での眼科診療を経た2019年、群馬県前橋市に「前橋みなみモール眼科」開院。土日祝日対応の「通いやすいクリニック」を心がけている。日本眼科学会認定眼科専門医。日本眼科医会、日本小児眼科学会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本眼科アレルギー学会、日本網膜硝子体学会の各会員。

サインの出ない弱視は気づきようがない

サインの出ない弱視は気づきようがない

編集部

ヒトの「見る力」は子どものうちに築かれると聞きます?

高橋先生

はい。「網膜に映った映像を解析する力」は、おおむね8歳までに身についていきます。なお、弱視は「3歳児健診」でもチェックしますが、その際、「各ご家庭で測定した結果」を参考にすることが多いようです。ただし、3歳のお子さんがふざけたり、目をふさいでいるはずの手の隙間からズル見したりする中、どこまで正確に測定できるかは疑問の残るところですね。

編集部

すると、3歳児健診の後でも、眼科で視力測定をするべきですか?

高橋先生

そのほうが安全だと思います。知り合いで、視能訓練士という視力測定の国家資格者の方が、自分のお子さんの弱視に普段の行動からは気づかなかったことすらあります。お子さんが片目でも見えていると、普段の行動からはわからないものです。

編集部

そうなると、インターネットに載っている「弱視のサイン」は、あながち参考にならない?

高橋先生

サインが出ていれば弱視を疑えます。その点で、「見えにくそうにしている/目を細めている/上目使いになっている/首を傾けて見ている」などの各種サインは有効でしょう。問題は、片目では見えていて、サインが出ない場合です。また、幼いお子さんなら「見える、見えない」ということ自体、良くわかっていないはずなので、「これが見える?」などと聞いても「見える」と答えてしまいがちですよね。やはり、眼科医のようなエキスパートに、判断してもらうべきではないでしょうか。

編集部

「視力検査は正常でした」という結果だとしても、診てもらっていいわけですね。

高橋先生

そのとおりです。保護者のなかには、「異常がないのにいいのかな?」と心配する方がいらっしゃるものの、全く遠慮不要です。視力検査の結果、「視力が出ている」ということであれば、弱視の不安はなくなります。不安を取り去ることも受診の大きな目的で、治療と切り離して考えていただきたいですね。その際、「小児眼科」を受診すると確実でしょう。医師や検査員がお子さんに慣れています。

弱視の原因が斜視の場合もある

弱視の原因が斜視の場合もある

編集部

ちなみに、斜視と弱視は違うのですか?

高橋先生

斜視は、両方の目の見ている方向がずれている状態のことです。なお、「斜視弱視」といって、弱視の原因が斜視の場合もあります。真っ直ぐ見ていないほうの目の「網膜に映った映像を解析する力」の成長が遅れているからです。その一方、斜視でも視力を獲得する子はいます。「解析する力」を獲得していれば、残るは、ずれの問題だけです。

編集部

チェックすべき日常のサインがさらに追加されるわけですか?

高橋先生

斜視は、サインというより「両目のずれ」を見て判断します。ヒトは寄り目ができるので、外側に外れている状態からでも視線はそろえられるのです。問題なのは、内側にずれている内斜視ですね。心配であれば、外斜視でもお気軽にご相談ください。

編集部

先般と同じく、安心材料を得るための受診でも構わない?

高橋先生

そういうことです。視力の成長が遅れている「斜視弱視」なのか、視力の獲得はできていてずれの問題だけなのか、まったくの加療が不要なのか、その確認を早めにしておきましょう。

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