家族・肉親が高血圧なら、あなたにも「高確率」で遺伝してしまうワケ

家族・肉親が高血圧なら、あなたにも「高確率」で遺伝してしまうワケ

虚血性心疾患や脳卒中など、重篤な病気の原因になることもある高血圧。高血圧は遺伝による影響も大きいとされているため、ご家族に高血圧の方がいると心配という方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、遺伝によって高血圧を生じる確率や高血圧を予防するための生活習慣について清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニックの清水裕史先生にお話を聞きました。

清水裕史先生

監修医師:
清水 裕史(清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック 院長)

2005年名古屋大学医学部卒業。卒業後春日井市民病院、名古屋大学大学院医学系研究科などを経て2009年米国シンシナティ大学留学。2018年独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院内分泌・糖尿病内科診療部長兼糖尿病センター長に就任。2020年清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック開院。糖尿病や高血圧症のほか、甲状腺疾患の診察、かかりつけ医として一般内科治療や予防接種、健康診断などの予防医療も担う。医学博士。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医。日本糖尿病学会専門医。日本医師会認定産業医。日本内科学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会に所属。

高血圧とは

高血圧とは

編集部

高血圧とはどのような状態を指しますか?

清水先生

高血圧とは、心臓から出る血液が血管の壁にかける圧が高い状態をいいます。心臓はポンプのように動いて血液を全身に循環させていますが、心臓が収縮したときに血管の壁にかかる圧を収縮期血圧、心臓が拡張した時に血管の壁にかかる圧を拡張期血圧としています。高血圧の状態とは、この血圧の値が慢性的に高い状態のことを指すのです。一般的に、高血圧と診断されるのは、収縮期血圧が140mmhg以上、拡張期血圧90mmhg以上です。後期高齢者の方や脳血管疾患の既往がある方の場合では、収縮期血圧140mmhg以上、拡張期血圧80mmhg以上の場合を高血圧と診断することもあります。

編集部

高血圧だと、どんなことが問題になるのでしょうか?

清水先生

「動脈硬化」の原因となり、重篤な疾患を引き起こすことが懸念されます。また、高血圧の状態が続くと、その圧力によって血管壁が常にダメージを受けます。これにより血管壁が弾力をなくし、硬くなったり、厚くなったりして動脈硬化の原因となるのです。動脈硬化にもいくつかの種類がありますが、血管壁にコレステロールなどの成分(プラーク)がドロドロの状態になって沈着し、血管内が狭くなったり、血栓となって詰まったりして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの重篤な疾患を引き起こす恐れがあります。

編集部

高血圧になってしまう原因は何なのでしょうか?

清水先生

高血圧には、原因を一つに特定できない「本態性高血圧」と、何らかの病気が原因で生じる「二次性高血圧」とがあり、日本人の高血圧の大半が、本態性高血圧とされています。本態性高血圧のはっきりとした原因は解明されていませんが、塩分の過剰摂取や喫煙習慣、アルコールの多飲、運動不足などの生活習慣のほか、精神的ストレス、遺伝などが関与しているといわれています。

高血圧は遺伝するの?

高血圧は遺伝するの?

編集部

高血圧は遺伝でも発症するとのことですが、両親や祖父母が高血圧だと、自分も将来的に高血圧になってしまう可能性は高いのでしょうか?

清水先生

高血圧には家族性の要因が60%程度あるとされ、遺伝による要素も大きいとされています。また、食塩の摂取量が多いなどの食習慣など、家族で似た生活環境であることも、高血圧の要因と考えられます。

編集部

必ずしも遺伝によって高血圧になってしまう、ということではないのですね。

清水先生

そうですね。しかし、同じ食生活などの影響も加わることで、その確率はより高くなるとも考えられます。

編集部

両親や祖父母が高血圧の場合には、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?

清水先生

子どもの頃から減塩や肥満予防に努め、高血圧の発症を防ぐことが大切です。また、定期的に血圧を測定して数値を把握しておくほか、基準よりも高い場合には医療機関を受診して経過観察や内服治療などを受けた方が良いでしょう。

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