不倫相手との示談交渉|交渉を成功させるために役立つ4つの知識

不倫相手との示談交渉|交渉を成功させるために役立つ4つの知識

夫や妻の不倫相手に慰謝料を請求する方法は、調停や訴訟だけでなく、不倫相手に直接交渉する示談交渉という手段もあります。

今回は、多くの離婚事件を解決してきたベリーベスト法律事務所の弁護士監修の上で

  • 不倫の示談交渉による慰謝料請求のメリット・デメリット
  • 不倫の示談交渉の流れ
  • 不倫の示談交渉を成立させるコツ

を解説いたします。

不倫相手との示談交渉で、苦しかった精神的な損害も解消させましょう。

1、不倫相手と示談交渉するメリット・デメリット

示談交渉が上手く行けば、調停や訴訟よりもスムーズに、なおかつ慰謝料を多めに請求することも可能です。

ただし、示談交渉をすることでより事態が悪化するリスクもあるので注意しましょう。

示談交渉のメリット・デメリットや他の請求方法との比較、あるいは弁護士に相談するなどして、状況に合わせたベストな判断が必要です。

(1)示談交渉のメリット

①早期の解決が見込める

不倫を理由とした離婚調停や裁判の場合、内容によりますが期間は半年から長引けば3年ほどかかるケースもみられます。

一方、示談交渉は不倫相手が素直に応じてくれさえすれば、すぐに慰謝料を手に入れることができます。 

②調停・訴訟よりも慰謝料の増額が見込める

訴訟による慰謝料の請求の場合、裁判所が介入して不倫の状況や結婚期間、子どもの有無、判例などさまざまな要素を考慮して決定します。

示談交渉で慰謝料請求を行う場合は裁判所の介入がないため、相手が合意さえすればどんなに高額な慰謝料であっても支払ってもらうことができます。

不倫相手が社会的に地位の高い人であったり、大事にしたくなかったりして、早期の金銭的な解決を希望することで、相場よりも高い慰謝料を支払う可能性があるからです。

③不倫問題を穏便に済ませることができる

配偶者の不倫は世間体などを考慮してできればこっそりと対応したいものです。

しかし、調停や裁判で不倫の慰謝料を請求するとなると、場合によっては公に知られることになります。

自分で示談交渉をすれば、当事者間で穏便に済ませることが可能です。

(2)示談交渉のデメリット

①相手が同意しなければ示談が成立しない

示談交渉による解決は、相手が慰謝料の金額や支払期限などの諸条件に合意したときだけ成立(和解)となります。

たとえば慰謝料の金額も相手の資産や収入などをベースにして決める必要があるため、相手が納得できる条件でなければならないという不自由さがあります。

②示談内容の不履行があっても差し押さえ(強制執行)ができない

相手が支払期限までに慰謝料を支払わないなど示談内容の不履行があった場合、差し押さえなど法的措置を取ることができないため、示談交渉だけでは強制力に欠けます。

差し押さえを行いたい場合は、示談内容を公正証書にしておくか、そうでなければあらためて裁判を起こす必要があります。

2、不倫相手への慰謝料請求の方法 

示談交渉では、相手に対して内容証明郵便を利用した不倫慰謝料請求書の送付が有効です。

内容証明郵便は、慰謝料を請求する意思を正式に伝達する目的で法律の専門家も利用しています。

書面での連絡方法は双方のやり取りを書面に残すことができ、なおかつ示談内容も事前に整理したうえで通知できるため、口頭による伝達よりも相手に対して明確な意思を伝えることが可能です。

さらに、伝達した記録を残しておくこともできます。

ただし、書面の作成、発送と受取にはある程度の時間を要するため、不倫問題を早期に解決したいと考える場合には相応しくない面もあります。

また、内容証明郵便は1回の送付に2、000円前後の費用がかかります。

何度も内容証明郵便で書面交換を繰り返すと、相応の費用負担が生じることになります。

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