事実婚で子供を授かったら子供の親権や苗字は?知りたい6つのこと

事実婚で子供を授かったら子供の親権や苗字は?知りたい6つのこと

事実婚で子供を授かった場合、子供の苗字や親権はどうなるのでしょうか。

最近は、戸籍上夫婦になる「法律婚」ではなく、「事実婚」を選択する夫婦も増えています。

戸籍上の夫婦となる場合、夫婦のどちらか一方が、苗字を変更することとなります。

苗字の変更を避けたい場合は、事実婚の形を選択せざるを得ないのが、現在の日本の法制度です。

事実婚の夫婦の子供の親権や苗字はどうなるのでしょうか。

本記事では、事実婚について解説したうえで、

  • 事実婚夫婦に子供ができた場合の対応
  • 事実婚夫婦の子供の親権について
  • 事実婚夫婦の子供の苗字について

について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が詳しく解説していきます 

あわせて、

  • 事実婚夫婦の子供の「相続」や「児童手当」などに関する疑問
  • 事実婚で子供ができた場合に考えられるトラブル

についても、紹介します。

この記事が、実際に事実婚で子供ができたご夫婦や、これから子供を授かりたいと考えている事実婚のご夫婦の参考になれば幸いです。

1、事実婚で子供ができた場合について知る前に~事実婚とは?

事実婚の夫婦に子供ができた場合について知る前に、そもそも事実婚とは何かを確認しておきましょう。

(1)事実婚とは

日本の法制度では、戸籍上夫婦となるには、婚姻届を提出して夫婦のどちらか一方に苗字を統一する必要があります。

苗字を1つにそろえたくない場合は、籍を入れずに事実婚」という形を取ることとなります。

結婚するとなると、どちらか一方が苗字の変更を強いられるため、苗字を変更することを受け入れられない場合もあるでしょう。

自分の苗字がアイデンティティとなっている方や、珍しい苗字であることから苗字が途絶えることを望まない方もいます。

他にも、さまざまな理由から事実婚を選択する夫婦が増えています。

(2)事実婚と同棲カップルとの違い

事実婚は、同棲しているカップルと何が異なるのでしょうか。

事実婚は、婚姻届を提出していないだけで、実態は夫婦であることに変わりはありません

事実婚関係にある夫婦にも、法律婚関係にある夫婦と同様に、貞操義務や婚姻費用の分担等の責任が生じ得ます。

何の責任もない恋人時代とは、大きな違いがあるのです。

戸籍上夫婦になっていなくても、2人を同一の住民票に表記してもらうことも可能です。

お互いの続柄について、「妻(未届)」「夫(未届)」などと住民票に記載している事実婚の夫婦もいます。

以上のように考えると、同棲カップルと事実婚の夫婦は、責任や社会的立場に違いがあるといえるでしょう。

2、事実婚の夫婦に子供ができたらどのように対応すべき?

事実婚の夫婦に子供が生まれた場合、子供にとっては、自分の父親と母親は法律上婚姻関係がないことになります。

大人だけであれば、お互いが納得した事情のもと事実婚の形をとることに問題はありません。

ですが、子供が生まれるとなると、子供の権利や子供の気持ちについて考える必要があり、大人の事情だけでは片付けられない問題もあります。

本章では、事実婚の夫婦が子供を授かった場合に可能な対応についてみていきましょう。

(1)まずは今後について夫婦でしっかり話し合う

事実婚の状態で子供を授かった場合、

  • 法律上の夫婦として籍を入れるのか
  • 子供をどのように育てるか

など、夫婦でしっかり話し合うことが必要です。

夫婦だけであれば、事実婚の状態でも特に不都合はなかったかもしれません。

しかし、子供が生まれたら子供のためにどうしたらいいのかも考える必要があります。

事実婚の状態で子供を生み、後から子供に寂しい思いをさせることがないよう、出産前に夫婦でしっかり話し合いましょう。

(2)事実婚を解消し法律婚をする

事実婚の状態を続けていても、妊娠が発覚した後に婚姻届を提出し、法律婚を決意する事実婚夫婦は少なくありません。

すでに述べているように、法律婚をするには、夫婦のどちらかが苗字を変更する必要があります。

しかし、苗字変更というデメリットを踏まえてでも、家族全員で戸籍上も家族になることを選択も可能です。

(3)事実婚を継続する

子供を授かっても、事実婚を継続するカップルもいます。

夫婦のどちらか一方が苗字を変更することを避けたい場合などは、事実婚を継続する選択をすることになります。

子供を授かっても事実婚を継続する場合は、

  • 認知
  • 親権
  • 苗字

など、大切なことを夫婦でしっかりと話し合いましょう。

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