度々ニュースで見る子どもの事故やトラブル…子どもの安全をどう守る?責めるしつけが危険を招く!?

度々ニュースで見る子どもの事故やトラブル…子どもの安全をどう守る?責めるしつけが危険を招く!?

飛び出したり、頭をぶつけたり、子どものトラブルにヒヤリとする場面は多いもの。子どもたちは、日頃からさまざまなリスクにさらされています。では子どもの安全はどう守ればよいのでしょうか。家庭の子育てでも参考にしたいのが保育におけるリスクマネジメントの考え方です。保育のリスクマネジメントについて詳しい、大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘先生にポイントを教えてもらいました。

子育てでも取り入れたい!「安全教育」って?

保育におけるリスクマネジメントとは、子どもの危険を予測し安全を意識して取り組むこと。子どもの安全を守っていくのは、まずは周りの大人や親の責任ですが、同時に「子ども自身が自分の身を守る力を育てることも大事」と小崎先生は言います。


「ずっと親が子どもを守り続けていくのではなく、同時に子どもの身を守る力も育てていく。これを『安全教育』と言いますが、これは家庭でも意識してもらいたいことです」


家庭でも参考にしたい「安全教育」。これには2つの視点があります。
教育・保育の場で実践している「積極的安全」と「消極的安全」です。

◆大人が守る! 積極的安全

危険な物を排除し、大人が積極的に子どもの安全に関わることを「積極的安全」と言います。


「保育士は500円玉より小さな物を保育室に置きません。子どもの口径が33ミリであるので、誤飲による窒息を防ぐために置かないのです。ビーズ、ビー玉、ぶどう、プチトマト、豆まきの豆も出しません」


子どもは幼くて自分の身を自分で守ることができないので、周りの大人が環境を整え、積極的に子どもの安全を確保していきます。

◆大人が見守る! 消極的安全

対する「消極的安全」とは、子どもの成長に合わせて危険に対応したり予測したりすること。例としては、ナイフで鉛筆が削れるように練習する、などです。危険に対してトレーニングし、ある程度ケガを想定しながらうまく関わることで、危険性を排除していきます。

子どもを「守る」だけでは危険から守れない!?

教育・保育の現場で実践している「積極的安全」と「消極的安全」の2つの視点は、家庭の子育てでも意識したいところです。ただし、そのバランスが難しいと小崎先生は指摘します。


「今は積極的安全ばかりに囲まれて、子どもたちが育っていない家庭が多いです。親が全部守らなくてはということではないんです。もちろん、年齢や個性や状況に応じて、親がコントロールしてあげなくてはいけないんですが、子ども自身が自分で身の安全を守っていけるようにしていくということを、子育てをしていく中で考えてほしいです」


例えばインターネットやSNSとの関わりについて。これもリスクの一つです。


「インターネットやSNSを一切やらせない! というのも一つの考えですが、これは積極的安全の考え方です。一方、やりながらルールや使い方を学んでいくというのが消極的安全です。子育てにおいてもこの2つの視点を意識してもらいたいなと思います」

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