幼児教育無償化とは?これだけは押さえておきたい知識を徹底解説

幼児教育無償化とは?これだけは押さえておきたい知識を徹底解説

「幼児教育の無償化」という言葉をニュースで一度は耳にしたことはありませんか?まもなくスタートする、子育て世帯には嬉しい制度になります。具体的な制度の内容や、対象となる子どもなど、幼児教育の無償化について知っておくとよいことを調べてみました。

幼児教育無償化ってどんな制度なの?

幼稚園と保育園の無償化

「子育てや教育にたくさんのお金が必要になる」という理由で、複数人子どもを産みたくても産むことを諦めているという、20代・30代の家庭がたくさんあります。特に、教育費の負担を減らすような支援を希望する声がたくさんあがっています。

2017年12月8日に、「新しい経済政策パッケージ」という政策が定められました。「幼児教育の無償化」は2019年度から一部専攻実施され、2020年度には全面実施となります。幼児教育・児童教育の無償化や家庭の負担軽減を中心として、待機児童の対策や保育士の賃金上昇も政策に盛り込むことで、幼児教育の充実が図られています。中でも、幼稚園・保育園の無償化が今回の改正のメインとなっています。

施設別による保育費の助成金

子どもが通う施設・年齢として

・幼稚園に通っている幼児
・認可保育園に通っている0~2歳児
・認可保育園に通っている3~5歳児
・認可外保育園に通っている乳幼児

の4つのパターンが考えられます。それぞれ助成される金額が異なります。「幼児教育の無償化」といわれていますが、幼稚園・保育園に通う子ども全員の保育費用が無償になるわけではありません。通っている幼稚園の保育費用が助成される金額を超えていたり、助成の対象でない場合などは、自己負担が必要となる場合があります。

また、2018年4月時点では、全ての助成金額が決まっているわけではありません。今も議論が続けられていて、時期は未定ですが、今後正式な金額が発表される予定です。

待機児童問題対策としての環境整備

「新しい経済政策パッケージ」では、現在大きな問題となっている待機児童についても対策が盛り込まれています。政府より、2020年度末までに320,000人分の保育環境の整備をおこなうため、3,400億円の予算が組み込まれることがすでに発表されています。

政策の1つ目として、保育施設の確保や拡充があげられています。この保育施設には、認可保育園だけではなく企業主導型保育事業や認可外保育施設(認証保育所など)も含まれています。次に、保育士の人材確保があげられています。保育施設が確保できても保育士がいなければ問題解決がすすみません。特に保育士の賃金の低さが問題視されており、賃金のベースアップが議論されています。

幼児教育無償化はいつから?対象年齢は?

いつから無償化になるの?

まず2019年4月から、一部前倒しというかたちでスタート予定となっています。無償化の対象となるのは、「幼稚園・認可保育園・認定こども園に通う5歳児(年長相当)」のみとなります。本格的に全面実施となるのは2020年4月からの予定となっています。

同時に実施されない理由として、今回の幼児教育の無償化の財源として、2019年10月に予定されている消費税10%への引き上げによる財源を活用するためです。消費税の増税によって、約5.6兆円の増収が見込まれています。そのうち2兆円が幼児教育の無償化の財源として使われる予定となっています。幼児教育の無償化は緊急性の高い問題ということで、増税前から前倒し実施されることになりました。

対象年齢は何歳なの?

「幼児教育無償化」なので、小学校へ入学する前の0歳児~5歳児が対象となります。ただし、年齢によって、無償化の対象となる場合とならない場合があります。

新しい経済政策パッケージには、まず、0歳児~2歳児については、「当面の、住民税非課税世帯を対象として無償化を進める」と書かれています。生活保護を受けている世帯も無償化の対象となります。次に、3歳児~5歳児については、「広く国民が利用している3歳から5歳までの全ての子どもたちの幼稚園・保育所・認定こども園の費用を無償化する」と書かれています。子ども・子育て支援新体制の対象とならない幼稚園については、「利用者負担額を上限として無償化する」と書かれています。

所得制限ってあるの?

子どもの年齢によって所得制限があるかないかが分かれます。

0歳児~2歳児については、住民税非課税世帯か生活保護を受けている世帯が無償化の対象となるので、所得制限が設けられるということになります。また現在は、住民税非課税世帯の方の場合、第二子以降については、幼稚園や保育園の保育料が無料となっているのですが、今回の無償化により第一子も含めた「全ての子ども」が対象となります。

3歳児~5歳児については、所得制限を設けずに全ての子どもの保育料が無償化されます。これはイギリスやフランス、韓国などの諸外国では、3歳児~5歳児の幼児教育について、所得制限を設けずに無償化が進められているということも関係しているようです。

施設別の保育費用助成金について

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