「くも膜下出血」の前兆となる症状はご存知ですか?

「くも膜下出血」の前兆となる症状はご存知ですか?

くも膜下出血は脳出血の1種で、発症すると死亡率50%といわれる怖い病気です。処置が遅いと再出血することもあり、後遺障害のリスクもあります。

年齢が高くなるほど発症が多くなり、中年期以降は気を付けなければならない病気の1つです。発症すれば、できるだけ早く病院で処置できるかが明暗を分けます。

できるだけ発症しないように、普段から気を付けて予防することが大切です。ここでは、くも膜下出血の特徴をチェックしていきましょう。

また、診断方法と治療方法、予防方法も併せて紹介します。

くも膜下出血とは?

くも膜下出血は、頭のどの部分で出血が起こるのですか?

くも膜下出血はくも膜と軟膜の間にある隙間、くも膜下腔と呼ばれている箇所に起こります。くも膜下出血とは、このくも膜下腔で起こった出血の総称です。

人間の脳は3層の膜で覆われており、外側から順に硬膜・くも膜・軟膜です。

くも膜下腔には脳脊髄液があり、たくさんの太い動脈が通っています。何らかの原因でこの動脈が損傷して起こる出血をくも膜下出血といいます。

原因はなんですか?

くも膜下出血の原因のほとんどは、脳動脈瘤の破裂です。その割合は約90%といわれています。脳動脈瘤は脳の動脈にできた瘤で、この瘤が破裂してくも膜下出血を起します。

脳動脈瘤がなぜできるかは、はっきりとは解明されていません。しかし、脳動脈瘤には先天的なものから、生活習慣病やストレスからくるものまでがあると考えられています。

その他、脳動静脈奇形や事故などによる頭部の外傷も、原因の1つです。

どのような症状がありますか?

くも膜下出血の症状には頭痛・嘔吐・意識障害などがあります。特に頭痛は、今まで経験したことのない「ハンマーで殴られたような激しい痛み」が突然起こります。嘔吐やめまいに襲われることも少なくありません。

これらの症状は、前兆で起こることもあります。激しい痛みが一旦は治まっても、そのあとくも膜下出血を起こす可能性が高いです。

そのため、激しい頭痛があれば、すぐに病院へ行くことをおすすめします。意識があるうちに病院へ辿り着ければ、生存率は格段に上がるからです。

前兆の頭痛がなく、いきなり意識を失うこともあります。いびきをかいて、寝ているように見えることもあります。

頭の中で出血すると聞くと、合併症も心配です……。

合併症も心配ですが、初回破裂での死亡率は特に高いです。初回出血後の死亡及び治療対象外となるのはおよそ50%です。

またくも膜下出血の合併症としては、次の合併症が有名です。 どの合併症をおこしても死亡率が高くなり、脳梗塞や後遺障害を招く原因となります。

再出血は、発症から24時間以内におこる事が多く、死亡リスクの高い合併症です。

脳血管攣縮が起こると脳血管が細くなり、脳梗塞のリスクがあります。

脳脊髄液が溜まることで水頭症を発症します。

この他に肺炎など、肺機能障害も報告されている合併症です。

くも膜下出血の診断方法・治療法

くも膜下出血の診断はどのような方法で行われるのでしょうか?

くも膜下出血の診断は、主にCTによって行われます。

しかし、軽症や発症から時間が経っている場合は、CTでは診断できないこともあります。その場合は、MRIやMRAでの検査が効果的です。

また、脳脊髄液を調べる腰椎穿刺や脳血管撮影を行うこともあります。

どのような治療を行いますか?

破裂が疑われれば可及的に、手術が必要になります。

くも膜下出血の主な原因となる、脳動脈瘤を再破裂させないための手術は大きく分けて2種類、脳動脈瘤クリッピング術と脳動脈瘤コイル塞栓術です。

脳動脈瘤クリッピング術は全身麻酔で開頭します。頭蓋骨を取り外して動脈瘤の付け根の部分をクリップで留める手術です。

脳動脈瘤コイル塞栓術は太ももの付け根からカテーテルを挿入して、動脈瘤をプラチナ製コイルで詰めます。

どちらもくも膜下出血の治療として確立している手術です。患者さんや動脈瘤の状態で、どちらかの治療が選択されます。

くも膜下出血と聞くと、後遺症が残るイメージが強いです。

くも膜下出血を発症した患者さんの約30%は、後遺症もなく社会復帰ができます。50%の人が死亡し、20%の方に後遺症が残ると報告されています。

治療後は回復のためのリハビリテーションが必要です。治療直後は状態が変化しやすく、リハビリの開始には注意しましょう。しかし、脳以外は健康のため、長期にわたる「寝たきり」の状態は避けることが大切です。

リハビリによって体力を回復・維持できれば、早期の社会復帰が可能になります。

早めにリハビリを始めることが大切なのですね。

くも膜下出血の治療直後は、水頭症・脳血管攣縮・再出血のリスクがあるため、すぐのリハビリテーションを避ける傾向があります。これは、リハビリよりも生命維持が優先されるための処置です。

しかし近年、くも膜下出血の発症後4〜7日で、容態が安定している場合はリハビリ開始が安全であると報告されました。

また、早期にリハビリを開始することで、脳血管攣縮の発症を減少させる可能性が高いとも報告されています。このため最近では、早めにリハビリを始めることが、早い社会復帰に繋がると考えられています。

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