5、監護権のもととなる監護権者・親権者を決める方法|具体的な手続き
ここからは、親権者・監護権者を実際に決定するための流れについても見ていきましょう。
(1)協議|夫婦での話し合い
離婚届には子供の親権者を記載する欄があり、夫婦に子供がいる場合はこの欄が埋まっていなければ届を受理してもらうことができません。
一方、監護権のほうは離婚届に個別の欄が設けられているわけではなく、役所に届け出る必要もないため、親権と監護権を分ける場合にはまず離婚協議書を作成し、その内容を離婚協議書に残しておくのが原則です。
親権・監護権を分離するかどうかも含めて、まずは夫婦で話し合いましょう。
(2)調停
話し合いで親権者が決まらなかったときには、家庭裁判所に申し立てを行い、離婚調停の中で改めて協議を重ねていきます。
調停の期間や回数についてはケースバイケースですが、子供の親権が絡んでくる場合には家庭裁判所による実態調査なども行われるため、一般的に長引く傾向があるでしょう。
(3)訴訟
調停が不成立に終わったときには、最後の手段として離婚裁判を行います。
この裁判で下される判決によって、どちらが親権者となるかの決着がつきます。
6、監護権や親権は変更できる
離婚時に決めた親権者・監護者は、家庭裁判所に「親権者変更調停」を申し立てることで変更することも可能です。
ただし、調停前にあらかじめ当事者間で親権者を変更することに合意していたとしても、それだけで家庭裁判所が変更を認めてくれるわけではなく、子供にとって本当に有益となる判断を下すため、必ず家庭裁判所調査官による家庭訪問や父母・子供との面会が行われます。
こういった調査の結果、以下のようなケースに該当する場合は申し立ての希望通りに親権者変更が認められることもありますが、基本的に家庭裁判所は一度決定した親権者を簡単に変更すべきではないという考えに基づき判断を行うため、変更が認められないケースも実際には多いでしょう。
【親権者の変更が認められやすいケース】
- 親権者がギャンブルや恋愛にのめり込み、子供の世話を放棄している
- 親権者が子供を虐待している
- 親権者が死亡した
詳しくはこちらの記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください。
配信: LEGAL MALL