監護権とは何ができる?親権との違いや監護権の内容を弁護士が解説

監護権とは何ができる?親権との違いや監護権の内容を弁護士が解説

7、監護権があるのに監護を怠ると刑事罰となることも!

監護権は、子供の親にとってその子供と日々の暮らしを共にできる権利であり、同時に義務でもあります。

そのため、監護権を有する者が子供の世話や教育を怠り、結果として子供の生命や安全が危険にさらされた場合は、刑法に定められた「保護責任者遺棄罪」で処罰されることがあるのです。

離婚後に子供の監護権を得るということは、それだけ重い責任を自分1人で背負っていくことであると言い換えることもできます。

その覚悟が本当に自分にあるのかどうか、親権・監護権の獲得を目指す前に改めて考えておきましょう。

8、監護権が獲得できない場合は面会交流の検討を!

どうしても監護権の獲得が難しそうな場合には、普段子供と離れて暮らしているほうの親が定期的に子供と会い、交流する機会を設ける「面会交流」の希望を主張するのもひとつの方法です。

これは子供の健全な成長にとって、両方の親と良好な関係を築いていくことが望ましいという考えから認められている権利で、面会交流が子供に有益である限りは、監護権者による拒否もできないようになっています。

離婚時に感情のもつれがあると、監護権者がもう一方の親に対して「なるべく子供とは会わせたくない」という気持ちを抱くこともありますが、話し合いで面会交流の頻度や時間・宿泊の有無などの条件がまとまらないときには、家庭裁判所に申し立てて調停で内容を調整していくことも可能です。

一般的には月に1回ペースで面会交流を行うケースが多く、子供との関係が良好な場合は宿泊を伴うことも珍しくありません。

これらを参考に、ぜひみなさんも定期的な面会交流を検討してみてください。

9、監護権や親権について話がまとまらないときは

ここまでご紹介してきた内容はもちろん、それ以外でも離婚時の親権・監護権について相手と話の折り合いがつかないときには、弁護士に相談を行うのがおすすめです。

弁護士=裁判というイメージがある人も多いかもしれませんが、夫婦間の話し合いの段階で1度相談しておくことで、どのように話を進めるのがベストなのか、豊富な解決事例に基づいたアドバイスを受けることができます。

よくある落としどころや交渉のコツなども押さえることができ、スムーズな問題解決を目指すことができますので、なるべく早く・有利な条件で離婚を成立させたいというみなさんは、ぜひ弁護士のところに足を運んでみましょう。

また、その際は以下の関連記事でご紹介している離婚に強い弁護士と出会うためのポイントにもあらかじめ目を通しておくと安心です。

まとめ

通常はセットで考えられている親権と監護権ですが、事情がある場合にはこれらを分けることもでき、離婚後に子供と生活を共にするのは監護権を有するほうの親になります。

そのため、どうしても子供と一緒に暮らしたいという場合には、親権の中でも特に監護権の獲得が必須です。

ただ、親権・監護権に関する話し合いが決裂して調停や裁判へと発展した場合、どうしても子供にとって不安定な状況が長引くことにもなってしまいます。

自分自身の希望はもちろん大切ですが、何より一番は子供が安心して暮らしていけることであるという基本をふまえた上で、子供の親権・監護権について今一度よく話し合ってみましょう。

監修者:萩原 達也弁護士

ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。

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