面会交流権とは?離婚後に子どもに会う頻度と場所の決め方

面会交流権とは?離婚後に子どもに会う頻度と場所の決め方

5、面会交流権の内容を決めたら離婚協議書にまとめておくべき

このように、離婚前に話合いをすることによって、無事に面会交流の条件を取り決めることができたら、その内容を「離婚協議書」内にて取り決めておきましょう。

離婚協議書とは、協議離婚をするときに、離婚条件を記載した夫婦間の契約書のような書類です。

一般的に離婚協議書内には、夫婦が離婚することや親権者、養育費、慰謝料や財産分与などの約束が書かれていることが多いのですが、面会交流についても、定めておくことができます。

離婚協議書にきちんと記載していないと、相手が離婚後に「そんな約束をした覚えはない」などと言い出して、子どもと会わせてくれない可能性があるので、きちんと書類を作成して、相手にもきっちり署名押印させておくことが大切です。

(1)文例について

文面の例としては、以下のようなものが考えられますので、参考にしてみてください。

「乙(母親)は甲(父親)に対し、甲が長男◯◯と、毎月第2日曜日、午前10時から午後8時まで、面会交流を行うことを認める。ただし、都合が悪い場合には、当事者間の協議によって日時を変更することができる。

〇〇の受け渡しについては、甲が乙の自宅に迎えに来て、甲が乙の自宅に送り届けるものとする。」

なお、詳細については、「具体的な日時、場所、方法については、子の福祉を尊重しながら当事者が協議して定める」としてもかまいません。

(2)宿泊を認める際の文例

宿泊を認める場合には、以下のような文面を入れることが考えられます。

「乙は甲に対し、長女◯◯と、以下のとおり面会交流することを認める。

月2回、第1日曜と第3日曜

毎年夏休みと冬休み、3日以上の宿泊を伴う面接

具体的な日時、場所、方法等については、当事者が子の福祉を尊重しながら協議して定める。」

(3)電話やメールによる交流を認める場合の文例

「乙は甲に対し、甲が長女〇〇と、メールや電話、FAXなどによって交流することを認める。」

また、離婚協議書を作成した場合には、公正証書を作成しておく方法もあります。

公正証書は信用性が高く、無効になりにくいので、相手が後になって反故にしにくいというメリットがあります。

ただし、金銭債権ではないため、面会交流については強制執行することはできません。

公正証書の作成方法について、詳しくは「離婚協議書を公正証書にする方法とその書き方として知っておくべき3つのこと」の記事をご参照ください。

6、面会交流の話し合いが進まない場合には調停!

面会交流は法的に認められた権利ですが、相手に理解がなく、応じてもらえないケースがあります。

その場合、家庭裁判所で「面会交流調停」を申し立てることができます。

面会交流調停をすると、裁判所の「調停委員」という人が間に入って、面会交流の話合いを続けることができます。

面会交流は、法的に認められた権利ですから、相手が拒絶しても、できるだけ認めようという方向で話が進められます。

相手に理解がない場合には、調停委員から説得してもらうこともできるので、かなり効果的です。

面会交流調停を起こすときには、相手が居住している住所地の家庭裁判所に「面会交流調停申立書」を提出します。

収入印紙1,200円分と郵便切手1,000円程度(各家庭裁判所によって異なります)が必要です。

離婚前の別居中でも離婚後であっても、子どもが20歳になるまでは、いつでも面会交流調停を申し立てることができます。

面会交流調停の利用方法について、詳しくは「面会交流調停とは?子どもと離れ離れになった親が知っておきたいこと」の記事をご参照下さい。

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