親権者を変更したい場合に知っておくべき9つのこと【弁護士が解説】

親権者を変更したい場合に知っておくべき9つのこと【弁護士が解説】

7、親権の変更を勝ち取るためのポイント

では、実際に親権変更を勝ち取るためのポイントをみていきましょう。

(1)ポイントは調停委員!調停委員にきちんと事実を伝える

調停は原則として話し合いの場ですが、どのような結果になるかは調停委員が重大な影響を及ぼします。

ですので、調停委員を味方につけておくことが重要でしょう。

味方につけるためには、「3、親権変更にあたり基準となる事情は?」で記載した内容を参考に、なぜあなたに親権を変更すべきなのかを証拠を踏まえて主張していきましょう。

(2)家庭裁判所調査官の調査に注意

家庭裁判所は親権変更を認めるかにあたり、「3、親権変更にあたり基準となる事情は?」で記載した内容を踏まえて判断します。

そして、これらの内容は家事審判調査官が家庭訪問、学校訪問、親や子どもへの意見聴取などによって調査します。

ですので、家庭裁判所調査官の調査がこちらに有利なものとなるよう、事前にしっかり準備しておきましょう。

具体的には、あなたの側に子どもが健全に成長するための養育環境が整っていることなどを伝えられるとよいでしょう。

(3)弁護士に依頼した方がいい?

親権調停は必ずしも弁護士に依頼しなくても申立てをして進めることができます。

とはいえ、親権者変更調停を起こすにあたっては弁護士に依頼した方がいいでしょうか?

弁護士に依頼することによって、弁護士の知識や経験を味方につけることができるので、その意味では心強いでしょう。

また、弁護士に依頼することで「弁護士費用をかけてまで調停にのぞむということはこの人は親権変更に真剣だ」という印象を与えることができます。

調停で有利な結果を獲得するには調停委員から好印象を勝ち取ることが重要ですので、この点も弁護士に依頼するメリットといえそうです。

もっとも、どうしても弁護士費用を捻出することが難しいという方も少なくないでしょう。

その場合でも、調停にのぞむにあたって気になる点を弁護士に相談して確認してみてください。

最近は相談だけであれば無料の法律事務所も増えているので、これらの事務所を利用するとリスクがないでしょう。

8、親権者変更調停が成立した場合

実際に調停が成立し、親権者の変更が認められた場合、以下の通り対応して下さい。

(1)親権者変更の届出

新たに親権者になった者には、戸籍法による届出義務があります。

ですので、調停が成立した日から10日以内に,市区町村の役場に親権者変更の届出をする必要があります。

(2)届出時に必要な書類

届出には,以下の書類が必要とされます。

  1. 調停調書謄本
  2. 父母それぞれの戸籍謄本

詳しくは届出をする役場にお問い合わせください。

9、親権者変更調停が不成立の場合

以上のような調停成立の場合に対して、不成立の場合はどのようになるでしょう。

(1)審判手続きに移行する!

調停は不成立として終了しますが、審判手続に移行します。

審判手続きでは、必要な審理が行われた上で結論が示されることになります。

この場合、調停調書の代わりに審判書謄本及び確定証明書が発行されることとなります。

(2)親権の変更が認められなくとも、より有利な面接交渉権を獲得しておく!

仮に親権が変更できなくとも、より有利な面接交渉権を獲得できるように相手方と話し合いましょう。

もし、相手が拒否するなら 再度調停を申し立ててもよいかもしれません。

親権者の変更に関するQ&A

Q1.一度決めた親権は変更できる?

親権者の変更はできるものの、夫婦の話し合いのみで変更できるものではありません。

Q2.親権者の変更はどのような方法でできる?

親権変更調停という手続きを利用することによって親権の変更は可能です。

Q3.親権者変更調停とは?

親権者変更調停は、離婚時に決めた親権を変更することを目的とする調停です。

法律上、離婚する際に決めた親権を変更するためには、家庭裁判所の調停・審判をしなければならないことになっています。

まとめ

今回は親権者を変更するための親権者変更調停について書いていきましたが参考になりましたでしょうか。

ご参考頂き、親権者変更を実現して頂ければ幸いです。

監修者:萩原 達也弁護士

ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。

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