地震がおきた!とっさに身を守る方法を知っておこう

地震がおきた!とっさに身を守る方法を知っておこう

地震がおきたとき、とっさに身を守ることはできるでしょうか?
大きな地震がおきるとたくさんの負傷者が出るため、病院に行っても治療が受けられないこともあります。
そのため、災害時にはできるだけ怪我をしないように気をつけることが大切ですので、地震のときにどうやって安全を確保するか前もってチェックしておきましょう。

地震がおきたとき、まず身を守るには「落ちるもの」「倒れるもの」「動くもの」「割れるもの」といった4つの危険を避ける必要があります。
自宅や会社、学校にいる場合、買い物などの外出中、電車や車での移動中など、いつ地震がおきるかはわかりませんが、どのシチュエーションでも危険となる4つの条件は共通しています。
しかし、どんなものが危険になるか、とっさに判断がつかないかもしれませんので、場所別に考えてみましょう。

自宅での行動

自宅で地震にあった場合には、まずは家具や窓から身を離し、なるべく安全な場所で頭や頸椎(首のうしろ)を守ります。

家具や電化製品は固定し、高いところには重いものや硬いものをおかないように対策をする必要がありますが、災害は想定外のことがおきるもの。非常に強いゆれがおきたときには、固定したものが倒れてきたり、飛んできたりすることもあります。また、家具を固定していても、引き出しが飛び出してくることもあります。
万が一にそなえて、ゆれを感じたら危険なものから離れ、机の下になどに移動して身を小さくしましょう。

海溝型地震という陸地から離れた海でおきる地震の場合には、大きなゆれが来るまえに小さなゆれがあったり、緊急地震速報が通知されたりするため予兆があれば安全な場所に移動します。しかし、直下型地震という地面の下でおきる地震の場合には予兆が無く、いきなり大きなゆれが襲うことがあります。
突然、震度6強以上の強烈なゆれがおきれば、床をはって移動することもできなくなりますので、安全な場所にたどりつけないときにはその場で頭と頸椎を守ります。クッションのほか、雑誌や、硬い板状のものがあれば、頭の上に10cmくらい離して浮かしてもつことで、衝撃を直接受けずに吸収できます。
もし、頭を守れるものが何もなければ、床に身体を小さく丸めて頭をなるべく体の中に引き寄せ、手で直接頸椎をおおいます。この場合には手は首から離さずぴったりとつけましょう。

寝ているとき

寝ているときに地震がおきたときには、布団にくるまりガラスなどの割れものから身を守るようにしましょう。
地震がおさまった後は明かりをつけずに床を歩かないこと。割れたものが散乱していて足を切ってしまうことがあります。足を怪我すれば歩くことが出来なくなってしまいますので、枕元にライトや底の厚いスリッパなどを、飛ばされないように用意しておくことも大切です。

料理をしているとき

キッチンには危険なものがたくさんあります。昔は「ゆれを感じたらまずは火をとめる」といわれていましたが、この方法は鍋など火にかけているものが自分にかかり火傷することがあります。お皿やコップの割れるものや、包丁などの鋭いものもあるため、出来るかぎりキッチンから遠ざかります。
震度5以上のゆれがおきると、自宅にあるガスメーターが自動でガスを止めるようになっていますので、ガスコンロの周りに燃えやすいものがなければ火災につながる心配はほとんどありません。ゆれがおさまってから火にかけているものを片付けましょう。

もし、燃えやすいものが火にかぶさって燃えた時には、消火器やエアゾール式簡易消火具(スプレータイプの消火器具)を使って消火します。
消火器などが無い場合にはタオルを濡らして火元をおおうことでも消火する方法もありますが、確実に火を消せるように消火器を用意しておきましょう。
一般的には火が天井に燃えうつった場合には消火できないため、避難を開始するといわれていますが、実際には壁やカーテンに燃えうつってしまうと一般的な消火器で消すことは難しくなりますので、自分の命を最優先に避難をおこないましょう。

トイレやお風呂にいるとき

昔の家ではトイレは柱が多いため家の中で一番安全と言われていましたが、今の建築では柱が多くあるわけではないため、部屋自体の耐震性はそれほど変わりません。ただし、落ちてくるものや倒れてくるものがないという点では安全でしょう。
しかし、トイレは大きな窓が無いため、ドアの枠がゆがむと閉じ込められてしまうというデメリットがあります。ゆれを感じたらすぐにドアを開けるようにしましょう。

お風呂も倒れてくるものや落ちてくるものが無いという点では安全ですが、何も身に着けていないため、割れたものが散乱すると負傷しやすくなります。落ちて割れるものや、重いものはお風呂場にはおかないようにしておきます。
ゆれがおきた時には滑って転ばないよう、しゃがんで浴槽のはじをつかみましょう。

ゆれがおさまった後

ゆれがおさまった後に一番けがをしやすいのは散乱した割れものです。
暗く足元が見えない中では行動せず、各部屋にライトを用意して安全を確認しながら移動します。ライトが手の届かないところにあるかもしれないので、スマートフォンを持ち歩いて明かりをつけるのもよいでしょう。
また、家のなかでは底の厚いスリッパをはくようにします。スリッパをはいていない場合には、一時的にクッションや雑誌を床に置き足をのせて、転ばないように移動します。

足元の安全が確保できたら、さらなるゆれにそなえ、家の中に閉じ込められないように部屋や玄関のドアを開けて避難経路を確保します。

外出先での行動

地震は家でおきるとは限りません。外出先で地震にあった時のことも考えておきましょう。
「落ちるもの」「倒れるもの」「動くもの」「割れるもの」といった4つの危険な条件は、家にいるときと同じです。
周りを見渡して、危険なものから離れ、鞄など身の回りにあるものを頭から10cmくらい浮かせて持ちます。ゆれが収まったら、頭上や周囲に気をつけながら避難します。

会社や学校

まずは棚や窓、照明器具から離れ、移動できれば机の下で身を小さくします。棚の数は家よりも多いため、下敷きにならないよう十分注意しましょう。
PCのモニタや本体は固定されていなければ、ゆれの勢いで横に飛んでくることがあります。また、意外な危険となるのがコピー機などの重い機器です。高い位置にあればもちろん落ちることがありますし、床にあるものもキャスターがついている場合には移動し、強い勢いでぶつかってくることがあります。

ショッピング中

スーパーをはじめお店の中には陳列棚など倒れてくるものがたくさんあります。まずは棚から離れて姿勢を低くしましょう。
このとき買い物かごがあれば頭からかぶり、頭から10cmくらい浮かせて持つようにします。

屋外にいるとき

屋外にいるときは、標識や信号機、エアコンの室外機が外れて落ちてくることがあるので頭上にも気を付けましょう。繁華街などでは、建物からガラスや看板が落ちてくることがあります。住宅街ではブロック塀や石垣に注意が必要です。
新しい自動販売機は震度6弱まで倒れないように対策されています。しかし、古いものや、ゆれの大きさによっては倒れることがあるかもしれませんので、念のため離れましょう。
ゆれが小さく歩いて移動ができるようなら、頭上や周りに注意しながら開けた場所に、無ければ新しいビルの中に移動します。

電車に乗っている場合

電車が緊急停止を行うため、ブレーキの勢いで転倒する恐れがあります。立っているときは、混んでいなければ姿勢を低く、混んでいればつり革にしっかりつかまります。座っているときには鞄を頭の上10cmくらい浮かせて持ちましょう。
また、駅にいるときには電光掲示板が落ちてくることがありますので、頭上に気を付けるようにします。

車で移動している場合

車での走行中はハザードランプを点灯して減速しながらゆっくり止まります。車は道路の左側にとめましょう。
地震がおきるとたくさんの負傷者や火災が発生します。そのため、救急車や消防車などの緊急車両がいち早く救援にむかえるよう、道路を開ける必要があります。また、災害時は道路が渋滞することが多く逃げ遅れも発生するため、自分で歩くことのできない要支援者などがいなければ、車での避難は行わず徒歩での避難が推奨されています。
また、緊急車両などが通れないときに、止まっている車を移動できるようにします。車を止めて徒歩で避難するときには、車はキーをつけたままにしてドアをロックせず、貴重品を持ちだすようにしましょう。

関連記事: