永久歯が生えてこない…考えられる二つの原因と治療方法を解説

永久歯が生えてこない…考えられる二つの原因と治療方法を解説

子どもの歯が、ここまでは順調に生え変わってきているのに、気が付くと乳歯が抜けたまま永久歯が生えてこないところがある…。大切な永久歯が生えてこないと、パパママは不安に感じますよね。そこでこの記事では、子どもの永久歯が生えてこない二つの原因と、それぞれの一般的な治療方法について解説していきます。永久歯が生えてこないのをそのままにしておくと、矯正治療が必要になることもあるので、記事の内容を参考にしながら早めに対処してあげてくださいね。

監修:伊組 公郎

永久歯が生えてこない原因①:永久歯があるのに何らかの理由で生えてこられない

永久歯が生えてこない原因として、大きく二つの理由があります。一つ目が、永久歯はあるものの、何らかの理由で生えてこられないということ。

「何らかの理由」の一つとして、「埋伏歯(まいふくし)」の状態になっていることが考えられます。埋伏歯(まいふくし)は、歯が生えるスペースがないことが原因で骨や歯茎の中に歯が埋まっている状態のことを指します。

埋伏歯(まいふくし)の治療が遅れると、近くにある永久歯が正常に成長できなくなったり、歯並びが悪くなったりすることもあります。糸切り歯と呼ばれる犬歯が埋伏歯になることが多いので、永久歯の犬歯がなかなか生えてこないときは早めに歯科医院に相談されるのがおすすめです。

治療法

何らかの理由を特定し、理由に応じた治療が行われます。埋伏歯の場合であれば、治療方は下記の通りです。

埋伏歯(まいふくし)で永久歯が生えてこないときの治療方法は、レントゲンで埋まっている歯の状態を確認した後に、矯正装置を用いて歯を歯茎の上に引っ張り出す治療が行われます。

具体的な治療方法は埋伏歯(まいふくし)の状態により変わるでしょうが、場合によっては歯茎を切開して歯を出した後に矯正治療を行う流れになることもあります。

永久歯が生えてこない原因②:歯がそもそもない(先天性欠如歯)

「先天性欠如歯」により永久歯が生えてこないというケースもあります。先天性欠如歯とは、正確には「永久歯が生えてこない」のではなく、「生える永久歯がない」状態のことを指します。

生える永久歯がないと聞くと驚く方もいるかもしれませんが、実は10人に1人の割合で先天性欠如歯があることがわかっており、決して珍しいことではないのです。

日本臨床矯正歯科医会では、先天性欠如歯の有無を確認する方法として、7歳までに歯科医院でパノラマエックス線写真を撮ることを提案しています。パノラマエックス線写真では、これから生える永久歯の数や方向などの他、口の中全体の歯や骨の状態がわかります。

先天性欠如歯がわかった場合には、状況に応じた治療を行うことになります。

先天性欠如歯の治療法

先天欠如がわかった場合には、歯科医院で治療計画をたててもらうことになります。年齢や歯の状態状態によって異なりますが、乳歯が抜けたあとに矯正によって永久歯がない部分のスペースをうめたり、あいたスペースにブリッジやインプラントなどを補ったりする治療が行われます。

歯科矯正は一般的に自費のため高額な費用が必要ですが、先天性欠如歯が6本以上ある場合には歯科矯正治療が保険適用になります。「指定自立支援医療機関(育成・更生医療)」の指定を受けている矯正歯科診療所あるいは病院での治療に限るという条件は付きますが、金額の負担を減らすことができるのはうれしいですよね。

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