「急性白血病」を疑う症状はご存知ですか?医師が解説!

「急性白血病」を疑う症状はご存知ですか?医師が解説!

急性白血病は恐ろしい病気として広く存在を知られています。血液のがんとも呼ばれ、発症してから治療せず放置するとわずか2〜3ヶ月程度で命を落としてしまうほど危険な病気です。

早期の発見・治療が命取りとなるものの、注意すべき症状は病名ほど知られていないのが現状です。

この記事では、急性白血病について原因・兆候・治療方法などを詳しく解説いたします。自分や大切な存在を守るためにも、ぜひご参考にしてください。

急性白血病とはどんな病気?

体調不良や悩みのイメージの中年男性

急性白血病とはどんな病気ですか?

急性白血病とは、血液のがんとも呼ばれ恐れられている病気です。骨髄や血液の中で細胞ががん化して増殖します。

その細胞の種類によって骨髄性とリンパ性に分類され、さらに病気の進行速度や悪性となった細胞の段階に応じて急性と慢性に分けられます。

急性白血病は急激に症状が進行するのが特徴で、あとから慢性白血病に変化することはありません。

発症後、治療をせずに放置していると、わずか2〜3ヶ月で命を落とす恐ろしい病気です。

急性白血病になる原因・兆候はありますか?

急性骨髄性白血病は、骨髄や血液の中に腫瘍細胞(白血病細胞)が現れる病気です。

骨髄は骨の中心部にあり、血液を作る役割を担う場所です。血液細胞のもととなる造血幹細胞が分化して増殖し、血液が作られる過程で骨髄芽球という未熟な血液細胞が生まれます。

この骨髄芽球の遺伝子になんらかの異変が起こり、がん化した白血病細胞が増殖することで発症します。

急性リンパ性白血病は、白血球の中のリンパ球が未熟なうちに悪性化してしまい、増殖することで発症に至る病気です。しかし、このような異変が起こる原因は未だわかっておらず、急性白血病の多くが原因不明です。

ただし、放射線被曝や抗がん剤治療の後には発症する確率が上がることがわかっています。

また遺伝性の病気ではないため、親から子へ遺伝する心配はありません。初期の頃には症状が出ないため、症状が進行する前の段階での兆候はないことがほとんどです。

急性白血病を疑う症状を教えてください。

初期の頃は特に症状が出ないことが多く、進行してから異変が現れます。主な症状は下記の通りです。

倦怠感

動悸

息切れ

肺炎

敗血症

出血傾向

倦怠感・動悸・息切れは、正常に血液が作れなくなるための貧血に伴う症状です。肺炎・敗血症などの白血球の減少による感染症に伴う症状も起こりやすくなります。

血小板の減少による出血傾向も強まるため、血が止まりにくいことで症状に気づく場合もあります。

また、下記の症状にも注意が必要です。

肝臓などの臓器の腫れ

腰痛や関節痛

頭痛

吐き気・嘔吐

これらの症状がみられた場合、白血病細胞が臓器にまで浸潤しているケースもあります。不調を感じたら速やかに医師による診断を受けることが大切です。

急性白血病の発症と年齢は関係ありますか?

急性骨髄性白血病の発症頻度は、10万人に2〜3人です。発症率は年齢が上がるにつれて増加するといわれています。

40代から徐々に発症率が上がり、60〜70代での発症がもっとも多いです。一方、急性リンパ性白血病は主に小児に発症することが多いです。

特に2〜5歳の幼児に多く、15歳未満の小児で発症するすべての白血病のうち急性リンパ性白血病が75%を占めています。

成人の場合は45歳を超えるとやや増加する傾向にあり、1年間で10万人あたりに1人の発症率とされています。

急性白血病の検査方法や治療方法とは

医療イメージ―聴診器とカルテ

急性白血病はどのような検査を行って診断するのですか?

急性骨髄性白血病では、治療方針を決定するためにも病型分類が非常に重要です。病型分類は、国際的にFAB分類・WHO分類の2種類が用いられます。

診断と治療方針を定め、病型分類の決定・臓器の異常・合併症などの有無を調べるために下記のような検査を行います。

血液検査

骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検など)

腹部超音波検査

腹部CT検査

急性リンパ性白血病では、B細胞性・T細胞性などの白血病細胞の種類や特徴的な染色体異常の有無を調べます。

病状の見通しをたて、適切な治療方法などを判定するため重要です。

そのために下記のような検査を行います。

理学的所見・問診

血液検査

骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)

リンパ節・肝臓・脾臓の腫脹がないかや感染の徴候や出血症状がないかなど、全身の診察で健康状態を調べる必要があります。また、血液の状態・臓器の異常の有無などを血液検査で判定することが可能です。

骨髄検査は診断のために必須の検査で、骨髄液を採取して行います。採取した骨髄液はさまざまな検査に用いることで正確な診断につながるため、とても重要です。

検査にかかる時間や治療開始までの期間を教えてください。

急性白血病は進行が早く早急な対処が必要とされるため、診断されればすぐに治療が開始されます。

本格的な治療方針は、血液検査など以外に骨髄検査も受けて結果が出てから決まります。

急性白血病の診断に欠かせない骨髄検査は、健康体の場合にはあまり経験することのない検査です。胸骨または腰の骨である腸骨に細い針を刺すことで、骨髄液を数ミリリットル吸引します。

検査自体に入院の必要はなく通常10〜15分程度で完了し、検査後は20〜30分程度は安静にする時間が必要です。止血を確認すれば徒歩での帰宅が可能です。

骨髄穿刺は2〜3日、骨髄生検は1〜2週間程度で結果が出ます。

急性白血病はどんな治療をするのですか?

急性骨髄性白血病の治療では白血病細胞の根絶が最終的な目標です。強力な化学療法の繰り返しが基本ですが、全身状態・年齢・合併症の有無・患者様の希望を考慮します。

主に下記のような治療法があります。

化学療法

造血幹細胞移植

支持療法

急性リンパ性白血病の場合、化学療法と造血幹細胞移植が主な治療法です。

化学療法

イマチニブ療法

同種造血幹細胞移植

支持療法

さらに、寛解導入療法・寛解後療法に分類されます。寛解導入療法には通常1ヶ月程度の治療期間が必要です。

寛解状態になることで、寛解後療法に移行します。寛解後療法は通常1〜2年程度行って終了となります。

化学療法は主に抗がん剤を用いた治療法で、もっともポピュラーです。しかしそれぞれの病状や希望を考慮し、検査結果をもとに医師と相談しながら最適な治療法の選択を行うことが大切です。

治療にはどのくらい期間がかかりますか?完治するのかも知りたいです。

治療の期間によって多少異なるものの、入院を必要とする治療が8〜12ヶ月程度です。状況によって外泊や一時的に退院して自宅で過ごすことも可能です。

入院治療後も1年〜1年半程度は飲み薬による治療を続け、定期的な通院が必要になります。

なお、寛解導入療法は1週間〜10日程度の抗がん剤治療で完全寛解を目指します。

3週間程度で完全寛解となることが多いものの、完全寛解に至らない場合には繰り返しの治療が必要です。その後は寛解後療法に移行し、抗がん剤を用います。

地固め療法・維持療法・強化療法などもこれに該当する治療法です。

治療法・スケジュールには個人差があり、抗がん剤の投与期間も1〜5年と大きな個人差があります。

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