【プロが解説】和室のレイアウト全10パターン!リビング隣接の和室のレイアウトのポイントも解説

【プロが解説】和室のレイアウト全10パターン!リビング隣接の和室のレイアウトのポイントも解説

※本記事の家具・コーディネートなどの画像を確認したい場合は、Hello Interiorホームページにてご確認ください。

近年はリビングなどはフローリングにしている物件が大多数ですが、一室だけは畳張りなどの和室にしているケースはまだまだ多いです。やはり、和室は日本人にとって安らぎの空間であり、今も変わらず人気があることが伺えます。

しかし、そんな和室をどう使いこなせばよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。リビングやダイニングなど用途が決まっているお部屋とは違い、和室は用途が絞られていないからこそ悩みの種になりやすいです。でも、見方を変えると和室は用途を自分たちのライフスタイルに合わせて決められる自由度の高いお部屋ともいえます。

そこで、今回は和室のレイアウトを決めるポイントと題して、用途に合わせた使いやすいレイアウトをご紹介します。マンションに多いリビング隣接の和室のレイアウトのポイントも解説しますので、合わせてチェックしてみて下さい。

用途に合った和室のレイアウトを知って、和室をより快適に活用しましょう!

和室のレイアウトを決めるときに考えるポイント

和室のレイアウトを決める際、お部屋の用途や配置によって注意すべきポイントが異なります。今回は和室の用途として多い「客間」と「寝室」、和室の配置の中でもレイアウトに悩みやすい「リビングと隣接した和室」の3パターンについて、レイアウトを決める際に気をつけたいポイントをご紹介します。

客間として利用するなら最小限のインテリアで余白を残す

日本人ならではの美意識である「詫び寂び」。私たちの心理には、閑寂の中に奥深さを感じる・余白の美を大事にする価値観が根付いているので、特に和室では詫び寂びを意識して、余白を残すレイアウトを心がけるとお部屋がワンランク上の印象になります。

和室を客間として利用する場合は、お部屋に置くものを絞って余白のある空間を作りましょう。応接間として利用するなら座卓と座布団の応接セットのみ、来客の宿泊などに利用するならあえて何も置かないのも良いですね。できるだけ床を空けて、スッキリとしたレイアウトを組みましょう。

収納などを置く場合は、他のお部屋以上に家具の背の高さに注意が必要です。床座で過ごすことが多い和室では椅子に座った時よりも家具の高さ・圧迫感を感じやすくなります。できる限り家具は置かない・置く場合は背の低いものを選ぶことで、空間の広がりも感じられて開放感が出ます。

寝室として利用するならベッドの向きと位置に注意

和室という限られたスペースの中にベッドを置く場合は「ベッドの足元を出入口側に」・「できるだけ窓辺と押し入れ近くは避ける」の2点に注意すると快適に過ごせます。布団の場合も同様ですが、特にベッドの場合は一度置いたらなかなか動かすことはないので、レイアウトを考える段階でこの2つを意識しておくことが重要です。

まず「ベッドの足元を出入口側に」ですが、もし枕元を出入り口のそばにしてしまうと他の人が出入りするときの物音や振動、廊下の光や冷気などで眠りが妨げられやすくなります。足元を出入口側にした方が落ち着いて眠れます。

そして「できるだけ窓辺と押し入れ近くは避ける」ですが、窓の近くは冷気が侵入しやすく快適な睡眠環境が損なわれやすくなります。また、押し入れの近くは物の出し入れがしづらくなりますし、ベッドによって換気が妨げられるとカビの原因にもなります。睡眠の質向上や健康のためにも窓や押し入れからは離れた位置にベッドを置くようにしましょう。

また、ベッドなどの重量物を置く場合はラグを敷くかどうかも大切なポイントです。ラグを敷くことで家具の重さによる凹みを軽減してくれる効果があります。畳のダメージ防止に加えて、和の印象を抑えて洋風や北欧風など他のテイストをプラスしたり、お部屋のゾーニングにも効果的です。

リビング隣接の和室は特に調和を重視。動線の確保も重要

マンションに多いリビング隣接の和室ですが、意外とレイアウトやコーディネートが難しく、野暮ったい印象になることが多いです。

リビング隣接の和室がおしゃれに見えない原因の一つに「周りとの調和に欠ける」があります。畳敷きなのに窓には洋風なカーテン、歴史を感じる落ち着いた内装に最新ピカピカのインテリアなど、アンバランスな部分が目立つと違和感が感じられたり垢ぬけない印象になります。

和室単体でインテリアやレイアウトを考えてしまうとリビングとのバランスがとれず、おしゃれな仕上がりにはなりません。和室に合わせて、リビングのソファはロータイプにする・デザインやカラーに和の要素を取り入れるなど、和室のインテリアとの調和を意識しましょう。

反対に、和室をモダンな印象にしてリビングのテイストに寄せるのもありです。ロータイプのテーブルセットを置く、カーテンではなく和紙のプリーツスクリーンにする、家具は現代的でスタイリッシュなデザインを選ぶなど、和洋折衷な雰囲気にすれば浮くことなくおしゃれな和室が実現します。

さらに和の雰囲気を押さえたい場合は、ラグを敷いて畳を目立たなくするのも有効です。ラグを敷くことでリビングとは別の空間としてゾーニングすることもできるので、それぞれのインテリアのテイスト変えたい場合にも良いですね。

また、動線の確保も調和を生み出す上で欠かせません。リビングと和室を行き来する動線を妨げてしまうと、視覚的にも心理的にもリビングと和室が引き離されてしまいつながりを感じられなくなります。和室の入り口部分はしっかりと空けておき、リビングとのつながりを感じられるようにしましょう。

用途別おしゃれで機能的な和室レイアウト全10パターン

和室レイアウト 客間編 4パターン

シンプルレイアウトも北欧ミックスでおしゃれに

北欧風デザインの座卓をお部屋中央に置いたシンプルレイアウトです。ナチュラルで自然のあたたかみが感じられる北欧風インテリアは和室との相性が抜群です。小さめのアートや雑貨で北欧のエッセンスをプラスすれば、和の雰囲気を感じさせる余白を残しつつ、コーディネートのバランスが良くなります。

背の高い家具=死角で圧迫感軽減

アンティークデザインの片肘ソファを中心としたレトロな雰囲気漂う和室です。背の高い棚は入口から死角になる位置・寝椅子に座った時に視界に入らない位置に置くことで、圧迫感を最小限に抑えています。

コの字配置でロビーのような談笑スペースに

3台のソファをコの字に並べた、人が集まれるくつろぎスペースです。あえてお部屋の形に合わせず斜めの配置にすることで、意外性や個性を感じさせます。また、お部屋の対角線を向く形になるので、実際よりもお部屋が広く見える効果もあります。

ソファはアームレスなロータイプを選ぶことで、座椅子のような雰囲気が感じられ和の空間にぴったり。座面が広いタイプなのでゆったりと過ごせます。和洋折衷を体現したかのような和紙の照明とシャンデリアの組み合わせは遊び心を感じさせます。

広縁も含めて空間を広く活用

和室には座卓、広縁にはチェアスペースを置いて、空間を広く使っています。どちらも曲線を感じさせるデザインのインテリアを選ぶことで一体感が感じられます。チェアスペースへの動線が気になる場合はサイドテーブルを撤去する、もしくはチェアを斜めに置いて出入りしやすくと良いでしょう。

和室レイアウト 寝室編 3パターン

手前を空けて窮屈感を減少させる

狭い和室では奥にベッドや布団、手前にテーブルなどちょっとしたスペースを置くと、空間を無駄なく使えます。家具は壁付けにして、手前の床を空けることで窮屈な印象を軽減してくれます。インテリアは背の低いものに絞って、少しでも空間を広く見せましょう。

床の間に家具を入れて動線を広く取る

ベッドとテーブルセットで和モダンな雰囲気になっています。ベッドの足元側を大きく空けることで動線を確保しつつ、お部屋に開放感が生まれます。テレビボードなどの家具は通路となる畳の上ではなく、奥まった床の間部分に入れ込むことで存在感を減らし、よりスッキリとした印象になります。

左右対称でワンランク上の印象に

シンメトリーにベッドを配置することで格調高く感じられる寝室です。シンメトリーは安定感や調和・権威を感じさせる配置なので、上品さや安心感を感じさせます。しかし、これらのメリットとは反対に単調な印象になってしまうリスクもあります。ベッドサイドに照明を置いて視線をずらしたり、濃い色のベッドスローで印象を引き締めることで単調な印象を回避しましょう。

和室レイアウト リビング続きの和室編 3パターン

回遊動線を意識して人が集まれる空間に

座卓を和室の中央に置いた定番のレイアウトです。回遊動線が確保されているのでお部屋への出入りがしやすく、複数人で過ごしてもストレスがありません。圧迫感が気になる場合は、奥のシェルフをロータイプにしましょう。

床を大きく空けて自由に使えるスペースに

小上がりに備え付けのカウンターのみを設置したシンプルなレイアウトです。床を大きく空けることで開放感が感じられ、運動や昼寝など自由に使えるスペースとなっています。クッションに籐、プリーツスクリーンに和紙など、自然を感じられる素材を使用して、リラックスできる空間に仕上げています。

吊り押し入れ下を活用してモダンな空間に

畳の上にはビーズクッションのみを置きシンプルにまとめています。反対に、アクセントクロスを入れた吊り押し入れの下部にはラックを置き、ディスプレイスペースにしていてメリハリが感じられます。ナチュラルな印象の和モダンスタイルに、アクセントカラーとなる北欧アイテムをプラスして、ぐっとおしゃれに見せています。

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