「致死性不整脈」の前兆となる4つの症状はご存知ですか?

「致死性不整脈」の前兆となる4つの症状はご存知ですか?

日本人の死因として多いものに何があるかご存じでしょうか?2021年時点での厚生労働省による人口動態統計の結果によって、上位3つの死因が明らかになりました。

・悪性新生物
・心疾患
・老衰

悪性新生物と心疾患は今までの人口動態統計でも上位に留まり続けています。

悪性新生物はいわゆる「がん」であり、心疾患は不整脈や心臓病などのあらゆる心臓の病気のことです。

今回はその中の不整脈、特に致死性不整脈について解説していきます。病気を予防するためにはまずその病気のことを知ることが大切です。

原因や兆しなどについても触れていくので今後の疾病予防に役立ててください。

致死性不整脈の症状や種類

聴診器とハート

致死性不整脈とはどのような病気ですか?

まず不整脈がなんであるかについて知っておきましょう。不整脈の特徴としては以下の3つが挙げられます。

拍動の乱れ

脈が異常に速い(頻脈)

脈が異常に遅い(徐脈)

拍動というのは心臓が拡張したり収縮したりすることで刻む一定のリズムのことです。こういった拍動や脈の異常が起こることを不整脈といいます。すべての不整脈が死に至るわけではなく、中には日常生活に支障をきたさない程度の軽いものもあり様々です。では死にいたるほどの不整脈とはどのようなものなのかが気になるところではないでしょうか。それは「心室細動」と呼ばれる不整脈であり、これを致死性不整脈といいます。

心室細動が主な原因となりますが、致死性不整脈を発症するとすぐに意識消失が起きます。全身のチアノーゼを生じ、呼吸停止がみられるために緊急性が高い状態であります。心室細動の原因は、40歳以上の中年~老年の方であれば急性心筋梗塞が最も多いです。

一方で、40歳未満の方の心室細動の原因では、肥大型心筋症・拡張型心筋症などの心筋症が多くみられます。この次に多い原因としては、ブルガタ症候群です。これは、20〜40歳のアジア人の男性に特に多い遺伝性のある疾患です。心電図では特徴的な波形(ブルガダ心電図)であり、健康診断で指摘されることがあります。ブルガタ症候群の中で、心室細動になる方はおよそ1,000人に1人くらいといわれていますが、心室細動の発作は夜間や発熱時などに突然起こるので注意が必要であります。

主な致死性不整脈の症状を教えてください

致死性不整脈の主な症状としては以下のようなものがあります。

頻脈

痙攣

意識喪失

このような症状が出てくると死に直結します。

ただし、周囲の人間が異変に気付き速やかに適切な処置を施すことによって一命をとりとめる可能性もゼロではありません。

どのような種類があるのでしょうか?

まず、不整脈は以下の3つに分類されます。

頻脈性不整脈

徐脈性不整脈

期外収縮不整脈

この中の頻脈性不整脈に含まれる心室頻拍や心室細動が致死性不整脈です。心室は心臓の動きを担っている心臓の核ともいうべき場所で、この心室が異常をきたして痙攣を起こすことで心室頻拍や心室細動といった致死性不整脈が起こります。

原因となる病気はあるのでしょうか?

急性心筋梗塞や先天性の心臓病など、ほとんどの場合が心疾患が引き金になっています。特に高齢者の人に心疾患は多くみられ、心不全や心筋梗塞などの患者さんが多いです。

急性心筋梗塞は時間がたつにつれて症状が悪化し、心筋の壊死が広がってしまいます。そのため、迅速な診断と処置が必要になってくるのです。

年齢によっても違いがあるのですね。

前述したように致死性不整脈は頻脈性不整脈に分類されます。そしてこの頻脈性不整脈は加齢とともに発症リスクが高まるのです。

理由は高齢による高血圧や弁膜症の増加にあります。これらにより高齢者の心不全が増加し、それに比例するように頻脈性不整脈も増えていくのです。

高齢者の心不全の厄介なところは心臓移植などがおこなえず、根本的な治療ができないというところです。そのため、心不全は高齢者にとって最も気を付けなければならない病気であるとされています。

致死性不整脈の兆し

胸を押さえる男性

致死性不整脈には兆しがあるのでしょうか?

致死性不整脈の兆しとして以下のようなものがあります。

動悸

息切れ

失神

めまい

今まで上記のような症状がなかったという場合は要注意です。

もともと心不全などの心臓の病気を持っていて、定期的に心電図などの検査を受けているという人は速やかに担当医に伝えるようにしましょう。

どのような症状が出れば相談すればいいでしょうか?

前述したように心不全などの心臓の病気で通院している人は常に検査結果や体調などに自分自身でも気を付けていなければなりません。日常生活を送る中での拍動や脈の速さなどに少しでも違和感があればその時点でかかりつけの医師に相談をしましょう。

「わざわざ病院に行って何もなかったら」と二の足を踏むよりも、「何もないことを確認するために行く」という気持ちで病院への一歩を踏み出すことが大切です。

家族はどのように対応すればいいでしょうか?

心不全などで不整脈の既往歴のある人は喫煙などの生活習慣や風邪薬などの薬類、アルコールなどの嗜好によって悪化し、致死性不整脈を起こす場合があります。本人がそういった悪化の要素に気を付けるのはもちろんのこと、家族や周囲の人間もそういった要素に気を配っておくことが大切です。

また、突然致死性不整脈を起こして意識消失といった事態に備えて、AED(自動体外式除細動器)の使い方を理解しておくと救急車が来るまでに迅速な応急措置を施せます。

このような備えによって施した処置により一命をとりとめることもあるため、普段から不測の事態に備えておきましょう。

治療法はありますか?

致死性不整脈の治療法には以下のようなものがあります。

カテーテル心筋焼灼術

植え込み型除細動器

ペースメーカー

薬物療法

上から説明していくと、まずカテーテル心筋焼灼術はカテーテルアブレーションとも呼ばれ、心臓の異常部位に焼灼用のカテーテルで高周波電流を流すことで正常な動きに戻す方法です。植え込み式型除細動器は体内に植え込み手術を施した除細動器が心臓の異常を感知し、その重症度に応じて刺激や電気ショックを与えることで不整脈を抑えます。ペースメーカーも除細動器と同じく体内に植え込み、電気刺激を与えることで心臓の動きを整える方法です。

最後に薬物療法ですが、薬物療法に用いられる薬は以下の4種類です。

抗不整脈薬(不整脈を停止させる)

ベータ遮断薬(心拍数を低下させる)

カルシウム拮抗薬(脈拍数を低下させる)

抗凝固薬(心筋梗塞などの原因となる血栓形成を抑える)

これらの薬を治療の目的に合わせて使用することで不整脈の治療をおこないます。このように致死性不整脈の治療方法には様々なものがあり、症状などに応じて適切な方法を選ぶことが大切です。

致死性不整脈の予防治療としては、植込み型除細動器(ICD)が優先されます。植込み型除細動器は心室細動を1回でも生じたかた、あるいは危険性が高いと判断された患者さんに予防的に植込みます。ICDにより突然死を回避する確率は高まりますが、心室細動の発生を完全に予防することはできません。一方で、心室頻拍に対しては、抗不整脈薬による薬物療法やアブレーション治療が行われることがありますが、持続性の心室頻拍がある場合にも、ICDによる治療が優先されます。

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