血液がサラサラになる薬の服用中に「内視鏡検査」は受けられますか?

血液がサラサラになる薬の服用中に「内視鏡検査」は受けられますか?

出血を伴う手術の場合、抗血栓薬の服用が問題になります。血液がサラサラであるほど、止血しにくいからです。では、内視鏡検査ならどうなのでしょうか。「見て検査するだけ」なので、抗血栓薬の服用を問わないのでしょうか。今回は、この疑問に「たけうち内科クリニック」の竹内先生が回答します。

内視鏡検査と抗血栓薬の関係

内視鏡検査と抗血栓薬の関係

編集部

血液がサラサラになる薬を飲んでいると、外科手術を受けられないと聞きました。

竹内先生

はい。その理由は、出血が止まりにくくなるからです。今回の主題である内視鏡検査ですが、通常であれば、検査中に出血はしません。問題はポリープなどが見つかったときで、大きさによっては内視鏡で切除することができるのですが、このとき血液がサラサラになる薬、つまり抗血栓薬を飲んでいると出血リスクが高まります。

編集部

つまり、内視鏡検査も受けられないということですか?

竹内先生

胃腸内視鏡と大腸内視鏡で違ってきますね。胃のポリープは“良性のまま”でいることが多いので、めったに切除しません。したがって、胃腸内視鏡検査で抗血栓薬の服用を止めるケースも、ほとんどないでしょう。例外は、「擦れて出血しているようなポリープ」や「悪性が疑われるポリープ」です。これらが事前にわかっていて内視鏡で切除する場合は、抗血栓薬を飲まずに施術することもあります。

編集部

他方の大腸内視鏡検査は、事情が違うのですね?

竹内先生

大腸のポリープはがんになりやすいので、見つけたら切除することが多いでしょう。しかし、「大腸ポリープがあるのかどうか」は事前にわかりにくいです。大腸ポリープがないかもしれないのに抗血栓薬の服用を止めるかどうかは、担当する医師によって考えが分かれるところだと思います。

編集部

異常のないことを前提にしているのですね。もし、抗血栓薬を飲んで検査して、大腸ポリープを発見した場合は?

竹内先生

その場では切除しません。二度手間になるかもしれませんが、後日、薬の服用をやめた状態で内視鏡を挿入して、改めて切除します。「抗血栓薬を飲んで検査する派」の医師は、この手間を必ず説明して、確認をとると思います。どちらかというと、この進め方が現在の主流という印象です。抗血栓薬の必要な人が例え一時的にでも服用をやめると、むしろ脳梗塞や心筋梗塞のリスクを上昇させます。

編集部

ほかにも、内視鏡検査と抗血栓薬の関係で知っておきたいことがあればお願いします。

竹内先生

処方されている抗血栓薬の数によって、内視鏡検査の進め方が変わるかもしれないことでしょうか。単剤で処方されている場合、飲んでいても内視鏡で組織を採取するくらいのことはできます。一方、2剤以上の抗血栓薬を処方されている場合はケース・バイ・ケースですね。内視鏡検査の目的や病変の状態によって異なります。

血糖の薬の方が服用を中止するケースは多い

血糖の薬の方が服用を中止するケースは多い

編集部

医師から受けている薬の処方は、抗血栓薬に限らないですよね?

竹内先生

そうですね。内視鏡検査で問題となるのは、血糖を下げる薬でしょうか。内視鏡は空腹の状態で挿入しますので、いわゆる「食後の高血糖状態」が起きません。であれば、血糖を下げる薬は当日に限り“不要”なのですが、これも医師によって判断が変わると思います。

編集部

高血糖が起きないのに薬を飲むと、胃カメラに影響が出るのですか?

竹内先生

薬を飲んだことによる「低血糖状態」が懸念されます。低血糖状態では、意識障害やけいれんなどが起きかねないのです。場合によっては、死亡リスクすらあります。加えて、麻酔をして検査をしていますので、なんの影響がどこに出ているのか把握しにくくなってしまいます。血糖を下げる薬に限って言えば、医師と相談のうえ“飲まずに検査する”ことの方が多いでしょう。

編集部

なるほど。処方を受けている薬がある場合は、事前に申告しておくべきですね。

竹内先生

はい。もしくは、事前の診察時に「お薬手帳」をご持参ください。ただし、「お薬手帳」には市販薬が反映されていないかもしれません。市販薬を常用されている場合は、念のために、その報告もしておきましょう。

編集部

実際に服用を止めるかどうかは、そのときに判断するということですね。

竹内先生

はい。一般的には、薬を飲んだまま内視鏡検査をするケースの方が多いでしょう。患者さんが“良かれ”と思って自発的に服用を止めることは、ぜひとも控えていただきたいですね。そもそも、必要があるから薬を処方しているのであって、中止するかどうかは医師の判断に委ねるようお願いします。

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