食料品の値上げラッシュがじわりと家計を圧迫、ちょっとした工夫で家計をスリムに?

食料品の値上げラッシュがじわりと家計を圧迫、ちょっとした工夫で家計をスリムに?

 

製造コストや物流コストの上昇により、モノの「値上げ」ラッシュが続いています。食品についても、2022年に入ってから、加工食品や調味料をはじめとする多くの商品の価格が上がり、秋以降には冷凍食品や飲料などまで拡がる予定です。総務省の統計では、家計における食費の支出割合は4分の1を占め、年間ではかなり家計を圧迫する金額になります。仕事や育児に忙しい人でも、できるだけ手間をかけずに食費を節約する工夫を紹介します。

 

食品はどのくらい値上がりしているの?

 

民間調査会社が2022年6月末に発表した、主要食品の価格改定動向調査によると、すでに値上げした約6千品目に加え、7月以降約9千品目の値上げ(再値上げ含む)が予定されています。この1年間で累計1万5000品目以上の値上げで、値上げ率は平均13%となる見込みです。再値上げ・再々値上げの動きが進んでいるため、さらに値上げ品目が増加拡大し、年間累計2万品目に達する可能性もあります。

<参考:「特別企画:「食品主要105社」価格改定動向調査(7月)」(株式会社帝国データバンク)>

 

単純計算をすると、これまでの食費が月あたり5万円とすると、月々6,500円増となり、食品の値上げがじわりと家計を圧迫することがわかります。

 

まずは、食費と食品の「見える化」から

 

食費の節約には、食費の状況と食品の在庫を確認できるようにしておくことが大切です。まずは、家計簿のチェックや冷蔵庫や食品庫の整理からはじめましょう。

 

■家計簿でチェック

①現状を把握…食生活を見直して減らせるものを洗い出し

例)総菜の購入頻度を減らす、嗜好品や酒類などの上限額を決めるなど

②費目ごとの月々の予算づくり

③予算の達成状況を確認…家計簿アプリの活用などにより手間を省きつつ「見える化」できます。日々心がけた結果が数字に表れると、ヤル気もアップします。

 

■冷蔵庫や食品庫・パントリーの整理

・食品を種類別に定位置を決め、在庫がすぐに確認できるように整理します。

・冷蔵室や奥行きのある食品庫には、細長い透明のトレーが便利です。定位置がわかりやすく、奥にあるものも取り出しやすくなります。入れたい物と置きたい場所をあらかじめ採寸してから揃えます。

・一度にやると、かなり大仕事になるので、1日1か所からでもはじめてみましょう。

 

食費を節約する3つのポイント

 

食費の節約は、購入を控えるというよりも、ムダを減らすことが大切です。国内の年間食品ロス522万トンのうち、家庭系の食品ロスは247万トンと言われています。一人ひとりが社会問題として意識するとともに、ムダ減らすことにより節約に繋げたいものです。

(出典:農林水産省および環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)」)

 

食品の節約で実践すべきポイントは、次の3つです。

ムダな買い物や買いすぎを減らす
メニューを工夫し、できるだけ安い価格で購入
食材を使い切って食品ロスを減らす

 

それぞれの具体的な取り組み例を紹介します。

 

実践!! 手間をかけずに節約を心がけよう

 

1.ムダな買い物や買いすぎを減らす

あらかじめ買うものを決めておき短時間で済ませます。買う食材をホワイトボード等にメモしておき外出前に撮影する方法や、冷蔵庫の中をスマホで撮影しておく方法も効果的です。

また、冷蔵庫の食材管理アプリには、消費期限が管理できるものやメニューの提案をしてくれるものもあり便利です。

 

特大サイズは割安ですが、使わずに賞味期限切れとなっては本末転倒です。使い切れる量を購入しましょう。毎日調理できない場合には、カット野菜やミールキット取り入れると、食材を無駄にせず調理の手間が省けますし、市販の弁当や総菜では不足しがちな野菜類もしっかり摂れます。

 

2.メニューを工夫し、できるだけ安い価格で購入

【提案1】旬の食材を取り入れる。

旬の食材は、美味しく栄養価が高いものが安く手に入り、季節感も楽しめます。普段のメニューの具材を旬の野菜にするだけでも十分です。

 

【提案2】価格が安定している食材へのスイッチ

たとえば、値上げが著しいパンから価格が安定している米へのスイッチも選択肢です。

 

【提案3】複数のスーパーや食料品店の価格をチェックする。

すべての食品の価格を比較して購入するのは、現実的ではありませんが、食用油や調味料など長期保存できるものは、在庫に余裕があるうちに複数の店舗で価格を確認し、できるだけ底値で購入します。ちらしアプリやネットスーパーを活用すれば、すきま時間に近隣スーパーの特売日などがチェックできます。

 

【提案4】スーパーのプライベートブランド(PB)商品を利用する。

PB商品は、大規模小売店ならではのデータに基づく生産計画やスケールメリットを活かした原材料の調達などにより値上げが最低限に抑えられています。

 

3.食材を使い切って食品ロスを減らす

【提案1】使いまわしのできる食材を選び、食材を使い切る。

同じ食材でも、料理のジャンルが変わると飽きずに食べられます。レシピサイトなども活用して、最後まで使い切るようにしましょう。

 

【提案2】調理用ソースやドレッシング類は、お気に入りの定番に絞り込む。

スパイスやハーブ、オイル、酸味(レモン果汁、リンゴ酢、黒酢など)などを加えればアレンジ可能で、さまざまな味の変化が楽しめます。

 

【提案3】ひと手間加えて美味しく冷凍する。

冷凍した食品を美味しく食べるには、新鮮なうちに手を加えてから保存するのがポイントです。調理の際は、肉はあらかじめ解凍する必要がありますが、野菜やきのこ類は冷凍のまま加熱調理が可能です。副菜や飾りに少しだけ使うことの多い野菜(ごぼう、レンコン、ブロッコリーなど)は、市販の冷凍野菜を活用するのもお手軽です。

 

【提案4】週末は食材在庫一掃ディナーでパーティー気分を。

冷蔵庫の消費期限が迫っている食材や中途半端に残っているウインナーや冷凍コロッケなども大皿に色々盛り付けると、ちょっとしたパーティー気分を演出できます。

 

まとめ

 

食費と食品を「見える化」して、ちょっとした工夫を日々重ねることで、食費の節約が可能です。また、食生活を見直すことで、健康増進や子どもの食育のきっかけにもつながります。冷蔵庫・食品庫のルールや買い物ルールは家族で共有し、楽しみながら取り組みましょう。この記事で紹介した以外にもさまざまな節約方法がありますので、それぞれの家庭に合った方法を見つけてください。

 

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