3、実刑判決とは?
執行猶予付き判決と対比されるのが実刑判決です。執行猶予付き判決と実刑判決はどう違うのでしょうか?
(1)実際に刑罰が科せられる判決
実刑判決とは、執行猶予が付与されず、有罪判決の後で直ちに刑罰が執行される判決です。
懲役の実刑判決が確定した場合には、すぐに刑務所で服役しなければなりません。
判決によっては年単位で刑務所に入る必要があり、社会からは隔絶されてしまいます。
(2)実刑判決と執行猶予付き判決の違い
実刑判決と執行猶予付き判決の違いは、すぐに刑務所に入るか否かという点です。
実刑判決であれば確実に刑に服さなければなりません。執行猶予が付けば、ひとまず自由になり、猶予期間を何事もなく満了すれば刑務所に収監されずにすみます。
同じ有罪判決であっても、実刑判決と執行猶予付き判決には大きな違いがあるのです。
4、執行猶予を獲得するためにやるべきこと
ここまでで、同じ有罪判決でも、執行猶予付き判決と実刑判決は大きく異なることがご理解いただけたのではないでしょうか。
執行猶予付き判決を獲得するためには、裁判官から「執行猶予を付けるにふさわしい」と判断されなければなりません。
本章では、執行猶予を付けるためにやるべきことを解説します。
(1)真摯に反省している態度を示す
反省の態度を裁判官にアピールしてください。反省が伝われば、裁判官が「刑務所に入らずに更正できる」と考える可能性が高まります。
方法としては、
反省文を書いて証拠として提出する。
法廷において反省の態度を示す。
弁護士会や慈善団体に贖罪寄付をする。
といったものなどがあります。
(2)被害者と示談する
被害者がいる犯罪では、被害者との示談が非常に重要です。裁判官が刑罰を決定するにあたって被害者の感情は重視されていると考えられます。
とはいえ、示談交渉は簡単ではありません。
加害者やその家族が直接被害者に接触して示談を進めるのは困難であり、脅迫による証拠隠滅を疑われるおそれもあるためオススメしません。
被害者との示談を考えている場合には、早めに弁護士に依頼して交渉を任せましょう。
(3)身元引受人(指導・監督者)を確保する
家族などの身元引受人を用意するのも大切です。加害者の生活を監督し、再犯を防ぐ存在がいれば、裁判官としても執行猶予付き判決を出しやすくなります。
親族に身元引受人になってもらうのが難しければ、勤務先の上司などに監督してもらうのもひとつの方法です。
(4)犯罪を行う原因となるものを断つ
裁判官に、再犯の可能性が高いと思われてはいけません。そこで、犯罪を行ってしまう原因となるものを断つ努力をする必要があります。たとえば、酒や薬物に対する依存症が犯罪に深く結びついている場合は、医師の診断を受けたり、自助グループに参加したりするなどの方法などが考えられます。
配信: LEGAL MALL