「前立腺がん」は「疲労感・喉の痛み」といった症状が現れるの?医師が監修!

「前立腺がん」は「疲労感・喉の痛み」といった症状が現れるの?医師が監修!

前立腺がんは2018年には92,021人が日本で新たに診断され、男性では胃がんを上回り、患者数が最も多いがんです。
といわれています。

日本の高齢化、食事の欧米化、検査技術の発達により前立腺癌と診断される患者数は増加傾向です。

日本に限らず全世界でも罹患率の高いがんとなっているため、男性にとっては気になる病気といえるでしょう。

そこで、今回は前立腺がんの兆候や症状・治療方法などの質問にお答えしていきます。再発の可能性についても解説しているので、参考にしてください。

前立腺がんとはどんな病気?

最近よく耳にする前立腺がんとはどんな病気ですか?

前立腺がんは男性だけにある前立腺という臓器に発症するがんです。

膀胱の出口近く、恥骨の裏側にある栗の実のような形をしているのが前立腺で、中には尿道が通っています。この前立腺の細胞ががん化して繁殖する病気が前立腺がんです。

比較的ゆっくりと進行するがんで、中高年・特に高齢者の発症が多い傾向にあります。

前立腺がんにみられる兆候や症状を教えてください。

初期の前立腺がん自体にはほとんど自覚症状が無いのが特徴です。初期の前立腺がん自体にはほとんど自覚症状が無いのが特徴です。

多くの方は健康診断や人間ドックの採血でPSAという前立腺癌の腫瘍マーカーが高値のため、精密検査(組織診断)を受けて診断されます。

ただし、すでに転移を生じているような進行前立腺癌の場合は、血尿や尿勢低下、頻尿、腰痛や下肢の麻痺・しびれ(骨転移による痛みやしびれ)などの症状がでることがあります。

進行前立腺癌になってしまいますと、根治治療が難しくなってしまうため、早期発見のため早めにPSA採血を受けておくことが重要です。早期に発見(診断)できれば十分に完治を目指せる癌です。

前立腺がんは何が原因で発症するのでしょうか?

前立腺がんの原因ははっきりと解明されていないのが実情です。遺伝的なもの・食生活・喫煙・肥満そして高齢ということも原因の1つではないかといわれています。

特に遺伝という点では近親者に前立腺がんの罹患者がいる場合、罹患率は2倍から5倍といわれ、比較的若い年齢で診断される特徴があるため、家族に罹患者がいる場合には推奨年齢よりも早くPSA検査を行うことが望ましいでしょう。

この他にも男性ホルモン(アンドロゲン)が罹患率に関わっていることもわかってきています。

前立腺がんになりやすい人の特徴はありますか?

一概にはいえないのですが、次のような人は前立腺がんになりやすいのではといわれています。

60歳以上の高齢者

運動をほとんどしない人

肥満がある人

食生活の欧米化

家族に前立腺癌の既往がある人

高齢者は前立腺がんのリスクが高いといわれています。特に60歳以上、それも高齢になるほどリスクは高くなるでしょう。

80歳以上では190人に1人は前立腺がんに罹患しているといわれます。

また若いうちから運動をしている人はまったくしていない人と比べて前立腺がんに罹患しにくいと考えられます。これは肥満との関係が大きく関わっているのではと考えられるからです。

肥満と前立腺がんの関係では、BMIが5上がると前立腺がんの罹患率が5%上がるという結果が出ています。

運動をしている人は肥満にならない傾向があることから、運動をしない人は前立腺がんの罹患リスクが高いといわれるのでしょう。

その他にすでに解説したとおり、近親者に罹患者がいる人もなりやすいといわれています。

発症に年齢は関係あるのでしょうか?

前立腺がんの発症は主に高齢者が多いことから、年齢はおおいに関係があると考えられます。

前立腺がんはほぼ高齢者のがんといわれ、90%が60歳以上の人の罹るがんともいわれています。

高齢者になるほどその罹患率は増えて、亡くなられた後の解剖では90歳以上の人の50%が前立腺がんにおかされていたといわれるほどです。

今後がんの発生率がトップになるのではといわれる前立腺がんですが、これは高齢人口が増加していることが大きな原因です。

前立腺がんの診断・検査方法

前立腺がんを疑う場合、どのタイミングで受診するのがベストですか?

前立腺がんは初期段階ではほとんど自覚症状が無いため、自覚症状が現れ始めた時にはすでに進行してしまっていることが多いのが特徴です。

また前立腺がんは骨への転移が多く、腰の痛みで受診してがんが発見されることも多い傾向にあります。そこで推奨したいのが早めの検査です。

通常50歳を越えたらPSA検査を定期的に行うことをおすすめしますが、家族に前立腺がんの人がいる場合には40歳〜45歳での検査を推奨しています。

また尿の出が良くない・残尿感があるなどの症状がある場合には受診して前立腺肥大か前立腺がんかを検査する必要があります。

似た症状のため見過ごしてしまうと早期のがん発見が難しくなるので気を付けてください。

前立腺がんの検査内容を教えてください。

前立腺がんの検査にはがんを発見するための検査と、がんと確定してから行う検査があります。がんを発見するための検査はPSA検査や前立腺MRI検査です。

PSA(前立腺特異抗原)は前立腺がんがあると分泌量が増すことで、がんの発見につながるのです。

ただ前立腺肥大や前立腺炎症でも分泌量が増すことがあるので、最近では前立腺MRI検査を施行して、組織診断(前立腺針生検)を施行すべきかどうかを判断することも多いです。

疑わしい場合には前立腺の組織を調べる前立腺生検を行います。前立腺生検はエコーを見ながら直腸から細い針を刺して組織を採取する方法です。

前立腺生検で前立腺がんが発見されたら必要に応じてCT検査・骨シンチグラフィー検査などが行われます。

CTではリンパ節や肺などへの転移を、骨シンチグラフィーでは骨への転移の有無を確認できます。その後がんの進行度によりI〜IV期のステージに分けられて治療が行われるのです。

検査入院などはありますか?

PSA検査などは入院の必要はありませんが、前立腺生検は検査入院が必要になります。特に問題が無い場合は1泊2日か2泊3日程度の検査入院となります。

前立腺生検でがんが認められなかった場合でも引き続きPSA検査や必要に応じて前立腺MRI検査は行われ、数値が高くなれば再度前立腺生検が行われるのです。

前立腺がんは、初期段階で発見できれば5年後の生存率は少なくとも90%以上といわれています。

定期的にPSA検査を行うことが早期発見につながるため、50歳を過ぎたら特に異常がなくても検査を行うことが大切です。

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