Cocomiのアドバイスを聞き入れない工藤静香――「娘に折れない母」と「融通の利かない長女」の関係

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。


娘たちのプロデューサーとしても活躍する工藤静香(C)サイゾーウーマン

<今週の有名人>

「せっかく娘が『やめな』と言ってくれるんだけど」工藤静香

『SONGS』(9月22日、NHK)

 みなさんは、工藤静香のインスタグラムをご覧になったことがあるだろうか。プロフィールにある「ファンの方々への、30周年の感謝の気持ちを込めてはじめさせていただきました」という言葉から考えると、インスタは、「歌手・工藤静香」としての活動といえるだろう。しかし、よく見ていくと、そこにはファンへの感謝だけでなく母心がにじんでいるように思えてならない。

 長女Cocomiと次女Koki,が、それぞれクリスチャン・ディオールとブルガリのアンバサダーを務めているからだろうか、工藤サンは同ブランドのアクセサリーや服をよく身に着け、インスタに写真をアップしている。娘たち2人は芸能人としては駆け出しで、知名度の点ではまだ工藤サンに及ばない。工藤サンのインスタといえば、更新されるたびにネットニュースとなり、一気に拡散されるのが常だけに、彼女は投稿を通して、娘たちの援護射撃をしているといえるのではないか。

 母親が娘の活動を応援するというのは、一般には望ましい姿とされる。ただし、工藤サンに関しては、ちょっと難しい部分もあるのではないだろうか。なぜなら、工藤サンはスターだから。「私は自分自身の努力でスターになった」「私のやり方は正しい」という自負があるだろうし、フツウの人が到底持ちえない人脈など、有形無形の財産を持っているはず。そんなスターの母親と、駆け出しの娘たちとでは、権力差がありすぎる。

 娘たちが「ママの言うことは正しいんだ、絶対なんだ」と思えているうちはいいが、「確かにママはスターで尊敬しているが、だからといって、言っていることが全部正しいとは限らないのでは?」というような疑問を持ったときに、権力の差があるため娘たちの意見が通らず、亀裂が生じる気がするのである。

 亀裂といえば、工藤サンは10代の頃、『ザ・ベストテン』(TBS系)で、「好きな人には絶対口答えしない」と、男ファーストであることを明かし、好きな男の言うことを全肯定することで、亀裂が生じるのを防ぐかのような発言をしていた。

 工藤サン、今もその考えに変わりはないようで、坂本美雨がパーソナリティを務めるラジオ番組『ディアフレンズ』(TOKYO FM)の2021年3月21日放送回に出演した際、リスナーからの「ケンカした時の対処法は?」という質問に対し、おそらく夫・木村拓哉の存在を意識しながら、「簡単ですね。『コーヒー飲む?』とか声かけます。私、めちゃくちゃ折れまくりです。もう工藤折れ香ですよ、めっちゃ折れます」と答えている。

 自分が折れること強調しているということは、「本当は折れたくないけれど」という気持ちがあるからだろう。折れたくないけれど、惚れたオトコの前では折れる。それが工藤サンの流儀なのかもしれない。

 しかし、娘に対してはそうでもないようだ。

 9月22日放送の『SONGS』(NHK)で、Cocomiと共演した工藤サン。「娘に(歌い方について)『伸ばしているのが長いから、ほかの音と当たるから、あまり伸ばさないほうがいいんじゃない?』と言われたことがあって。『あー、そうなんだ。ありがとう』って言いながら、伸ばしましたけどね」とCocomiのアドバイスを聞き入れなかったエピソードを披露。

 「そこはちょっと、自分のやってきたことを貫きたい。せっかく娘が『やめな』といってくれるんだけど、伸ばしましたね」と、“御意見無用”の理由を説明してみせた。

 Cocomiは音大生であり、彼女の指摘が見当違いなものとは考えにくいだけに、こんなところにも、工藤サンと娘にいつか亀裂が生じるのではないかという不安を感じてしまうのである。

 また、Cocomiの言動を見るに、Koki,より彼女のほうが母親とぶつかりそうだとも思ってしまう。

 日常生活を共にしていれば、自分の母親が、娘の指摘を受け入れるタイプか否かは簡単に判断できるはずなのに、ちょっと険悪になりそうなことも真面目に言ってしまう。Cocomiは、そんな融通の利かない「長女体質」を持っているといえないだろうか。

 「長女」とは、親にとって初めて生まれた女の子を指す言葉だが、性格を表す時に使われることもある。人が「〇〇ちゃんって長女っぽい」と言うとき、多くの場合は、母親のお手伝いをして、わがままを言わないしっかり者、でも真面目すぎて甘えベタ、要領が悪いといった意味で、「損する存在」の代名詞としても使われる。

 Cocomiが工藤サンから愛情深く育てられたことは疑う余地はないものの、「ザ・長女だなぁ」と思わされることが多々ある。例えば、Cocomiは母の日のインスタグラムで、「母とはいつも喧嘩してばかり 思ってもいないことを言ってしまったりして いつも私のためにしてくれるすべてに感謝したいです」とつづっていた。

 どこの親子でもけんかくらいするが、工藤サンがインスタで娘への愛を語り、「優しいお母さん」を印象づけている以上、「喧嘩してばかり」はお母さんのイメージを下げかねない情報だろう。彼女の「嘘がつけない」というか、「バカ真面目」な部分は、「ザ・長女」といえ、そこが母娘の衝突の原因になる可能性があるのだ。

 ちなみに妹のKokiは、デビュー当時から、「母のような女性になりたい」「好きな食べ物は、母の手料理」と公的な場で工藤サンを褒め続けている。もちろん本心だろうが、CocomiとKoki,の発言を比べると、工藤サンがうれしいと感じるのはKoki,発言ではなかろうか。工藤サンはよくKoki,が作ってくれたという朝食の画像をインスタにアップしており、やはりCocomiよりKoki,のほうが、母親にかわいがられるのが上手なタイプのように思えてしまう。

 このように、私は工藤サンとCocomiの関係が気になるわけだが、幸いというべきか、Cocomiはフルート奏者であり、工藤サンとは活動のジャンルが違う。クラシックの世界でも、知名度があることは大事だろうから、工藤サンの娘として知名度を高めつつ、母以外の尊敬できる師を見つけて頑張ってほしい。全国の長女は、あなたを応援しています。

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料理や収納など暮らしに関する情報や、芸能、海外ゴシップの最新ニュースを連日発信中。ほかにも、皇室や女子刑務所のウラ話、万引きGメンの現場レポなど、個性豊かなコラムも展開。ほかとは異なる切り口で、女性の好奇心を刺激する記事をお届けします。
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