終了まであと1カ月半! 秘境・秋山郷「旧大赤沢分校」の制作の裏側をチラ見せ?「大地の芸術祭」広報スタッフ便りvol.02

終了まであと1カ月半! 秘境・秋山郷「旧大赤沢分校」の制作の裏側をチラ見せ?「大地の芸術祭」広報スタッフ便りvol.02

新潟県十日町市・津南町の里山で11/13まで開催中の「越後妻有 大地の芸術祭 2022」。ピカピカの新米も楽しめる秋シーズンがスタートした現地から、広報スタッフ・山口さんよりお便りが届きました。普段は見られない制作過程から地元の人々との交流まで、大地の芸術祭の裏側をレポートする2回目は、越後妻有の中でも秘境of秘境の秋山郷からお届け!

◆松尾高弘「記憶のプール」「Light book – 北越雪譜 -」

50年前の記憶をモチーフにした土のプール

上/物品を撤去する松尾さんとこへび隊 下/職員室の塗装作業

松尾さんは2作品を展開。視察の際、50年前に集落が子供たちのために自力で作った“土のプール”の写真を見つけ、感銘を受けた松尾さんはそこからプランを考案します。

制作は春からスタートしました。展示する職員室と理科室で、芸術祭ボランティア「こへび隊」と物品の撤去から開始、すっきりとした部屋を今度は黒く塗り進めます。

「記憶のプール」Photo/LUCENT

そして、50年前の旧大赤沢分校の記憶を蘇らせるような、土のプールが完成しました。部屋の中央に設置されたプールのミニチュアを覗き込むと、当時の大人や子供たちの情景が、プールの底から光のホログラフィーによって浮かび上がります。またかつての黒板には当時の記録写真などがコラージュされていて、その時代を追体験できる空間構成になっています。50年前の小学校の象徴として設置された土のプールと教室全体を使って当時の記憶を蘇らせる、松尾さんらしい光のインスタレーションです。

「Light book – 北越雪譜 -」Photo/LUCENT

もうひとつの作品「Light book – 北越雪譜 -」は、越後の雪国の暮らしを描写した江戸時代のベストセラー『北越雪譜』がモチーフ。ページをめくると、描かれた挿絵が次々に浮かび上がります。書籍として今でも十分面白い『北越雪譜』。大地の芸術祭では、越後妻有が大事にしてきた暮らしを伝えるものとして、度々モチーフになる重要な書物です。

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