◆深澤孝史 特別企画展「秋山生活芸術再生館 ー田口洋美 秋山郷マタギ狩猟映像上映ー」
秋山郷のマタギ文化を作品に
会期直前に追加プランが浮上。深澤さんに依頼し、次回2024年に向けた調査報告的な形での展開が決まりました。
狩猟を生業とするマタギが今も活躍する秋山郷。狩猟文化が地域の重要な要素だと感じた深澤さんは、今年の2月頃からリサーチを始めました。まずは秋山郷で30年以上マタギ文化の研究を続ける、東北芸術工科大学の田口先生を訪ねて山形県へ。そこで見せて貰った貴重な狩猟映像をお借りして上映することになりました。
さらに、マタギの方など集落にお話を聞きに回ります。実際の制作は7月から開始し、7月末からの公開に向けて、会場となる体育館で急ピッチで制作が進められていきました。
上/熊の毛皮があしらわれた入口 下/映像の一部 Photo/Kioku Keizo
会場で見た30年前の映像は衝撃的でした。指示するリーダー、熊を追いつめるセコ(勢子)、射手など数人で山に入るマタギの姿。撃たれて雪山を転げ落ちる熊。それをズルズル運ぶマタギ。特に解体して胆のうを取り出すシーンは目が離せません。
毛皮で身体を温め、肉を食べ、昔は血もその場で飲んで薬とするなど、山の神様がもたらす恵みとして余すことなく生活に利用したそうですが、なかでも熊の胆のうは約3.75gで7万円とも言われた貴重で万能な漢方薬でした。そんな熊の生態を知り尽くしたマタギを鮮明に捉え、今では失われた狩猟技術や解体前の儀礼を撮影した貴重な映像です。他にも狩猟道具や熊の骨の展示など、ディープな秋山郷の世界へと誘われます。
今後、山の生活と芸術が交差する芸術祭の新たな拠点となる旧大赤沢分校。きっと今までにない体験ができるはずです。秘境・秋山郷でお待ちしています。
まだある!秋の大地の芸術祭のお楽しみ
ピッカピカの新米&お母さんたちのとびきりの手料理をお届け
うぶすなの家/「お母さんが作る季節の小鉢と妻有ポークの煮豚&車麩の山菜だれ」(土日祝営業/要予約) Photo Yanagi Ayumi
越後妻有の棚田でとれた魚沼産コシヒカリの新米をぜひご賞味あれ。とれたての新米&お母さんたちが作るとびきりの料理はスタッフ人気も絶大。「うぶすなの家」や「越後まつだい里山食堂」など、アート空間で食す芸術祭ならではのスペシャルランチはお見逃しなく!
配信: OZmall