5、離婚したくてもできないときの同居のストレスを軽減する方法
同居解消が実現するまでの間、同居のストレスを軽減する方法をご紹介します。
(1)顔を合わせる機会と時間を減らす
自分の部屋や夫婦の部屋など、義両親が入ってこない空間を作り、なるべくその空間で時間を過ごせるようにしましょう。
また、食事等の生活の時間帯もずらしましょう。
仕事をしたり、外に趣味を持ったりすることも良いでしょう。
また、義両親とは別に旅行をしたり、義両親に旅行をプレゼントしたりすれば、その期間は一切会わなくて済むので、リフレッシュになります。
(2)物を分けて手出し口出ししない
本来は2つ必要がないものでも、もめ事の原因となりそうなものは、お互い別々に用意し、お互いのものに手出し口出しをしないようにしていきましょう。
(3)挨拶をする、お礼を言う、お詫びをする、褒める
この4つは人間関係を円滑にするうえでの基本ですが、義両親にとっても同じでしょう。
この4点をおろそかにしていないか、改めて考えてみてください。
(4)家賃換算する
義両親と別居したら家賃がいくらになりそうか試算し、その分を貯金したり、そのお金の一部を自分の好きなことに使ったりして、義両親との同居によってお金が節約できていることを実感するといくらか心にゆとりが生じる場合もあります。
6、同居を原因として離婚を協議する時に併せて決めるべきこと
今回のように、あなたが離婚をしたがっていて夫が離婚を望んでいない場合、以下の事項について夫に有利な条件を求めてくる可能性があります。どうしても離婚したい場合は、不利な条件を飲んでもかまいせんが、相場はどうなのかということを頭に入れた上で交渉に臨みましょう。
(1)婚姻費用
婚姻費用とは、夫婦の別居期間中に収入が多い方から少ない方に渡す生活費のことです。
夫があなたよりも年収が高い場合、別居開始から離婚成立まで婚姻費用を請求できます。
婚姻費用の額は夫婦で話し合って決定して構いませんが、まとまらない場合は、裁判所を出している算定表を基準に決めるとよいでしょう。
詳しくは「別居時に婚姻費用算定表を正しく利用して請求できる金額を計算する方法」をご確認ください。
(2)財産分与
財産分与とは、婚姻中に築いた夫婦の共有財産を貢献度に応じて分け合うことです。
どのように分け合うかについては、夫婦で話し合って構いませんが、通常は折半します。
専業主婦で収入がなくても、家事をすることによって家計に貢献しているのであれば、折半するケースが多いです。
財産分与について、詳しくは、「財産分与|離婚時にできるだけ高額を獲得するために知っておくべき全てのこと」をご参照ください。
(3)年金分割
年金は拠出した額が多ければ給付される額も通常多くなりますが、専業主婦や働いていても夫よりも給与が低い場合は、夫よりも年金が少なくなってしまい不公平です。
そこで、婚姻期間中に拠出した年金を夫婦で按分して不公平を無くすのが年金分割です。
詳しくは「離婚時の年金分割をできるだけ多く獲得するための全手順」をご参照ください。
(4)親権
親権をどちらが持つかということについても、前述のお金の問題同様に夫婦で話し合って決めて構いません。
今回のケースですと、夫が離婚の条件として親権を譲ることを主張してくる可能性があります。
両方とも親権が欲しくて譲らなかった場合、調停や裁判で親権者を決めることになります。
その場合に、調停委員や裁判官が重視するポイントとしては、子どもの意思と、継続性の原則です。
継続性の原則とは、これまで中心となって子育てをしてきた方に継続して親権者として育ててもらうという原則です。
つまりは、親権者となるためには、子ども自身に「こっちに育ててほしい」と思われるような親でなければなりませんし、また、中心となって子育てをしていなければならないということです。
誤解してはならないのは、子どもを甘やかしたり、子どもに配偶者の悪口を吹き込むことによって、子どもに選んでもらおうとしてはならないということです。
このような方法を取ることは子どものためになりませんし、また、調停委員や裁判官は様々な質問で子どもの意思を確認するため、過剰に甘やかしていることや配偶者の悪口を吹き込んでいることが分かってしまい、親権者として不適格と判断されかねないでしょう。
また、前述の通り、別居時に子どもを不穏当な方法で連れ去り、継続性の原則の観点から優位に立とうとすることも同様に親権者として不適格と判断されてしまうでしょう。
(5)養育費
養育費は子を引き取って監護する方に対して相手が支払います。
額については、これも夫婦で自由に決められます。
もっとも、裁判所が出している算定表があるので、これに基づいて算定されることが多いです。
例えば、夫の年収が500万円であなたの年収が300万円の場合、子供が14歳までは2〜4万円、15歳〜19歳までは4〜6万円が月額の養育費の相場ということになります。
(6)慰謝料
慰謝料とは精神的損害に対する賠償です。
どちらからどちらにいくら支払うかについては夫婦で話し合って自由に決めて構いませんが、通常は離婚の原因を作った方がもう一方に対して支払います。
今回のケースでは、慰謝料は問題とならないでしょう。
離婚慰謝料について詳しくは、「離婚慰謝料の相場と弁護士が教える高額獲得する方法」もご参照ください。
配信: LEGAL MALL