なぜ子どもは中耳炎になりやすいのか?

第239回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
子どもが突然「耳が痛い」と訴え出し、病院へ連れて行くと中耳炎と診断された経験ありませんか? 痛みが少なく、気づかないものを含めると、小学校へあがるまでには、多くの子どもが1度は発症しているそう。夜中に痛みが強まるため、焦って夜間救急に駆け込むパパ・ママも少なくないはず。しかし、自宅でできる対処法もあるのです。

なぜ子どもは中耳炎になりやすいのか?

●中耳炎は耳が原因ではない?

中耳炎は、耳の中の炎症なので、感染源が耳だと思われがち。しかし、それは間違い。実は、鼻の奥にある『耳管』を通って中耳に入り込んだ菌が、鼓膜やその内側に炎症を起こすのが原因。つまり、プールやお風呂の水が耳に入っても、それだけが原因になるわけではないそうです。

むしろ、のどや鼻から菌が入ることが多く、風邪がきっかけで併発する場合がほとんど。炎症が軽い場合は、鼓膜の充血程度ですが、多くは中耳に膿がたまることで鼓膜が真っ赤に腫れ、鼓膜を圧迫。それにより、鼓膜に穴が生じ、膿が出てくるときに強い痛みを伴うのだとか。膿が出てしまえば、痛みは和らいでいきます。

●子どもは中耳炎になりやすい!

中耳炎は、子どもに多いイメージがありますよね。では、なぜ子どもは中耳炎になりやすいのでしょうか? 

小さな子どもは耳管が短く、咽頭に対してほぼ水平に近い角度に位置するため、菌が中耳に侵入しやすくなっています。成長するに連れて、耳管の長さや角度が変わるため、小学校高学年頃には、ほとんど発症しなくなるのだそう。

●中耳炎かも?と思ったら

言葉でコミュニケーションが取れる年齢なら、「痛い!」と簡単に伝えられますが、まだ上手に話せない子どもの場合は、普段の様子から判断してあげなければいけません。

□中耳炎のサインかもしれない行動
・しきりに耳を触る、気にする
・不自然に首を振る
・理由もなく機嫌が悪くなる

これらの行動が頻繁にあるようなら、中耳炎の疑いあり。念のため、耳鼻科に連れて行ってあげましょう。ちなみに、急性中耳炎の強い痛みは、冷やすことで、和らげることができるそうです。保冷剤などをタオルでくるみ、耳の後ろに当てて冷やしてあげると◎。

●予防方法は鼻水ケア

中耳炎を防ぐには、風邪のケアが大切。症状が鼻にきていると感じたら、早期に受診することで中耳炎を防いだり、軽い症状で終わらせることができるそうです。また、鼻水をすするのをやめさせ、鼻水を出すようにしてあげるのもポイント。鼻水には、中耳炎を引き起こす菌が混じっていることが多いらしく、鼻をかむ習慣をつけてあげるとリスクが減るかもしれません。苦手な場合は、市販の吸引器などを使うのも効果的とのこと。

場合によっては、中耳炎は、激痛を伴うことがあります。子どものつらい姿を見るのは、パパ・ママにとっても、心苦しいですよね。予防策と対処法をしっかり把握しておけば、焦らずに、乗り越えられるのではないでしょうか。
(文・姉崎マリオ/考務店)

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