視線は通常、両眼とも同方向に向かってそろっていますが、斜視では左右の視線が違う方向に向かいます。視線は、片目ずつ調べるとわずかにずれており、斜位という状態になっていますが、斜視は両目で正面のものを見ようとしたとき、片方の目が正面を向いていても、もう片方の目が違う方向を向いてしまいます。視線のずれの方向によって、内斜視、外斜視、上下斜視、回旋斜視に分けられます。
斜視の症状は両眼視機能の障害が現れ、奥行き感や精密な立体感覚が低下します。小児時に斜視があると両目視機能の発育不順が起こり、弱視に繋がります。成人では、糖尿病や高血圧、脳の異常や頭部の損傷によって斜視が発生し、目の疲れやものが二重に見える複視などを発症します。このように、斜視は見え方としての問題と、見た目としての問題の両面を持っています。
斜視の原因は、左右の目の屈折率などの機能に差があることや、協調運動の障害があることです。小児時の遠視により目が内側に寄る内斜視を発症する、片方の目に視力障害があり視力の悪い目が外斜視を起こすなど、生まれつき内斜視を発症する先天性のものもあります。ほかにも、目の動きに関連した筋肉や神経の障害が原因となる場合もあります。
成人では、動脈瘤が動眼神経麻痺を引き起こして斜視を生じる場合や、糖尿病、高血圧、多発性硬化症、頭部外傷などの病気に関連して発症する場合があります。
斜視の性差について、過去の調査の中で女性は男性の1.5倍といわれています。小児の斜視は、両側の視機能の発育不順に繋がる可能性があります。
すぐに病院に行った方が良い「斜視」症状は?
意識を失ったり、激しい頭痛のある場合
手足が思うように動かない(麻痺)、感覚がおかしい場合
これらの症状の場合には、すぐに病院受診を検討しましょう。
行くならどの診療科が良い?
主な受診科目は、眼科、脳神経内科です。
問診、診察、眼科的検査(視力検査、屈折検査、遮閉試験、眼球運動検査など)、画像検査(CTやMRI)などを実施する可能性があります。
配信: Medical DOC