5歳未満の子どもへの新型コロナワクチン接種「推奨」 日本小児科学会「メリットの方が大きい」

5歳未満の子どもへの新型コロナワクチン接種「推奨」 日本小児科学会「メリットの方が大きい」

11月2日、日本小児科学会はオンラインの記者会見にて、生後6カ月から5歳未満の子どもへの新型コロナウイルスワクチンの接種について「推奨する」との見解を示しました。このニュースについて郷医師に伺いました。

監修医師:
郷 正憲(医師)

徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、ICLSコースディレクター、JB-POT。

今回のニュースの内容は?

日本小児科学会の「生後6カ月から5歳未満の子どもへのワクチン接種を推奨すること」についてのニュースの内容を教えてください。

郷先生

日本小児科学会は、11月2日のオンライン記者会見にて、生後6カ月~5歳未満の子どもへの新型コロナウイルスのワクチン接種について、「メリットがデメリットを上回ると判断され、接種を『推奨する』」との考え方を示しました。日本小児科学会では、2022年8月に5~17歳の子どもへの新型コロナウイルスのワクチン接種の推奨を発表しており、生後半年以上の全ての子どもへ推奨したことになります。

オミクロン株流行期における乳幼児への新型コロナウイルスワクチンの発症予防効果は、生後6カ月~2歳未満で75.8%、2~4歳児で71.8%とされており、重症予防効果はさらに上回ることが期待されています。日本小児科学会による乳幼児への新型コロナウイルスのワクチン接種の見解ははじめて発表されましたが、海外でのデータ集積が進んでいることも背景にあります。なお、2022年11月現在、生後6カ月から5歳未満の子どもへの接種が承認されているのは、ファイザー社製のワクチンです。乳幼児のワクチンに含まれるmRNA量は、12歳以上のワクチンの10分の1、5~11歳未満のワクチンの10分の3となり、接種回数は3回です。

乳幼児に対する新型コロナウイルスワクチンの推奨への受け止めは?

日本小児科学会で、乳幼児への新型コロナウイルスワクチンの接種が推奨が示されましたが、先生の考えについて教えてください。

郷先生

今回のワクチン接種の推奨は、海外での症例の蓄積もあったため決定に至りました。「小児は新型コロナウイルスに感染しても重症化しにくい」「ワクチンによる副反応が心配」という認識が先行していたこともあり、小児の接種にはやや後ろ向きの風潮もありましたが、感染拡大に伴って小児の感染例が増えたことで認識が変わってきました。まず、小児が重症化しないという風潮ですが、たしかに死亡率や重症化率は成人や高齢者と比較して低い傾向にあります。しかし、重症化しなくても後遺症の発症例が多く診られることが分かってきました。また、後遺症もあるのではないかということについては現在データを蓄積中ですが、比較にならないほど多い割合で感染後の後遺症があるようです。ワクチンを接種することで感染を抑制する効果ももちろんありますが、後遺症発症予防効果があることも分かってきました。さらに、感染して数年経ってから起こってくる後遺症が危惧されていますが、ワクチン接種が進むことでそのような後遺症の発症を抑えられる可能性も示唆されています。副反応に関しては、たしかに接種部の熱感や発熱はあるものの、ひどい倦怠感で1日動けないような症状や数日後も続く頭重感など、大人にみられるような副反応は小児では少ない傾向にあります。集団感染を完全に防ぐことはできませんが、感染率を減少させる効果も認められており、感染者を減らすためにもワクチン接種は重要であると考えます。

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