年収において、一つの区切りと見られることの多い「年収1000万円」。一般的には富裕層と見なされることが多いですが、果たして年収1000万円は本当に富裕層なのでしょうか? 富裕層の定義からご紹介します。
世帯の純金融資産保有額によるマーケット分類
富裕層の定義としては、「一定以上の購買力や経済力を有している世帯・個人」であり、「層」といっている以上、資産やこの経済力・購買力を階層別に分類をした際の上位層であることになります。より広義に捉え細分化し、純金融資産5億円以上の「超富裕層」と純金融資産1億円以上の「富裕層」とに分類されることがあります。
ここでいう純金融資産保有額とは、預金額や株式・投資信託などの金融資産の合計から負債額を差し引いた額です。日本では株式会社野村総合研究所が「純金融資産保有額の階層別に見た保有資産規模と世帯数」において、この定義に基づいた日本の金融資産の保有額別のマーケット分析を行っています。
これによると、日本では
●超富裕層(5億円以上)
●富裕層(1億円以上5億円未満)
●準富裕層(5000万円以上1億円未満)
●アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
●マス層(3000万円未満)
の5段階に分類されています。
図表1 純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数
出典:「純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数」(2020年、株式会社野村総合研究所)より筆者作成
各層の世帯数とその割合
それぞれの世帯数は図表1のようになっており、超富裕層と富裕層を合わせた世帯合計数は、132万7000世帯で全体のわずか2.4%、ここに準富裕層までを合計すると、474万5000世帯で全体の8.7%、準富裕層までを足し合わせても全体の10%以下にとどまります。
アッパーマス層以上を合算して、1186万6100世帯で21.9%となり、ようやく全体の上位2割となります。対して、純金融資産3000万円未満のマス層は4215万7000世帯で、全体の約8割をこのマス層が占めます。
配信: ファイナンシャルフィールド